コーラを買って
一見すると、ふつうの
だけどそれだけ。ぼくにはこの自販機が、特別変な物には思えないけれど、どうやらチョコはちがうみたい。
「おかしいって、どう言うこと? やっぱり、つくも神なの?」
ぼくはおそるおそる聞いてみたけど、チョコは「うーん」と言いながら首をかしげる。
「つくも神かどうかは分からないニャ。つくも神にしては
「何だか、ハッキリしないね」
「アタシだって
「えっ? 二人とも、何やってるの?」
見ればマヨちゃんと十勝君は、すでに
「別におかしな所は無いみたいだな。あ、思いっきりけっ飛ばしたら、正体を表すかも」
「ダメだよそんな事したら。もしふつうの
「二人とも、そんなに近づいて、
「ははっ、光太は
十勝君はそう言いながら、ガンガンと
だけどあわてて様子を見たけど、
「特に
「黒田君には、何もなかったって言っておこうか?」
十勝君もマヨちゃんも、もう
「待ってよ二人とも。黒田君の言ってたことをよく思い出してみて。黒田君は買ったコーラを取り出そうとしたら、
「うーん、そう言やそうだな。けど口の中はさっき調べてみたけど、何もされなかったぞ」
「でももしかしたら、飲み物を買うのが、食べられそうになる
そこまで言って、ハッと気づいた。もし
「よし、それじゃあコーラでも買って、
案の定、十勝君がそんな事を言ってきた。
「待って。ごめん、さっきはああ言ったけど、もし本当に何か起きたらどうするの? やっぱり止めておいた方が良いんじゃないかな?」
「大丈夫だろ。大毅だってピンピンしてたんだし。食われそうになったってすぐに手をぬいたら平気じゃないのか」
「ボクも十勝君に
そうは言うけど、その
だけどいくら言っても、二人のやる気はおさまらない。チョコはチョコでじっとぼくを見上げながら、なぐさめるように一言。
「仕方ないニャ。人生上手く行くことばかりじゃないニャ」
うん、チョコの言葉で、ぼくもあきらめがついたよ。けど何かあった時のために、
「それじゃあ、もし飲み物を取り出そうとした一人が食べられそうになったら、その時は残りの二人が後ろから引っぱって、助け出す。それで良い?」
そう言うと、マヨちゃんも十勝君もすなおにうなずいてくれて、ホッとした。ぼくが
「それじゃあ、何を買おうか? ボクはオレンジジュースが良い」
「マヨちゃん、飲みたいものを飲むよりも、なるべく
「分かった、コウくんはコーラが飲みたいんだね」
「だから、そう言う話じゃなくてね。そもそもぼくは、
あのシュワシュワした感じが、どうしても好きになれないんだよね。まだ小学校に上がる前に飲んで、
「なんだ、コーラも飲めないのか? 仕方ないなあ、それじゃあオレが買ってやるよ」
十勝君はそう言って、ポケットから百円玉を取り出した。もっとも買うだけなら、ぼくがやっても良いんだけどね。とは言えやっぱりちょっと
百円玉を
「とりあえず、ちゃんと買えはしたみたいだね」
「
「平気平気。ふつうにコーラを取り出すだけだろ」
そう言って、取り出し口へと手をのばしていく。ぼくは
「なんて事ねーな。やっぱり大毅のやつ、
その
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