幻夢現無(げむげむ・おれを殺しにかかる時)

上松 煌(うえまつ あきら)

幻夢現無(げむげむ・おれを殺しにかかる時)



 南房総のコテージにいた。

休暇の気安さで、真昼間から極上の酒にひたる。

まったりと満ち足りた想いが、じんわりと自分をたどっていく。


 あれは高1だった。

思春期の定番で、カノがスピリチュアルに凝っていた。

池袋駅に近い裏路地の、ヤバげな占いの館。

霊媒師の待つドアに消えたカノが、すぐに顔を出した。

「煌(あきら)も来てって」


 中近東かインドの怠惰で緩慢なリズムと、焚きこめた香の匂い。

ゴテゴテした内装のめまいのするような空間に、上目遣いの視線がこっちを見ていた。


 「君。ちょっとアレなモノしょってるのね」

中年あるいは初老の少し濁った声。

原色の付け爪が卓上の紙をつかみ、さらさらと何か描いてよこした。

商売柄、絵心もあるのだろう、なかなか達者なクロッキーだ。

「う~ん、かなりキツイなぁ。君、悪くすると自分で身を滅ぼすわ。これって、○○自身だからコワイのよ」

○○がちょっと聞き取れない。

紙には正面を向いた人物と、それに絡みついたあげくに背後から見下ろす、蛇か馬か魚竜かわからないものの頭部があった。

頭部の表情はなんとなく自分に似ている。


「これ、龍じゃないですか? おれ、辰年だから」

禍々しいが、だから何? という気がする。

この手の長虫はきらいではない。

「おれ、べつにいいです。このままで。気にしないからけっこうです」

「ふ~ん、君はこれを受け入れちゃってるの? ふふ、そっかぁ。…時すでに遅しってことね。いいわよ。払わないでおくから」

「ああ、どうも。…ありがとうございます」

なんだかホッとして礼を言っていた。


「まぁ、ね。君次第だからど~でもいいけど…。これからは上から来るモノに気をつけなさい」

祈祷でもしないことには金にならないから、気分を害したのだろうか?

それともちょっと嘲笑的な半信半疑がバレたのか?

相手は投げやりに言って脇を向いた。

「じゃ、君は外に出て。彼女を視なきゃ」

うながされて立ち上がると、上から覆いかぶさる視線。

暗示が上手いようだ。

商売は道によって賢しで、霊感などなくても他人の心理をあやつれる。


 せっかくの忠告だが、書いてくれたクロッキーにも未練はない。

折りたたんで、帰りぎわに放置自転車のカゴに捨てた。

そこはかとなく憑きモノが落ちた気がした。


     ◇ ◇ ◇  


 暗い天井から、じわじわ、なにかが降りてくる気がする。

岬のコテージのしゃれた部屋が、湿った原生林に変わる。

土に帰るものたちの力つきて淀む香り。


 そう、24のあの時…。

時間は押している。

半月の白い光を透かしての、真夜中の行軍。

闇に慣れた目にはコンパスの蛍光すらきつい。

だが、余力は十分ある。

指導教官長の言葉通り、トップ3指には入るだろう。

気力と体力、知恵に優れる者は、期待やプレッシャーすら目的完遂の起爆剤だ。


 汚れまくった人間の体臭に、野生の生き物が逃げる気配。

近い。

小銃付熱線可視スコープをONにし、食いものを得るために息を消す。

銃身をつかむ手が、やんわり安全装置をはずしかける。


 ず、ず、ぐじゅるるるっ。


 頭上至近。

青腐れた生身の、立木を伝う音。

動体視力で見極めた人間らしき気配を、とっさに腕でなぎ払う。


 【ふ~ん? 見えたんだ。優秀じゃん。いいね】

やがて半笑いの声が、何の手ごたえもない茂みからささやく。

同時に点滅する動画のように自在に変化し、遠近、所を定めない逆さの影を見せつけた。

 

