お題【選ぶ】暇つぶし

俺はその少女を暇つぶしの相手に選んだ。

今から行く店の話、それから昨日の料理の出来栄えと、それをSNSにUPした話をする少女。彼女たちは次の駅で降りていった。俺は彼女が話し続ける情報から、彼女のSNSのアカウントにたどり着いた。数十分後、流行りのタピオカの写真がUPされた。決まり。俺の勝ち。

俺は彼女のSNSを見続けた。意味はない。ただの一人遊びの観察相手。

「鬼ごっこ楽しすぎ」「テンション↑」

彼女のSNSにつくメッセージは短く、何を指しているのかわからないこともあった。

ある日、唐突にビジネス街の喫茶店の写真がUPされた。

そこには俺が映っていた。

「見つけた」

選ばれていたのは、俺の方だったのだ。

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