第2話 好きになっていく私

窓から差し込む光とともに私は目覚めた。

昨日のことが夢だったように。


でもそれは夢ではなかった。

何気ない幸せがこんなにも幸せな事だと。


私は部活に行くのがとても楽しみになった。


5月のある日。

私は練習を終え、掃除をしていると

先輩が駆け寄ってきて、こう言った。


「いつもありがとうな。明日も練習頑張ろうな!」


その声に私は助けられた。

何度だって聞いていたかったのだ。


私は思い切って言おうとしたが、

もうそこには先輩の姿はなかった。


「ああ。また言い忘れた。」


私はそんな自分に嫌気がさした。



けれど私はふとこう思ってしまったんだ。




「いつか先輩が私の事好きになってくれないかな。」

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