 妖怪か、幻覚だろう。

声色がおれに似ているのが幻聴を示唆する。

きつい山籠りでは日常茶飯事だ。

そのまま腐乱らしい影の横をすり抜ける。

そいつの腐臭と自分の体臭が違和感なく入り混じるのも、脳の誤作動の証拠だ。


 【あれぇ、無視ぃ? じゃ、ほら。取りなよ。人生が思いのまま】

声とともに、目もあやな金襴の袋が下がる。

伝説の如意宝珠をおさめる錦の袋だ。

天龍はこれを逆鱗の下にたずさえる。

笑えた。

こんなものに頼らなくても、おれは自分の実力で、大いに満足の人生を生きている。


 こいつが妖怪なら『下がり』系の化け物だ。

袋の魅力にうっかり手を出せば、崖から落ちたり、道に迷うなどの相応の報いがある。

こっちは時間に追われる訓練中だ。

妖怪変化・幻視幻覚にかかわらず、当然放置プレイになる。

 

 袋は化け物らしく後をかたって(追って)、びたびた、顔に金襴緞子をなでつける。

舐めたマネに手でブチ払った。


 瞬間、足下の地面が消えた。

もがく間もなく落下。

ひざ上の腿が猛烈に焼けた。

タラの木らしい、立ち枯れの灌木が刺さっていた。

体質的に血が止まりにくいから、これからは三角巾で緊縛と弛緩をくりかえしての前進になる。

ビーコンを作動させて、装備はその場に残した。

銃と弾奏、地図とコンパス、水と無線機だけを身につけ、残りひと山を越すつもりだ。

この状態ではすでに失格だが、ゴールだけは目指したい。 

『下がり』は音もなく、すでに消えていた。


     ◇ ◇ ◇


 そういえば、25で陸自はやめざるを得なかった。

『下がり』に出合った時のケガの経過が悪かったのだ。

普段は何ともないが、冬の寒さや低気圧の通過で、神経痛のように痛んでびっこをひく。

軍隊に片輪は不用だ。

大隊長が将来を惜しんで、事務方(じむかた)をすすめたが蹴った。

常在最前線の自分の美学に合わなかったからだ。

軍でも未来を嘱望されていたから、娑婆に出てもそれなりの道は得るだろう。


 ふと、我に返った。

眼前には飲みかけのグランクリュと、手つかずのつまみ。

見慣れたコテージの室内。

軽く酔ったようだ。

立ち上がって2階のベランダに出る。

春先の荒れた天気で、南下がりの岬の突端にくだける飛沫が、霧のようにあたりをおおう。

髪と唇に塩を感じた。


 思えば、今、29だ。

相愛の嫁もいるし、結婚と同時に起こした事業も順調だ。

ここちよい我が世の春にいる。

満足のため息とともに、至福の時に身をゆだねた。


 ぐ、…じゅ。

庇の上の気配。

さっきは階下の天井にいた。

あの行軍の『下がり』が、取り憑いたように身近にいる。

【ごきげんだね。社長さん】

なれなれしくかけてくる声は、おれそのものだ。

昼間の光の中のヤツは影ではなく、実態がある。

醜悪に腐れて、体は赤黒く腫れ爛れ、ところどころ膿のように緑がかり、末端は淀んだ群青色だ。

そして、その顔もまちがいなくおれだ。


 【あんた、イケてる。好きだぜ、大好きだ】

『下がり』はいつもホメ殺しでくる。

だが、その目は常に狂気にギラつく。


 「ふっ」と笑えた。「おまえは陸自の時、おれにケガさせたろ。それでおれは希望の職場を辞めたんだ」

【ふっ】とヤツも笑った。【そういう運だったからさ。おれが仕向けたワケじゃない。特殊部隊教官なんて若いうちだけ。年食えば事務屋と変わらん。今のほうがずっと幸せだろ。社長は生涯現役、常在戦場だ】

