リビングドランカー
自己嫌悪に浸るってのはな、つまるところ深酒とおんなじなんだ。
気分が悪くなるのはわかってる、翌日の寝覚めだって最悪だ。
全部わかってんだよ。全部わかったうえで、それでもやめられねえんだ。
俺は酒が飲めねえからよ、代わりに苦いやつをグイッと飲むのさ。
ああもう頭が痛え。身体も怠いし今にも吐きそうだ。
それでももう一杯、もう一缶、もう一本。
手は震えるわ、意識は飛びそうだわ、立ち上がるのも億劫だ。
口ばっかり饒舌になって、心はいつも置き去りで。
こんな悪癖、さっさとやめてえんだけどな。
ああそうさ、俺は出来損ないさ。
処分の引き取り先もわかんねえ、厄介な廃棄物なのさ。
完成品のふりして背中にドでかい穴が開いてら。
だからいいだろ、たまには自分を痛め付けたって。
これが俺なりの愛なのだ。
アンタにわかるか?
そうか、わかんのか、そうか、そうか……
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