第5話
Yちゃんが海外に行ってから私は平凡な毎日を送っていた。仕事で店長になり閉店後は大阪まで会議に出て最終電車で帰る事も増え以前程遊びに出かけれなくなった、というより毎日に疲れを感じていた。マー君とは連絡しなくなったままだったのできっと幸せな結婚生活を送ってるのだろう。Fちゃんとはたまに電話で話はしていたがほんとにたまに…だった。
当時はラインなどなくYちゃんとは全く連絡は出来なかった。
そんなある日、私は今までの人生これからの人生で最も大きな存在と出逢う。それはいつものように仕事を終えて少し疲れ気味で家の最寄り駅に着いた時だった。2人の年頃も変わらぬような男性が「少し話さない?」と声をかけてきた。夜になっていたのと街灯が暗かったのもありはっきり2人を見ることが出来なかったが、何故か私は話くらいならいいかな?と思った。徒歩で行ける私のマンション近くの閉店した喫茶店の玄関で雑談した。お互い自己紹介したが、この時はどちらがどっちの名前か聞き流していて覚えようともしなかった。対して興味も湧かなかった気がする。少し話をした後、私は疲れていたのもあって電話番号だけ2人に伝えてマンションに帰った。あぁ何の出逢いだ?なんてくらいの気持ちで帰り堅苦しいスーツを脱いでラフな格好に着替えた、と同時に電話が鳴った。出てみると今出逢ったばかりの2人のうちの1人からだった。名前も覚えてない私は失礼ながら「どっちの方?」とたずねると「帽子被ってた方、今から少し会えない?」との電話だった「駅に車止めて待ってるから」と。2人にたいした感情もなかったが、なんとなく行ってもいいかな程度でラフな格好のまま彼の車まで行った。夜の車内は暗く彼の顔もはっきり見えないまま、お互いの仕事、彼はパン屋で働いてる事、好きな音楽、私より1歳年下であるなど話をした。特に行くあてもないので、私は「うちでコーヒーでも飲んで帰る?」と言った、軽い気持ちで…。彼が車を停め部屋へ入った時やっと彼の顔がはっきり見えた。整った綺麗な顔をしていた、というよりは私好みな顔立ちだった記憶がある。部屋でお茶とタバコを吸いながら話しをしているうちに、彼が私の腕を触り「綺麗な肌やなぁ」と言ってきた。そのまま私は彼とキスをした。彼はとても良い香りの香水をつけていた。そのままキスを交わしながら彼の手が私の服の中に入り私は電気を消してと言い私は彼とSEXをした。2年ぶりくらいのSEXでもあり産まれて2人目の相手だった。マー君もYちゃんもキスも体の関係もなかったからだ。
部屋を暗くしていてもとても恥ずかしい気持ちと緊張感が彼につたわらないか?と最後までドキドキしていた。
帰りに彼をエレベーターで下に送る時に彼がエレベーターの中で優しく抱きしめてきた、身長も高く私を包み込んでくれたような気持ちになった。
翌日から彼と付き合う事になるが
今45歳になっても、この日が私の人生で最高の日だったと今も思う。
そして人生戻れるならこの日からやり直したい。そう、二人すれ違わないように手を握りしめて歩きたかった。私が彼とのすれ違いを待てたなら…、私が彼を信じる事が出来たなら…。
そしてこれから起こる最悪の出来事さへなければ…。その最悪の出来事のせいなのか私がのちにマー君と同じ精神病にさへならなければ…。
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