平和な連休に事件発生?

 お昼近く。衣更えに備えて、母様と衣類の整理をしていました。



 弟のだいぶくたびれたTシャツをどうしようかと話していると。

 2階から、良いタイミングで本人が降りてきました。


「おはよう、ぽんちゃん」

「おはようさん」

「おう。おはよ」


 早速、母様が訊きます。


「ねえ、ぽんちゃんの腕、切っていい?」

「……俺は、何の犯行予告をされたんだ……?」


 ポンタ ハ ウロタエテイル


「なぁ、姉貴」

「何だね。……ぶふっ」

「笑いごとじゃねぇよ」

「確かに……ぶふっ」


 母様は言い間違えたことに気づいていません。


「???」


 となっているご本人母様の変わりに、経過と真相を説明しました。


 誤:「ぽんちゃんの腕、切っていい?」

 正:「ぽんちゃんのTシャツの袖、切っていい?」


「ということ」

「……何だよ……マジでびっくりしたわ」

「急に言われたらねぇ」

「……いいよ……古いTシャツなら、いくらでも切ってくれよ」


 弟は脱力しています。


 説明の間も整理に勤しむ母様。

 会話が聞こえていないようなので、


「Tシャツ切って良いですって」


 と声をかけました。


「ウエスが増えたわ♪」


 喜ぶ母様。可愛いですわぁ。



 ✽✽✽



 お昼ご飯の際、先ほどの説明を伝えたら。


「えっ!? ママそんなつもりはないわよ!?」


 大慌てで弟に謝っていました。


 ご安心を。ただの言い間違いだと、皆わかっております。

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