レベルアップとなすり付け
あれから順調にスライムを狩りながら進んでいる。といっても今迄に出てきたスライムは全て単体でいたため何度か体当たりを食らったぐらいで特に問題なく進んでいる。
偶に他の探索者と遭遇するがジャグラスの群れと戦ってでもいない限りお互い軽く頭を下げてお互いの目指す方へ進んで行く。
そして何度もスライムを狩り遂に10体目を倒したその時
《レベルが上がりました。》
「!?」
思わず嬉しさで叫びそうになったが何とか堪えてまずは周囲の安全確認を行いステータスを開いた。
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【名前】鈴木亮一郎
【所属国家】日本
【所属宗教】神道
【職業】社畜
【レベル】1→2
【神格】3/3
【ステータスポイント】16→17
◆【霊力】
┣虚2
┣霊力強化1
┗霊力操作3
▲【肉体】
┣腕力強化2→3
┣脚力強化2→3
┗肉体強化1→2
▼【技術】
《武器》
┣剣2
┣棒1→3
┗本1
《防具》
┣布服0→1
┗軽鎧0→1
《生産》
┣裁縫0
┣調薬1
┣調理2
┗錬金1
●【知力】
┣思考強化EX(EXCESS)━瞬刻思考
┣記憶強化0
┗知能強化0
【称号】
【
『
【
【
『強制開示』『無限思考』『神速読』
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ステータスポイントが1増えた以外は鍛えた分の上昇だろうから無視。それでもこのステータスシステムは自分の努力が認められたようでとても嬉しい物だ。
「よし、どんどん狩るか。」
今更だが俺は職業を【社畜】に設定したままにしている。他の探索者は【冒険者】や【探検家】に設定しているようだがジャグラスに遭遇しない限りスライムを狩る分には
この二つの能力のコンボのお陰で俺は大分楽に戦えている。本来瞬刻思考は取るのに馬鹿みたいな量のステータスポイントが必要な筈なのにどうやら俺は神様のお陰でかなりズルが出来たらしい。
「おっまたスライムゼリー出たラッキー。」
そして俺は少し油断してたんだろう。
「グルルルル!」
「おわっ!?」
角から飛び出してきた一匹のジャグラスに危うく殺されかけた。
「あっぶねー。危うく噛み殺される所だった。」
腰のサバイバルナイフをいつでも抜ける様にしながら鉄棍棒を構える。
落ち着け。あいつは基本的に突進して噛み付き攻撃と飛びかかってくる攻撃しかしない。動きは単調だ。落ち着け。
「グアアアッ!」
「噛み付き突進!」
勢いよく右に飛んで目の前に晒された胴体に向かって思いっきり鉄棍棒を振り抜く。
「どっせい!」
“ガツン!”
表皮を覆う鱗で多少軽減されたが良いダメージ量だ。
「もう一発!」
“ドチュッ”
今度は頭に叩き込んだ。クリティカルでも入ったのかジャグラスはピクリとも動かなくなった。
《経験値を獲得しました。》
「ふうっ。」
何とかやれるもんだな。
ジャグラスのいた所には数枚の鱗が落ちておりそれを拾おうとしたその時
“ダッダッダッダッ”
「ん?」
遠くから誰かの足音が聞こえる。多分一人だなどんどんこっちに向かってる。
「助けてくれ!」
「は?」
こっちに向かって勢いよく駆け込んでくる男が一人。よく見ればその背後には5、6匹のジャグラスの群れが!?
「おいっ、お前ふざけんな!?」
「お前さっきジャグラス殺したんだろ?だったらあいつらも倒せるだろ!?じゃあやってくれよ!!」
そう言い残して男は俺の横を抜き去って行った。
「あのクソ野郎!」
取り敢えず今は全力で離脱だ。来た道を全力で駆け戻る。この先はT字路になっていて左は少し進めば行き止まり、右に進めば入り口へ戻れる。そして俺が右に曲がろうとしたその時
「《土壁》!」
「!?」
目の前に霊術によって土で出来た厚い壁が現れ俺の行く手を塞いだ。犯人は勿論先程の男。
「何すんだてめぇ!!」
「へへっ。もう体力あんま残ってねぇんだよ。お前がやられてる間に体力回復して逃げさせてもらうわ。ああ、教官達には無謀にもジャグラスに単独で挑んで死んだって伝えるから心配すんなよ。」
「ふざけんな!てめぇ後でぶっ殺してやる!」
「へへっ、どうせここで死ぬお前には無理だよ。じゃぁな生贄さん。」
「お前ぇ!!」
ヨタヨタと過ぎ去っていく足音が聞こえる。まじで見殺しにしやがった。
どうする?この壁を破ろうにも厚すぎて武器じゃ無理だ。俺も霊術を使えば出来なくは無いが俺の霊術は出力は兎も角範囲が狭すぎて通り抜けられるだけ壊す前に死ぬ。
『無限思考』と瞬刻思考を使っても打開策は何一つ出てこない。
…こうなればあのジャグラス…よくよく数えれば六匹を狩らなければ死ぬ。
「畜生!生きて帰ったらあいつぶっ殺してやる!」
こうして俺の絶望的な戦いが始まった。
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【TIPS】
【探大】の1度目のダンジョン実習は個々の能力を限界まで引き出すためにソロで行うが、これにはもう一つ理由がある。
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