意味がわからない自殺願望に争っていられる理由的なモノ

 という題名だが、俺なんかに人を導くような事が出来る筈がない。

 ハウツー、というより、独り言というか“彼のケース”という風な感じで見てもらうことを推奨する。


 さて。

 俺は度々自殺願望を抱く傾向がある。

 理由は様々。いじめられた、進路活動が辛い、後輩がウザいなど。どれもこれも普通の人なら普通に耐えている程度のことである。

 これこそ本当のザコメンタル、というもの。人より弱い人間なんて必要ないだろう。

 またそういう時にも無意識の内に「死にたい」と口にしていたりする。

 そんな時、いつも思う事がある。

「自分にはまだ書きかけの小説がある」

 それこそが死なない理由だ。

 小説、漫画など、創作というものは、ほとんどの場合、作者にしか作れない物語を作る、という事である。

 つまり、いま書きかけの物語は自分しか続きがわからないということ。

 それがまだ世に出していないものであったならば、誰にも期待されずに終わってもよかったかもしれない。

 だが、それはもうネットの海に解き放ってしまった。一年程連載を続け、一定数の評価もつき始めている。

 それはすなわち、“続きを待ち望む人がいる”可能性があるということだ。

 その物語が未完結のまま中途半端に終わってしまう、ということは、“続きを待ち望む人”の期待に応えられない、ということ。

 ネット小説ではよくあることではあるのだが、それでも、続きそうで続かない物語というのは人を不快にさせるものなのだ。

 そういうことはなるべく避けたい、そして死んだら小説を書くことはできないということから、すなわちまだ死ぬことはできないという結論に達するのだ。

 正直、この小説趣味がなければ、もうすでに俺はこの世から消え去っていただろう。

 勿論、そのほかに「家族が悲しむから」や「苦しみたくないから」といった理由もあることにはあるのだが、一番強いのがそれである、ということである。

 もう失うものは何も無い……と言ったら嘘になってしまうが、たとえ俺が死んでしまったとしても、悲しむ人間は少ないだろう。いないわけでは無いだろうが。むしろ、喜ぶ人もいるかもしれない。

 だが、小説の続きをもう書けなくなる。長く書き続けた物語を未完のまま放置することになる。それは、許されない。いや、自分が許したくない。

 生き甲斐というのは、そういうものなのだろう。

 それを糧に、俺は今日も闇の中を彷徨い生きるのだ。


 なお、だからと言って、作家になってもそれで食っていくなんてほぼ不可能だからまともな職業につこうとしている。

 現実とはいつも残酷なものなのだ。

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