『下がり』は口が減らない。

だが、その言葉は正しい。

気の抜けない事業主だからこそ、つかの間の休息に満たされるのだ。

その日常は確かにおれに向いている。

【強い強い兵隊さんが、今は気鋭の社長さん。いいね。最高だ】

『下がり』がまた、にたにたとホメてきた。


     ◇ ◇ ◇


 夜になると「ヤマセ」が吹きすさんで、さすがの房総も冷えてくる。

暖炉にマキを積み上げた。

火が回ると自然な温かさが、トロトロと眠気を誘う。

そのまどろみの中にも『下がり』はじるじると下りてきた。


 【高1の時に、払っておけばよかった?】

半笑いでぬるりと聞く。

「…できないな…」おれは口ごもる。「払えばたぶん、自分の半分を失う」

あの霊媒師はインチキではなかった。

『下がり』の目の中に映るおれは、あのクロッキーそのままだ。

光と影、明と暗、表と裏、作用と反作用。

ものには必ずある二律背反、その闇の部分を担うのが、たぶんヤツなのだ。


 【人生には、頂点ってあるよな】にやりと聞いてくる。【登りつめれば落ちるしかない。つまらんワ。いっそ、めちゃくちゃにしちまえよ。自分で自分をぶっ壊す。コレ、美学ね】

こういう時のヤツの目は、いつもわくわくと輝く。

「いや、そもそも頂点なんかない。楽しいのは登る過程だ。楽しけりゃ天まで上がる。事業家なんて木に登る豚さ」

おれの言葉に、ヤツは我が意を得たりとばかりにほくそ笑む。


 【そう、それ。おまえはいつもそうだ。自信家で努力家。苦労や困難も乗り越えれば笑い飛ばす。叩きのめされても次には忘れてる。おまえにとっての人生は、まんま生きる喜びなんだ。だからこそ、断ち切る価値がある。夭折はかぎりなく美しい。やれよ、おまえを殺っちまえよ。なぁ? おまえが好きだから言うんだよ。燃えるように、狂うように、叫ぶように好きなんだ】


 「ったく、なにそれ? いつもいつも、言うことそれしかねえのかよ。暗示かけやがって」我が分身と思えどうんざりする。「払っちゃうぞ」

【へっ、やればぁ。出来もしねえくせに】

実際のところ、その通りだ。

自分の闇を払えば、残るのは本当に光なのだろうか?

おれは上着をつかむと、外に出た。


 岬を少しばかり駅寄りに戻れば、地元の居酒屋がある。

店主が威勢よく注文を聞いてくる。

刺し盛りは感動的に美味かった。

『下がり』は他人がいると現れないからいい気分だ。

のんびりと杯を重ねた。


 「兄ちゃん、金貸しか? ヤクザな商売だろ、あ?」

さっきからチラチラねめつけてきた漁師が、わざとしなだれかかって酒臭い息を吹きかける。

視線の先は親父譲りの金無垢・ダイヤ入りのスイス時計。

まぁ、たしかに若造には不釣り合いなシロモノだ。

おれは支払いを済ませると、やさしくささやいた。

「オジさん。表、出ましょ」


 街灯の下で上着を脱ぎ捨て、シャツの両袖をまくりあげて待つ。

余裕でやってきた男が、ちょっと顔色を変える。

「ちょっ、なんだよ、あんた、ヤケドかい? やめたよ、やめたっ。…ま、体だけは大事にしな」


     ◇ ◇ ◇


 入念にシャワーを浴びた。

誰もいないが、一応、腰にバスタオルを巻いて居間にもどる。

暖炉の赤黒いオキが、さっきの記憶をよみがえらせる。

あの現象はなんだったのだろう?


