第19話 漱石山房記念館でガイドさんから投句を勧められた話

 気軽な文学散歩のつもりで訪れた漱石山房記念館。

 記念館がオープンしてすぐに訪れた時には、館内案内の図録もまだ出来ていませんでした。


 今回の訪問の目的は、この図録の入手と、『本を買いに行きました』に訪問記を書くための最寄駅からの道順のおさらいです。

 地図を見れば何てことないのですが、道の上り下りの具合は、実際に歩いてみないとわからなかったりします。

 

 漱石山房通りにある各種案内標識と時計を見比べながら、ぶらぶら歩いて約10分少々。

 水分補給に立ち止まったり、標識の目的地まであと何mのメモなどしないで、さくさく歩けば10分かかるかかからないかで到着します。


 館内は、前回じっくり見学したので、今回は、ざっくり眺めて、花盛りの庭へ出てみました。

 記念館が立つ前は、小さな公園でした。

 まさか、ここで、あの高校の国語の授業で習った教科書に載っていた『こころ』が、「迷える子羊ストレイシープ」嬢に惑わされる『三四郎』が、執筆されたとは、到底思えないような場所でした。

 そのような場所が、どのような経過で開館に至ったのかは、訪問記の後半に書きましたので、よろしかったらご覧ください。


 さて、記念館の裏手の庭の一角にある、道草庵みちくさあんという展示室で、ボランティアガイドさんから、施設の概要や、記念館の設立までの道のりの話をうかがいました。

 ガイドさんからしきりに投句を勧められたのですが、思い浮かばなかったので今回は遠慮しました。

 漱石山房の跡地で一句というのも、おつなものです。

 腕に覚えのある方は、ぜひ!


 それにしましても、文京区立森鴎外記念館も、新宿区立漱石山房記念館も、いずれも著名な文豪の文学施設であるのに、別途基金を募らなければ運営がままならないというのには、考えさせられます。


 区の施設は、基本は区の税収で運営されています。

 税金を使っているからには、赤字にならないように、来館者を増やす努力をして、入館料を徴収して運営しなければなりません。

 が、実際は、そう簡単な話ではないんですよね。


 みなさん、最近、文学館や作家の記念館に、いらっしゃったことってありますか?


 かくいう私も、『本を買いに行きました』を書くのに、よっこらしょ、と腰を上げて訪れることが増えています。

 限られた外活動そとかつどう時間を、そうした場所にばかり使えないのですよね。

 

 公立の文学記念館には、入館無料のところもあります。

 閉館になってしまったら、多分、二度と再開されないと思います。

 せめて、来館者数が増えたという実績にちょっとでも寄与できるように、これからも折をみて訪れたいです。



 —― 雨去りて 青葉翳りし 猫の墓 ―― 



『本を買いに行きました』

「四十八箇所目 新宿区立漱石山房記念館 新宿区」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882605676/episodes/1177354054890078153


 


 


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