小染みん

掃除をする度いつも思う。

ついでに僕の薄汚れた過去も洗い流してしまえないだろうか、なんて。

拭っても擦っても落ちない汚れはとても小さく、それでいて目立つ箇所に一つ二つ。


泥とも違う、油とも違う。

どうしてこんなに汚れたか、今では思い出せない。

気になって擦り続けているうちに、僕の指まで赤くなってきた。

色が変わるということは、未来があることを意味しているのに、どうして僕は喜べないのか。


自己嫌悪なんて大層なものじゃなく、これはもう僕の神経の細さによるものだ。

糸を太くするかのように、うまくやれたらいいのになあ。

裏側から叩いても、鈍い色は滲んでいくだけで。


恥ずかしさと疎ましさと憎らしさと浅ましさのちょうど真ん中くらいにその染みは鎮座している。

僕を見つめる、あの眼のように。

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