第90話 湖国の埋蔵文化財と手づくり勾玉
湖国とはどこの国かご存知でしょうか。
湖国の湖が琵琶湖だとぴんときた方なら、滋賀県だとすぐにおわかりですね。
先月出版された円堂豆子さんの『雲神様の箱』の舞台が湖国ということで、古代滋賀県に関する本が手元にないかと探してみましたら、出てきました。
『まじない・まつり・いのり 湖北の埋蔵文化財』
市立長浜城歴史博物館 編集・発行
平成四年十月三十一日 発行
この本は、市立長浜城歴史博物館の特別展の解説付目録です。
この展覧会自体は見ていないのですが、博物館を訪れた時にミュージアムショップで面白そうだと思い購入したものです。
目録だけあって、発掘された出土品の写真満載で読み応えのある一冊です。
目録の最初の「ごあいさつ」の中にある下記の文章は、とくに琴線に触れました。
「今回の特別展では、湖北地方で出土・採集されてきた貴重な考古遺物の中で、祭祀、信仰に関係の深い資料をとりあげて紹介します。
そして、呪物・呪法などの行為や形態から古代人の精神生活の一端に触れようとするものです。
湖北の自然の中に息づいた、神秘と神聖の世界を加えていただければ幸いです。」
人々の心にごく自然に神秘の世界があったのですよね、かつては。
古代ロマンの神髄が宿る考古遺物の展覧会、見たかったです、どこかで常設展示になってないでしょうか。
タイトルに湖北とありますように、地理的には小説の舞台の高嶋が湖西に当たるので、隣接地域ということになります。
目録には、湖西の隣接地域湖北の遺跡から発掘された、縄文、弥生、古墳時代の出土品が、わかりやすい説明とともに掲載されています。
さて、古代の装飾品といえば勾玉ですよね。
その勾玉は、玉類のページで紹介されています。
瑪瑙勾玉、硬玉勾玉、碧玉勾玉、滑石勾玉、これらは勾玉の素材からのネーミングですね。
子持勾玉、これは、独特の形をしています。
不勉強ではっきりとしたことはわからないのですが、カラー写真で見ると、背びれのある魚のように見えるのですが、正体は何でしょう?
勾玉といえば、玉類で作られるのが一般的だと思います。
玉類だからこそ、古代のものが現代にまで残っているわけですね。
樹木で作られた勾玉って、あったのでしょうか。
あったとしても、炭化して土に還ってしまっているでしょうから、発掘はされないのかもしれません。
ツイッターで本の紹介をした時に一緒に載せた勾玉は、手作りしたものです。
神宮杉は伐採することは許されていません。
唯一許されているのは、風倒木の払い下げによる入手です。
神宮杉は、風倒木になると、
たまたま神宮杉で勾玉を作る講習会を見つけて、これは滅多にない機会だと思い参加しました。
磨くのはけっこう大変でしたが、作り上げることができてよかったです。
いい経験をさせてもらいました。
後ほどもう一度、手作り勾玉の写真をツイッターに載せますので、よかったら見てくださいね。
最後に、お知らせです。
カクヨムコン5の読者選考期間は、2月7日金曜日までです。
読んでいただき、ありがとうございます!
未読の方、よろしかったらご一読を。
『サルビアとガーデニア 小説家志望の彼女と私』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890430472
――書くことでしか かなわない夢がある 彼女と私の小説家への道――
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