再生怪人
「あれがレミ教授だって?」
強敵の再登場に、リザは戦慄する。
まさか。レミ教授は、自分たちが倒したはずだ。
だが、目の前にいるカラスの怪人は、レミ教授の色違いである。
レミ教授が、指を鳴らした。
魔物たちが、四組のグループに集まった。ドロドロに融合を始める。
「猩々、サソリ、イカまでいるわ」
「ドロテのヤロウまでいるッス!」
混ざり合った魔物たちが、かつてアンが倒してきた怪人たちの形を取った。
「クラウ・ソラスを使わせる気か!?」
「いや、吾輩たちだって強くなっているはず。それに、魔物たちもダウンサイジングされておりますぞ!」
レオの言うとおり、放つ瘴気はさほどでもない。
ドロテの身体も、人間サイズである。
サソリ怪人が、突進して尾による攻撃を繰り出してきた。
「ふうん!」
イコがサソリの尾を軽々とすり抜ける。
カウンターで一閃の元に、サソリ怪人の胴を払う。
斬られたサソリが、泡となって絶命した。
「ヌヌ、ヒドい切れ味でござる!」
やはり、無理な再構成によってバランスがおかしくなっているらしい。
他の怪人たちも、あっさりと倒せた。
「案外、大したことないね!」
「そりゃあそうですぞ! 再生怪人は弱いと、業界では相場が決まっておりますぞ!」
「どこの業界だよ!?」
軽口をたたき合いながら、リザとレオが、再生した怪人貴族たちを殲滅する。
ならばと、レオが白いカラスの怪人へ銃弾を放つ。
次も楽勝だろう。誰もが思っていた。
しかし、銃弾はたやすく受け止められる。
「一人だけ異様に強い。となると、あなたは本物のレミ教授ですな?」
「いかにも! お主たちがブローニュの森で倒したのは、ワシの影武者よ!」
白いカラスの怪人が、正体を隠そうともせず語った。
「あのとき、アンタは影武者と入れ替わってワケか」
「その通り! この姿こそ、ワシの真なる姿!」
真っ白いカラスは、所々が白骨化している。
だが、強敵であるに違いない。
「ほらご覧なさい! 吾輩は正しかった!」
勝ち誇ったように、レオが叫ぶ。
「あんたの仮説なんてどうでもいいから、早く教授を始末しちまいな!」
呆れたリザは、レオをけしかける。
「おのれ妖怪変化。今一度地獄へ送ってくれる!」
「くたばり損ないは、さっさとヤッちまうに限るッス!」
イコとジャネットが、同時にレミ教授へ斬りかかった。
抵抗することなく、レミ教授はあっさりと攻撃を浴びる。
「口ほどにもない!」
いくらイコが切り裂いても、ジャネットがクナイで首を斬っても、レミ教授は再生してしまう。
「どういうこったい! 攻撃がまるで利きやしない!」
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