第三話

 畦道を通り、ゆっくりと帰る。


 朝は何事も無かったかのように美佳が話しかけてきた。美佳は何をしようと思っているのか想像もつかない。


 「ねぇ!! どうして先に帰っちゃうの?」目の前を塞ぐように美佳が立っていた。何故だ? 美佳には見つからないようにこっそりと教室を抜け出したはずだ。


 「ねぇ!! 私と一緒に帰ろうよ……」 


 蝉の声が耳障りに感じて、十分な思考が出来ない。


 美佳が近づいてくる。俺はどうするべきだ。


 俺は美佳を押し、倒れているうちに施設に向かって走った。


 「待ってよ。あはははははははは」美佳が笑い叫んでいる。もはや化け物だ。


 ――俺は無我夢中で走った。そしたら施設ではなく、どこかの山道に着いてしまった。もう、帰ることすら困難になった。どんどん赤い空が青黒い色に変わっていく。


 「どうしたの? こんなところに隠れて」美佳の声だ。俺はさっと茂みに隠れた。


 「あはははははははは。貴方の鼓動。呼吸で何もかも分かるわよ」美佳の足音がこちらに向かってくる。


 俺は護身用のナイフをポケットから取り出した。こうなれば殺るしかない。


 「みーつけた」


 俺はその瞬間に美佳の左目をナイフで突き刺した。そのま股がり、心臓を数回指した。


 「うわあああああああああ」美佳は叫んでいる。もう時期に死ぬだろう。


 俺はその場から立ち去ろうとした。


 「私はミ……エル。カイ……が逃げられるはずがない……」


 なんと、美佳が立ち上がった。俺は驚いてナイフを美佳に向けた。


 「私がそんなもので死ぬはずがない」左目から血がポタポタと垂れている。


 「私は貴方を絶対に……いや、人殺しを許さない。私が天罰を下す」美佳? が鞄からナイフを出す。


 「私はミカ……ル!! 正義の……だ」何を言っているんだ? 美佳の目の奥に殺意が込み上げているのに気づいた。


 「やってやろーじゃねーか」俺はナイフをもって走った。美佳に一発食らわしてやる。



                 END 


 

 

 

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