終焉世界の探索者

日本神ェ…

神？が消え去ったあと各地にダンジョンが出現し、大混乱が起きた。何故かと言えばダンジョンの多くが既存の施設などを取り込む形で顕現したからである。

中でも日本を大混乱に陥れたダンジョンが三つあり、とある鑑定系のスキル持ちが確認した名称がこれである。

【地下鉄道迷宮 東京メトロ】

【階層煩雑迷宮 新宿】

【鉄骨交差迷宮塔 東京タワー】

この三つのダンジョンの発生により東京の都市機能は麻痺しかけたが、事前に何かが起きるということだけはわかっていたので政府が予め関連省庁に根回しをしておくことでパニックになりかけたものの事なきを得たのだった。

ダンジョン発生時に内部にいた人々は発生と同時に外へと弾き飛ばされた様でダンジョン発生による行方不明者は0であった。

各国は予めダンジョンを調査する部隊を整えており日本でも自衛隊から編成された探索部隊が発生したダンジョンに一斉に突入を開始した。

また、ダンジョンの入り口は基本的に大人数の利用する公共物が変異して発生したもので即座に封鎖が行われたため日本において侵入成功した人は限りなく0に近かった。

〜その日の夜〜

第一回探索を終えた探索部隊が帰還しその探索映像が公開された。

そしてその映像を見た多くの日本人は驚愕し馬鹿なと思った。海外から流れてくる映像でダンジョンの一階層にいるようなモンスターは基本的にゴブリンやスケルトンなどの簡単に倒せるモンスターであることがわかっていた。だからといってこれはないと皆が思った。

【SNS・白い鳥】

『いやこれまじでいってんの？』

『そらニュースキャスターが合成画像じゃ無いって念押すわwwwww』

『草』

『うん確かに文化や風習（・・・・・）の内に入るんだろうけどさぁ…』

『神々には著作権もクソもないのかwwww』

そこに映し出されていたのは

“プルン”

多くの国民が知る代表的な雑魚モンスター。

青いグミ状の体にまん丸お目目と笑顔のお口、極め付けは玉ねぎ型の体型。そう──

『ドラク工のスライムじゃねぇかwwwww』

『ちょっw自衛隊員さんそんな真剣な面持ちで近づかないでw笑い堪え切れないwwww』

『さっきドヤ顔で妖怪って予想してた奴すげぇ顔してる』

『世界の存亡がかかったダンジョンのコンセプトにオタク文化を採用するなんて誰が予測できるかwwwwww』

『流石はアマツ様でも反応に困る神々w』

『アマツ様って？』

『昼間出てきた超絶イケメン神。』

『鑑定した奴が名前だけ見れてその結果が【摂理神】全界定理君（アマツサダメノキミ）だったからアマツ様。』

『もうQuxivにイラスト画像何枚か上がってんぞ』

『はっやw』

『つかアマツ様ってアマツマガツチかよ』

『やめろあれがダンジョンボスとかで出たら死にかねない』

『スライムを実装したくらいだから普通にやりそう』

『おっダンジョン内の構造が出たぞ。』

ダンジョンはそれぞれにコンセプトの様なものがあり今回は【東京メトロ】についての情報だ。

【地下鉄道迷宮 東京メトロ】その出入り口は主要な9路線のすべての駅から出入りが可能となっている。これでよく侵入を防げたなと思うかもしれないがどうやら改札を通らないで侵入すると入った地点に転移される様で実際は改札を封鎖すれば終わりだったそうだ。その他のダンジョンも大なり小なり入場に制限や条件があったため封鎖は簡単に行うことが出来たというわけである。

ダンジョンに改札から入場すると無人のホームまでモンスターに一切出会わず辿り着くことができる。そしてしばらく待つとその路線の電車が何故かやってくるので乗り込むと所持している電子端末に路線図が表示され、選択した駅という名のダンジョンに送られる。各駅のダンジョンにはモンスターやトラップなどがあり踏破するとその駅が解放されるという仕組みのようだ。各小ダンジョンは駅に付けられた数字が大きい程難易度が高いとのことだ。

【SNS・白い鳥】

『Splat◯onの深海メトロじゃねぇかwww』

『任◯堂はキレていい』

『日本神格共は何考えてんだよ…』

『ネリメモリはありますか？』

他にもモンスターには銃器の類が効かない………なんてこともなく普通に通用するようだ。ただし難易度が上がるにつれて効きが悪くなりダンジョン産の武器や素材を使った物であればこう言ったことを緩和出来るようだ。

政府はこれより『対異界迷宮攻略法』…要はダンジョン攻略法に基づき『異界探索軍人養成組織』…詰まりは冒険者ギルドの設立を行うことを宣言した。

軍人とつくので戦地に送り込まれるのではと戦々恐々とする人もいたが現在世界中の国が内戦や紛争を停止してダンジョン攻略に動き出しているためそう言った懸念はすぐに払拭された。これには『対異界迷宮攻略法』に「この法の元組織に入隊した者にはダンジョン攻略を除く一切の戦闘義務を伴わない」と明記されたことも後押しした。

そしてネットの情報掲示板でも盛んに検証が行われているように各国の政府もステータスやダンジョン産アイテムなどの仕組みを検証する機関を立ち上げた。

こうして生み出されたのが後に国の基盤を担う三大組織

【日本国冒険者互助組合】

【日本国探索者育成学府】

【日本国異界研究所】

それぞれ通称【ギルド】【探大】【ダン研】である。

政府は民間人の満20歳以上の希望者からいくつかの試験を行い合格者を【探大】の一期生とし各地のダンジョン攻略に向けた訓練を行うこととした。

そして視点はこの物語の主人公鈴木亮一郎へと戻る。

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【TIPS】

神々を空想から現実へ降ろした全界定理君（アマツサダメノキミ）にとっても日本の神々がここまで俗物化するのは想定外であった。