第15話 学校図書館の日
6月11日は学校図書館の日です。
学校図書館の日は、社団法人全国学校図書館協議会が制定しました。
平成9年の6月11日に「学校図書館法の一部を改正する法律」が公布施行されて、12学級以上の全ての学校に司書教諭の配置を、また、11学級以下の学校にはできるだけ配置をすることが義務化されたことを記念しての制定です。
かつて、全ての義務教育課程の学校の図書室には、司書さんか司書の先生がいるものだと思っていました。
ところが、実際は、一部を除いて、国語の先生や図書ボランティアさんが図書室の運営をしてくださっていたのです。
尚、司書と司書教諭は、学校図書館において基本的な役割が違います。
学校司書は蔵書をはじめとする図書室全般のいわば環境整備の役割を担い、司書教諭は学校と学校図書館がスムーズに連動できるような仲立ちの役割を担います。
学校と学校図書館の仲立ちをする司書教諭が配置されることで、お互いにぐっと活動しやすくなったのは確かです。
司書教諭は、教員免許を持っていればどの教科の先生でも取得できるので、その先生のご専門の選書が充実するといった面白い蔵書構成になったりもします。
バランスも大事ですが、偏りもクリエイティブなことには必要ですよね。
さて、学校図書館というとちょっとかた苦しい感じがします。
一般には図書室ですね。
図書室というと、ぐっと身近に感じられます。
私も、資格をとって仕事で関わるまでは図書室と言ってました。
資格をとるのに大学で講義を受けた時に、教授も准教授も講師も、みなさん、とても誇りを持って「学校図書館」と口にされていたのが印象的でした。
図書館が、一部の特権的なものから広く人々のものになってから、実はあまり時がたっていません。
明治5年(1872年)8月開設の
図書館の歴史を辿ると、本周りに関する「自由」「権利」を奪取し死守したといったやりとりの歴史があるので、それが誇りにつながっているのだと思います。
学校の図書室は、枠組みのがっつり決まった学校の中で、自由な心の在り方を守る砦かなと思います。
学校は学び舎であるので、決められたカリキュラムを遵守するのが通常運営です。
が、人間は、息継ぎをしないと生きていけません。
なので、息抜きの場も必要です。
教室でそれができればいいのですが、それは現状ほぼ無理でしょう。
一見、気楽そうにしてる子どもたちも、常に気疲れしてるのは想像にかたくないところです。
保健室や相談室に駆け込むほどではないけれど、ちょっとした息抜き、息継ぎをしたい子どもたち、時には大人たちにとって、図書室は等しく開かれた場です。
学校という枠組みは堅牢ですが、図書室は本を通して学校外へつながることができる、異世界に転生できる場でもあるのです。
学校の図書室にラノベやマンガは不要、選書で入れるなというのは、よく言われることですが、現場で、ラノベやマンガで笑顔になれた、救われた子どもたちを少なからず目にすると、一概に否定できなかったりします。
そのへんのバランスをうまくとるのは、学校図書館に勤務する司書の力量にかかってきます。
たくさん読んで、考えて、つくりだして……学校にいる間に使い倒してもらえる学校図書館をつくることができたら、学校司書冥利に尽きますね。
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手前みそ日和 学校司書の不思議旅4
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穴馬マンディアン 学校司書の不思議旅5
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