新年のごあいさつを申し上げます

 謹んで、新年のごあいさつを申し上げます。

 昨年は『うちの母様』をお読みくださり、ありがとうございました。

 今年も、このゆるいお話で、ひと息ついていただければ幸いです。

 母様の天然ぶりを、引き続──


「まるちゃん。また、ママのお話書いてるの?」


 おこたで皆様へのごあいさつを書いている最中に、母様が来ました。


「あ、はい。今年も皆様に、母様の天ね──可愛らしさをお届けしようと思いまして」

「……あんまり変なこと書かないでね? ママ、おばかだと思われたらイヤだわ」

「大丈夫です。ありのままの母様の魅力をお伝えしているだけですので」


 投稿したものは、いつも見せていますでしょ。

 母様自身も「ぷふっ」って吹き出してますし。


 母様は、このお話を読む時には、客観的な視点で捉えるようにしているそうです。

 でないと、恥ずかしくていたたまれないとか。


 でも、母様。


「痛ましい事件が報道される傍らで、こういう平和な親子もいるんだなと思っていただけるだけでも、幸せなことだと思いませんか?」

「……確かにそうね。でも、あんまり暢気のんきで、呆れられないかしら」

「それは……あるかもしれませんね」


 でも、嘘は書けませんよ。

 エッセイですから。



 しばらくして、母様は父と箱根駅伝を見ていました。

 なぜか、シェアポッキーをしながら。


「今年は、今までの上位陣と違うな」

「そうね。はい、どうぞ」

「ん。……ママもな」

「うふふ。ありがと♡」


 ……自分で食べたほうが、早くないですかね?

 いや、お正月から仲がいいのは、良いことなんですが。


 椅子をぴったりとくっつけて、ポッキーで、


「はい、あーん」


 をし合っている両親をほほえましく眺めつつ、おかゆを口に運ぶ私でした。



 今年もこんな感じでしょうが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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