幕間という名の次回予告
「バッキャロー。なんでアン・ド・ブルターニュがケルトの血を引いてるんだ? ケルトってアイルランドじゃねーかー」
犬山の話が終わった後、カップルの男性の方がイチャモンをつけてきた。
「うるっせえなーあ。ナントにそういう伝承があるんだよぉー」
揚げ足を取るような因縁をつけられ、犬山もガマンならない。仕事であることを忘れ、口調をマネて反論する。
「ンなもん、信じられっかっての。お前もそう思うだろー?」
男性は、彼女に同意を求めた。
「続きが気になる!」
彼女の方は、食いついてきく。
「外にある銅像の人なんだよね?」
「肩で風切る雰囲気など、アン王妃の人柄が出ている銅像だと思います」
リザを助けに来たときの様子を、忠実に再現した像らしい。
「ねえ、この続きどうなるの?」
「よくぞ聞いてくださいました。アンは遠征先のレストランで、とある日本人と遭遇します。その名も、
犬山は、男の方に話題を振る。
「知ってるよ。柳生新陰流の元祖だろぉ?」
「よくご存じで」
移香斎とは、新陰流の元となった剣術「陰流」を極めた人物だという。
伊勢出身の移香斎は、修行のためにあちこちの国へ旅をしていたと言われている。陰流を会得したのも、日向国、現在の宮崎県だ。
「そんな彼が、どうしてフランスにいたのか? それも、バロールのなせる技だったのです!」
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