第11話~魔王少女帰還~

父親から言われた5つのアイテムを集めたレミアは魔王になる為に父親の待つ魔王城に戻る途中の街「ミヤオオ」で問題が起きた。



次女のナラムから慌てた声で遠距離通信がレミアに入った。


「レミア、やっと繋がる距離に入ったわね」


「ナラムおねーちゃん久し振りー元気してた?」


「久し振りー元気だよー・・なーんて今それどころじゃない、近隣の魔王達が一斉に攻めてきた・・」


ナラムの話によるとレミアが先日とある魔王を倒した日、そしてたまたま魔王城に用事で戻った日に近隣の魔王達が攻め込んで来たとの事だった。


「お父さんは当てにならないしヴィクトリアには連絡取れないし・・私1人じゃそう長く持たないからレミア早く戻って来て」


そう言われたレミアはそう言われても・・の様に。


「後5日位はかかるよおねーちゃん・・」


「3日で戻らないと・・実験の生贄に・・」


そこでナラムの通信が切れ、レミアは顔面蒼白になり気絶しそうになった。


レミアはカカラ、やよいちゃん、リヴァイアに魔王城の危機を話すと


「転送の魔法は魔王城に魔方陣が無いから無理か」


「イケ面を餌に頑張っても3日は無理ねー」


「全力で走っても無理だな・・飛べれば3日もあれば行けるが・・飛べなくて済まない」


リヴァイアの「飛べない」にレミアは閃いた。


「赤龍のエンに頼めないかな?飛んで行けば3日で行けると思うんだけど」


レミアの提案にカカラ、やよいちゃんは賛成したがリヴァイアが「赤龍のエンに乗るのは嫌だ」といつもの駄々を捏ねたが、レミアは事が終わったら「3泊4日で好きな海に連れてく」と説得をした。


レミア達が赤龍のエンに頼みに行くと、以前、魔王城まで勇者達を送った事もあり、演舞事件の謝罪と言う事で了承してくれ、そして昼間は目立つからと深夜の出発になった。



深夜、街から少し離れた場所にレミア、カカラ、やよいちゃん、リヴァイア、赤龍のエンがいた。


人間の姿のエンの見た目は白髪に白髭の老人だったがあっという間に元の巨大な赤龍に戻るとレミア達を乗せて飛び立った。



魔王城まであと1日の所でナラムから通信が入った。


「魔王同盟軍の攻撃が止まり魔王城の地下にある魔石を全て渡せは命だけは助けるだそうだ」


「地下の魔石なんてあったの?」


「お父様に聞いたら最初は知らないと言ったってたけど、問い質したら白状したわ、何でも先祖代々各地で集めた魔石がしまってあるそうよ」


その話を聞いたカカラが思い出したかの様に


「確かに魔石があった・・しかも大量の魔石が・・見つけたところで捕まっちゃったけど・・」


カカラがそう言うとレミアとナラムが


「カカラ、何で魔石の事を知ってるの?」


「そうよ私も知らなかったのに」


カカラは少し間を空けてやれやれと言った感じで


「とあるお店で酔っ払った魔王が粋がって言ってたのを聞いた・・」


「・・・・」


レミアとナラムは言葉が出なかった。



そしてナラムは魔王同名軍の要求を拒否してレミア達の到着まで抵抗してみると言って通信を切った。


「赤龍のエン・・出来るだけ急いで」


レミアは理由はどうであれ生まれ育った魔王城を渡す訳には行かないと誓った。

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