第2話 苛まれた夜 詩

夜、眠りにつこうとすると、耳の奥で誰かの声が聴こえた

隣町の男女がはしゃぐ声か

夫婦の喧嘩の声か

赤ちゃんの泣き声か

時空が乱れているのか、僕の耳元ではひどく遠くから声の響きがした


雲の端に月が隠れた時

ようやく僕に穏やかな眠りがやってきた

夢の中で僕は舞台にいた

そこで何をしていたかと言えばダンスをしていたのだ

観客席から響くのは

やはり、あの声

僕を苛めた声だ


朝、目覚めると太陽の光がカーテンの隙間から射し込む

まだ青い早朝の世界がカーテンを開けると広がっていた

さっきの声が聴こえる

今度はいつ聴こえるのだろうか

そんな世界で僕は呼吸をしていた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る