 じゅるるるっと、ヤツがやってくる。

【お帰り、社長さん。顔色悪いね。何かあった?】

薄笑いでわざわざ問いかける。

おれは完全無視で黙考する。


 条件的には理解できる。

向かいのガソリンスタンドにあるオレンジ色の常夜灯。

その影響で影すら鉄錆び色に濁る。

たぶん、そのせいだ。

だが、あの現役漁師は気の毒そうに戦意を失い、労わりの言葉をかけて縄暖簾に帰って行ったのだ。

おれはヤケドなんかしていない。

それでも自分から見ても確かにあの時、両腕は醜悪に崩れていた。

おれはすでに生き腐れている?

腐臭がよみがえる気がして、ちょっと身ぶるいした。


 【あひゃひゃひゃっ、やっと気付いた】『下がり』が楽しげに笑う。【今夜のことが手始めさ。だんだんに昼日中でも、おまえのあの姿が見えるようになってくる。否応なしにだ】

「なぜ? なぜ、そうなる?」

【知らんねえ。一葉落ちて天下の秋が始ったんだ。おまえはもとにはもどらんよ。…ね、だから言ったでしょ。惜しまれるうちに消えろって。歳月、人を待たずってこと】

歳月?


 「……」

返事が出来なかった。

おれの中に、おぞましい疑問がわいたからだ。

『下がり』はおれに取り代わろうとしている?

ヤツがおれで、おれがヤツに?

まさか。ありえない。

そこで思考をとめた。


 捕食者のように、一瞬で忍び寄る。

『下がり』の頭部を捉え、ネック・ブローの要領で締め上げる。

【うひゃひゃ】ヤツは楽しそうだ。【おれがおまえに成り替わるって?】

やはり、思考を読んでいる。

【バ~カッ。へんな妄想すんなっつうのっ。でも、社長さぁん。あんた、やり方間違ってますワ】

言い捨てて、ヤツはぐじゅりと音を立て、いとも簡単に技を抜けた。

【腐れの元凶は、あんたの胸の鼓動だ。それが汚血を全身に流す。時と共に結果が腐敗ね】

「バカいうなっ」

おれは再び『下がり』の喉元をひっつかむ。


『君、悪くすると自分で身を滅ぼすわ。これって、○○自身だからコワイのよ』

あの時の女霊媒師の言葉があざやかに理解できる。

○○は自分だ。

自分自身だからコワイのだ。


 自分を大切に思うあまり、愛しすぎるあまり、自害の心がわくのはだれにでもある。

甘ったるいナルシシズムや自己愛から来る希死念慮が、自己保存本能を上回ることは少ない。

そう思ってきた。

だが、おれ自身の暗部・狂気である『下がり』は手を変え品を変え、おれを追い詰めてくる。

一生、ヤツに自死をほのめかされるのか?

まっぴらだ。

25までいた軍では、害敵に対して、徹底して冷酷になるよう仕込まれる。

身に染み付いた教えがじんわりとよみがえった。

「い~とも、言うとおりにしてやる。おまえを殺ってやるよ。おまえの望みはおれの望みだ」

【ひゃぁ~。社長さん、瞬発力も筋力も陸自のころのまんまじゃん。かっけぇ、いいねえ。最高だ。大好きだ】


 ヘラヘラするヤツの喉をねじ切るべく力を込める。


     ◇ ◇ ◇


 【お~怖っ。でも、あんた、自分を見てみなよ。ほら、動悸が高鳴って腐敗が進んだろ。コーフンするからだ】

ゾクリとして自分を見た。

暖炉の赤っぽい残り火のせいだろうか?

両腕どころか、首から胸のあたりまで腐色にまみれていた。

おぞましい現実はあらがいようもなく進行する。

「どうすれば…?」

困惑と戦慄が疑問の形で自分自身に投げられた。


 【さあねえ、おれはおまえじゃね~し。まぁ、うへへっ、多分ね】

ヤツがかわりに返事して、じゅるりと指先を抜ける。

『下がり』を攻撃しても無駄だ。

文字通り歯がたたないのだ。

【なぁ? 若さこそ価値なんだよ。時がたちゃ、おまえだって駑馬に如かずさ。わかる? 今のうちにクタバッとけって】

へらへらと挑発してくる。

そのヤツを倒すには?


