第7話 『ブックカフェを始めよう!』を読んでみた

 図書館のサービスの一つに、ビジネス支援サービスがあります。

 各館によってサービスの充実度は違ってくると思いますが、おおよそ次のようなサービスが提供されます。


・中小企業診断士を招いての起業についてや経営改善についてのビジネス相談会。

・起業・開業や、キャリアアップについて、仕事のお役立ち情報などのビジネスセミナー。

・最新情報の提供を念頭に置いた資料セレクトの仕事情報資料のテーマ別展示のビジネス情報コーナー。

・利用時間制限付きでのパソコンでのインターネット無料利用。

・利用時間制限付きでの新聞記事の検索など各種データベースやCD-ROMの無料利用。

・各種就労支援関連情報や資料の収集と提供。

・ビジネス支援になる各種統計・白書・新聞・雑誌の収蔵。

・ビジネス支援資料としての電話帳の収集。


 こう書き連ねますとかたくるしいですが、要は、仕事探しや起業をしたい人向けの資料や情報を、図書館は収集・保存・提供してますよ、ってことです。


 現代の図書館の役割は、読書と勉強と文化交流の場だけではないってことなのですね。


 さて、前置きが長くなりましたが、そのビジネス情報コーナーの前を通るたびに、気になっていたのが、カフェの開業、自宅教室の開き方、手作り雑貨の販売方法などなど、主に小商いの本でした。

 中でもとくに気になって何度かパラ見をしては元に戻しを繰り返して、ついに借りたのがこの本『ブックカフェを始めよう!』でした。


 『ブックカフェを始めよう! 』 日本ブックカフェ協会編 青弓社


 カフェも本屋さんもブックカフェも好きですが、お店を始めたいわけではありません。

 にも関わらず気になったのは、パラ見をした時に目に飛び込んできた、ブックカフェにお客が来ない時にやってはいけない注意事項が、Web小説を読んでもらえない時にやってしまいがちなことと共通しているのを発見したからです。

 もしかしたら、こうした共通項がいくつもあって、Web小説を続けていく上で参考になるかもしれないな、と思ったわけです。



『ブックカフェを始めよう! 』 P112

「お客が来ないときにやってはいけないこと」

「しかし、このような事態に対して絶対にやってはいけないことがある。それは、提供する料理のメニューの価格を下げることとメニューを増やすことである。」



 価格は今のところ関係ないので置いておきまして、メニューを増やす、すなわち、コンテンツを増やす、つまり、種類・ジャンルを増やす……

 これ、やってしまってました~

 こっそりアップして、瞬殺気味にこっそり下げていたので、どなたにも気づかれずにいたと思いますが。

 迷走ですね~


 種類・ジャンルを増やすこと自体は悪いことではないと思いますが。


 では、なぜメニューを増やしたらいけないのか。


 本によると、人というのは、専門性にこだわっている方の人や店に安心感を覚えるからとのことです。

 それは、そうですよね。

 専門性というのは、趣味のWeb小説においては、作者が好きで好きで好きでたまらないこと、書かずにいられないこと、とも言えると思います。

 剣と魔法のダークファンタジーが大好きなのに、読者を増やすために突然ラブコメを始めたり……ラブコメがダメなわけではないですし、本人が好きで書くのは自由ですよね、もちろん……となると、読者は戸惑うわけですよね。

 場合によっては、日和ったな、と、悪い印象につながりかねません。

 そして、途中放棄されてしまったりします。


 趣味と趣味以上のはざまにいると、本当に悩ましいものです。




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