第110話 百合めく花束読書メモ
現代文学の百合小説をあまり読んでいなかったなと思い、ここのところ読んでました。
一輪ずつ読んでまとめて花束ができました。
で、読書メモ、です。
感想にすらなってないと思います、ご了承のほどを。
・中山可穂作品
松浦理英子の『ナチュラル・ウーマン』(1991年 河出文庫)のような話を読みたいと思い彼女の作品を手にとりました。
彼女は、「カムアウト」しています。
『猫背の王子』 2000年 集英社文庫
デビュー作。
マガジンハウスに持ち込んで書籍化し、後に文庫に。
小劇団の演出家の主人公の芝居への情熱と恋愛対象への情愛とが描かれています。
作者は劇団経験者で、演劇に片思いして青春時代を送っていたと、あとがきで触れています。
カバー写真が、主人公の全てを――作者を、表しているように見えます、素晴らしい。
海外の写真家の写真集に掲載されていた1枚だそうです。
文学なのでRナントカは付けられてません。
堂々と濃厚です。
『感情教育』 2002年 講談社文庫
非情な境遇の二人が、お互いに運命を感じ求め合う話。
足枷のある二人が魅かれ合うという部分からの連想で、綿谷りさの『生のみ生のままで』(2019年 集英社)が思い浮かびました。
周りの人たちがものわかりよすぎるような、そのものわかりのよさは作者の願望なのかな……
文学なのでRナントカは付けられてません。
堂々と濃厚です。
『白い薔薇の淵まで』 2003年 集英社文庫
甘々な話。
だと思いました。
山本周五郎賞受賞作品。
小説を書く人がメインだと、つい追いかけてしまいます。
小説家の彼女は境遇に闇を含んでいるのですが、それはあくまで二人の関係を盛り上げる舞台セットのよう。
さすがに、劇団をやっていたというだけあって、心を捉えられるセリフはありました。
セリフというか、口説き文句。
文学なのでRナントカは付けられてません。
堂々と濃厚です。
いずれも、恋愛小説です、ディテールは凝らされていますが、王道の。
松浦理英子の『ナチュラル・ウーマン』は、恋愛が描かれているけれど、恋愛だけじゃなかった、です、そこが何度も読まされてしまうところです。
今回読んだ小説たちには、それがちょっと感じられなかったかな。
私の読み力不足かもしれませんが。
嫌いではないので、もうちょっと読んでみようと思います。
ふわっと百合も好きですが、文学大人百合も好きです。
グダグダ読書メモにおつきあいいただき、ありがとうございました。
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