 おれは逡巡を抑えるために、息を整えていた。

行動の結果が予測でき、恐怖とためらいが自分を硬直させるに十分だ。

意を決して左手の爪を自分に突き立てる。

ずるりと熟れきった桃の皮がずれるように皮膚と筋肉が崩れ、指に絡みつく。

我が身でありながら鳥肌立った。

痛みはない。

腐れて、すでに神経組織が壊死しているのだろうか。


 【びゃはははっ、やったね、社長さんっ】

ヤツが小躍りして覗き込む。

【骨、肋骨外せや。気分がいいねぇ。やっと殺る気になったんだ。長かったぜえ】

『下がり』の感慨など聞いてはいない。

複数の肋骨をひっつかむと、それはくすんだ鉄琴のような音を立てて肋軟骨から外れた。

胸腔内は腐敗のせいか、肺を覆う胸膜が漿液や中皮の癒着で判別しにくく、わずかな拡縮で肺胞の所在が知れた。


 【ひゃぁ~~~~~ひゃひゃひゃひゃ、きいいいいいぃぃぃぇぇぇへへへへっ】

ヤツは脳天から突き上げるような歓喜の声で、蛇踊りの龍そのままにうねり狂う。

【いいか、おれはおまえの片われじゃないっ、おまえに成り替わることもないっ。おれはおまえだ、おまえだ、おまえだっ。常に自分に向き、愛し肯定し執着する。かわいさ余って摂り殺す情動の権化だっ】

ヤツがついに、自らを明かした。

同時に、鉄槌でたたきつけるような苦痛。

立っていられず、床に膝をつく。


 【うひょひょひょひょ~~~~っ。社長さん、自分を見てごらんよ。ほれ、きれーだろっ】

おれの指は拍動する心臓をまさぐっていた。

目もくらむ苦悶は、本気で死を望むに十分だ。

それでも『下がり』の声に体が反応する。

めぐらした眼差しの先の肌は腐れの跡すらなかった。

「騙した…のか」

恨みの声にもヤツは動じない。

狂喜に突出し、ぎらぎらと蛍光を発する目をさらに引き剥いた。

【はあ? 騙すう? な~ぜぇ? おれはおまえから生じたおまえだ。おまえ自身の願望だ。おれはまぎれもなく、自分自身だから怖いのよ。あ? い~~ぃひゃっひゃっひゃっ】

ヤツはあの霊媒師の口真似をし、口角を半月のようにつり上げて笑った。


 自分の握りこぶしほどの臓器はまだ力強く鼓動し、それにつれて周囲の血管も脈動していた。

胸腔内は体表面よりはるかに熱く、エンジンの駆動に似た感覚はメトリーの「人間機械論」を思わせた。

だが、彼はその直後に「人間非機械論」を発表している。


 生命はどこに存するのか?

思考は情動は、そして、自分自身は?

いや、おれってそもそも何だ?

さっきまで醜悪に腐敗していたはずのおれは、自己抹殺を決行したとたん、もとにもどった。

生きることは腐れることなのか?

人間は年を重ねる毎に、死に向かって営々と饐(す)え朽ちていく物なのか?

精神も肉体も?


 だとしたら、早期の死を望む『下がり』、いや、おれは正しい。

老醜の最期を自らにもたらしてはいけない。

執拗にからみついたまま、狂喜していたヤツの姿は、もう、なかった。

おれから生じ、自己破壊のために乖離した渇望は、再びおれ自身に帰って行ったのだ。

おれはなお脈動を続ける命を大動脈から引きはがすべく、指に力を込めた。

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幻夢現無(げむげむ・おれを殺しにかかる時) 上松 煌(うえまつ あきら) @akira4256

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