第3話 プロローグ 三

 「あなた、丸川竜雄さんですね?」

竜雄はその日、パチンコの帰りに、ある老紳士に、声をかけられた。

「え、あ、あなたは…。」

その老紳士の脇には、片田舎には似つかわしくない、リムジンが停まっている。

「私は、名を名乗る程の人間ではありませんよ。

 単刀直入に伺います。

 あなた、500万円の、借金がありますね?」

 いきなりの老紳士からの失礼な質問に、竜雄は、動揺した。

「ど、どうしてそれを…。」

「何、そんなことは私たちが調べれば、すぐに分かることです。

 私は、あなたにある提案を、しに来ました。

その提案は、あなたの500万円の借金を、帳消しにできるかもしれない、提案です。

 興味がおありでしたら、後日、この地図の場所に、来てください。」

そう言って老紳士は、一方的に竜雄に地図が描かれた紙を渡し、脇のリムジンに乗って、去って行った。

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