お題【運】数字

 昼休み、突如友人の上に数字が見えだした。数十万や数万…なんだこれ。


「なんかいいことないかな」

 つまらなさそうに友人が言う。運の数なんて変わらない。いつ使うかだけなのに。

「ツイてない人生なんだよな、俺」

 そう話す友人の頭には数十万の数字が。恨めしそうに女子を見げていた友人の数字が1減った。

「お。パンツ見えた」


 これは…幸運の順位? 彼は幸運を得たことで順位をあげたとか。帰路、ふと鞄から鏡を出して見てみた。俺の頭には1が。

 まさかの1位!? 顔をあげると、目の前の道路で1万円札が踊っていた。凄い! 飛び出した瞬間、大きなクラクションが…。


 俺は悟った。

 あれは順位ではなく「残りの幸運カウンター」だったのだ。

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