第6話 文人銘菓

 「ぶんじんめいか」で変換したら最初に出たのは「文人冥菓」でした。


 『あやかし冥菓見本帖』ですが、今でも時折読んで星を付けてくださる方がいらっしゃいます。

 うれしいですね、たいせつにしている話なので、とってもうれしいです。

 

 それはさておき、「文人銘菓」。

 これは、歴史と文化の街、文の京ふみのみやこと呼ばれる文京区ゆかりの文人たち——森鴎外、夏目漱石、樋口一葉――にちなんだお菓子のことです。

 鷗外の『舞姫』にちなんだ焼菓子「エリス」、漱石の『吾輩は猫である』にちなんだクッキー「吾輩は猫である」など、イメージの広がるお菓子が並びます。


 詳しくは、文京区のホームページでご覧いただけます。

「文の京(ふみのみやこ)ゆかりの文人銘菓」

https://www.city.bunkyo.lg.jp/bunka/kanko/osusume/omiyage/bunjinmeika.html


 私が今まで文人銘菓をいただいたのは、文京区立森鴎外記念館のカフェ、モリキネカフェでです。

 このカフェは、とても落ち着くんです。

 前にも書いたと思いますが、活字周りの仕事も趣味も、ここだと捗るのです。


 鷗外の気配が漂ってるから?


 なんてことはありません。

 窓が、いいんですよね。

 庭が見える、大銀杏が見える、その先にスカイツリーが見える、広く大きな窓。

 

 外からの光に向かって、活字と向き合うのって、穏やかな心持ちになります。

 夜闇の中で机に向かう静けさもいいですが、夜の電気の光に疲れた時には、おひさまの光が効きます。

 脳を日光浴させてあげると、脳の血管に詰まった闇が溶けて、血液がスムーズに循環し始めるので、すっきり気分転換できるように思います。

 真偽は謎、です。

 

 此度は、久しぶりに会った友人たちと、おしゃべりしながら、文人銘菓「文のいやし」をいただきました。

 「文のいやし」は、軍医でもあった鷗外をテーマにしたお菓子とのこと。

 どこが軍医鷗外かって?


 原材料を見てみると……米粉、キナコ、三温糖、豆乳、サラダ油、ハチミツ、塩、ベーキングパウダー……と、素朴でヘルシー、昔ながらのしっかりとした味わいを想像できますね。


 見かけからすると、やわっとしたものかと思ってましたら、意外に固くてしっかりとした噛み応えで、「これは鷗外だね」と、笑み合いました。




『本を買いに行きました』

「四十一箇所目 文京区立森鷗外記念館 文京区立本郷図書館 文京区」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882605676/episodes/1177354054887054829


 

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