おいどうすんだよ。……もうどうだっていいや。
化学のテストがいろんな意味で終わった数時間後である。俺は今まさに題名のようなことを脳内でつぶやいている。
明日からは、二日間、定期テストだ。もちろん勉強する気はさらさらないが(いやダメだろう)。
さて、ロストワンの号哭からとった題名の今回は、ただの愚痴になるだろう。
現実逃避に縋り社会不適合者に堕ちてしまいたいけどなかなか出来ない。脱法ロックを叫びたいけど近所迷惑なんですわ。なんでですわ。
なんて冗談を書いている時点で、ある程度回復したことがわかるだろう。
まあ、未だに「つらたん。しにたい……はっ! いま何を⁉︎」ということはよくあるのだが。
およそ二週間前に書いた回と見比べてみると意外にすごい違いである。
まともな時に見返してみると、鬱の時は文章力が覚醒しているような気がする。何度も読み返せるような文章になっていたりする。
“深く蒼く昏い思考の深海”という表現にはすごいセンスを感じる。今の状態では思い付けないような気がする。というか、実際、本当に自分が書いた文章なのかが疑わしいレベルでいいセンスをしている。最強かよ、鬱のときの俺。
ある意味、今は賢者タイムというべきだろうか。思いっきり暴走した後に「ふぅ……」と落ち着くような感じである。
賢者は理知的すぎてつまらないことしか言えなくなっているのかもしれない。
「愛がほしくてやりました」や、「チートレス転生者の冒険記」なんかでも、鬱描写のある回は文章表現が美しかったり、心が刺激されるようなエグくグロく面白い表現が転がっていたりする。それこそ、今の自分なら書けないような、驚くような完成度だ。
それを書いていた時は大抵、死ぬほどに精神的に追い詰められている時である。
理由は……それこそ様々。面白いものだと、自分の書いた鬱グロ描写に感情移入したから、というものもあった。
理由はともかく、病んでいるときはなぜか文章表現が上手い。それだけである。
そこにどんな因果関係があるのだろうか。それはまだわからない。
ただ、そこまで俺を満足させる文章が小説サイトにゴロゴロ転がっているか、というと、否である。ないわけではないだろうが、きっと多くもないだろう。
ここまで自慢し続けると他の頑張っている人たちに怒られてしまいそうなのでここまでにしておくが。流石に書籍化作家と比べると何かが足りないはずだし。
ただ、自分はそんなに捨てた物でもないな、という、かつての自分が持とうともしなかったような何かが生まれている気がして、少しだけ不安感を覚える。
それを持ってしまったら、今まで保ってきた自己の概念が変わってきてしまうような恐ろしさが芽生える。
……自慢は身に毒だ。控えなくては。
結局、年中イキっていこうとなんて、俺には出来ないらしい。
帰ったら脱法ロックでも歌うか、と、俺は心の中で呟いた。
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