第13話~親父魔王討伐~

レミア、ヴィクトリア、ナラム、カカラ、リヴァイア(+エン)、やよいちゃんの6人は親父魔王がいるであろう魔王の間に向かっていた。


レミアが旅立つ前は通路には明かりが灯り少なくなったとは言え魔王に従うデーモン達がいたが、今は明かりも無くデーモン達の気配すら感じなかった。


魔王の間の扉の前まで邪魔をされる事も無く辿り着いた。


扉の奥からは今まで感じた事の無い魔力を肌にヒリヒリ6人は感じていると扉がゆっくりと開き始めた。


扉が開き終わると魔王の玉座に若かった頃の3姉妹の親父魔王が目を瞑り座っていて6人が部屋に入ると親父魔王はゆっくりと目を開けながら。


「ヴィクトリア、ナラム、そしてレミアまで父親に背くか・・」


親父魔王はそう言うと立ち上がるとレミアが1歩前に出て。


「父さんは支配魔法に支配されているからレミアが今助けてあげる」


レミアがそう言うとナラムが


「この恥ずかしい格好にしたのは親父か?」


「恥ずかしい?何を言っている・・素晴らしい魔王少女じゃないレミアもナラムも」


親父魔王が笑みをこぼしながら言うとヴィクトリアが呆れた口調で


「お父様、ご自分の趣味を娘に強制するなんて恥ずかしく思わないのですか・・まったくいい年したおっさんが・・」


「そうかヴィクトリアも欲しいと言うか」


親父魔王はヴィクトリアの話を軽く無視すると指を一回鳴らした、すると親父魔王の横に赤をベースにした可愛い魔王少女装備一式が現れた。


「げ、まさか・・」


ヴィクトリアが驚いていると親父魔王が嬉しそうに。


「そうだヴィクトリア専用だ・・」


親父魔王は再度指を鳴らすと赤い魔王少女装備一式が6人の前から消え、少しすると親父魔王が拳をゆっくりと天高く上げながら。


「これで魔王少女3姉妹の完成だ・・今まさにわしの夢が叶った瞬間である!我が生涯に一片のーーーー」


全員がよく分からない親父魔王の行動を見ていると親父魔王の言い終わりに被る様に姉妹も聞いた事の無い声でヴィクトリアが叫んだ。


「こ、この、糞親父!今この場で殺してやる!」


ヴィクトリアはそう言うと手を何度も光らせ親父魔王に攻撃を始め、全員が親父魔王からヴィクトリアの方を見ると、そこには赤い魔王少女に変身させられたヴィクトリアが立っていた。


「ヴィクトリアおねーちゃん・・」


レミアはそれ以上突っ込むと攻撃の矛先が自分に来ると悟りそれ以上は言わなかったがナラムがその先を笑いながら言ってしまった。


「うは、ヴィクトリア・・その格好が意外と似合っているじゃん」


ナラムがそう言うとヴィクトリアは攻撃をやめナラムの方を睨むと


「ナラム・・お前から殺す」


危機を感じたレミアがヴィクトリアが魔法を唱える前に割って入った。


「ヴィクトリアおねーちゃん、今はお父さんを何とかしないと」


レミアが言い終わると同時に親父魔王からの攻撃が始まった。


「うははははは、お父さんは嬉しいぞ、お前達がそんなに喜んでくれるとは」


完全に逝かれた親父魔王と6人の壮絶な戦いが数時間に渡って続き、最終的に魔王の間は元の姿を留めていなかった。



辺境とは言え元々親父魔王は魔王を名乗るだけの力を持っていたのと支配魔法により全盛期以上の力を発揮していた。



後にこの戦闘の事を6人はこう語っている。



カカラの場合


「絶対のはずの防御魔法は破られるし、最上位攻撃魔法も殆ど抵抗されるし、私は無視されるし、正直凹みましたわ・・てかレミアの逝かれた親父とは二度と戦いたくないです・・」



やよいちゃんの場合


「もう、親父魔王さんたら、やよいにイケ面男の幻覚魔法を掛けてね、つい癖でイケ面追い駆けて行って気づいたら知らない場所にいて、やよいどうしようって困っちゃったわよ」



リヴァイアの場合


「レミアの親父?赤龍のエンを超えた非常識な魔王だった・・人間の姿では無理と判断した私は本来の姿に戻ったのだが、全力の津波魔法はスコールか?と言われるし、エンとのフュージョン魔法の水と炎の津波竜巻魔法なんて片手で消されちゃうし・・途中からカカラと同じく無視されちゃったから・・本当に私はリヴァイアサンなのか疑問に思ってしまった」



ナラムの場合


「親父に掛けたミラーマジックは不発・・と言うか出て来た偽魔王が本物と共闘して私達3姉妹を追い掛け回すなんて・・あれはもう逝かれたストーカーだったよ、それより長い間時間を掛けて復活させたエンシェントデーモン魔法って何だったのだろうかって思ったよ」



ヴィクトリアの場合


「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す・・以上だ・・何?説明になっていない?脳内変換して理解しろ・・それだけだ」



レミアの場合


「もう、お父さんたら『魔王少女最高』って言いながらレミアの事を追い掛け回すし、ナラムおねーちゃんの魔法で2人に増えておねーちゃん達を追い掛け回すし、もうレミアなんて2人に囲まれた時なんて一生お父さんの『おもちゃ』なのかって思ったけど最後に一言言ったら正気に戻ってくれたので良かったです」



そしてレミアが戦闘を終わらせた言葉がこれだ・・



「お父さんなんてもう知らない!」


この一言が親父魔王の頭で何百回も響き渡り、親父魔王は支配魔法から解き放たれ本来の中年親父魔王に戻り、その場にいた全員が「そんな馬鹿な」と思った。



そうして強大(変態的)な力を持ったお父さん魔王をレミア達は救う事が出来た。



リアルおまけ


可愛い娘にそう言われた事のある父さんなら理解してくれると思っています・・


多分・・最狂最悪の父親の精神破壊魔法です。


(肉まん大王の当者比)


次回、謎のマジックアイテム回収編の最終回です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る