第6話
わしらは倒れている米兵のそばへ行き銃を取り上げた。逃げた米兵のあとを追う仲間もいたが、そのうち小隊長どのが"追うな"との命令で追うのをやめ仲間は戻ってきた。倒れた米兵のうち1人を残して他はすでに息がなかった。
わしはこの息がある米兵を撃った手前、人思いに楽にさせてやろうと銃剣を外して喉仏を突こうとしたんじゃが、小隊長どのがの言ったんじゃ、"やめろ、もうこいうは長くない。無駄な体力を使うな。ここから早く立ち去るぞ" と。
小隊長どのは他の生粋な日本軍人士官らとは違い妙に優しいところがあってな、わしら残った寄せ集めのならずものの下っ端の兵からは甘ちゃん士官などと揶揄する者までいたんじゃ。しかし、この小隊長どののおかげで、わしは、いや、わしだけが生き残れたんじゃよ・・」
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