3.引き寄せられた到達地
《・・・・・・情報開示要求と判断。仮名、小鳥遊国広様の控室情報、及び関連の情報を開示します。該当の情報の開示にはコストを消費しません。情報開示。あなたは地球からジェネバレル星に、魔王として転生をします》
「よし。がんばるぞいっ」
即断。
「は? 転生?」「は? 魔王?」なんて反応を出したら負け。勝手に断定された俺自身の人生を即受理する。どうせ拒否する権利はない。ならば、積極性を見せることにより、強制されている体裁を避ける。
屈伏せざるを得ない状況で無理難題を押し付けられ、その通りに動くが屈伏したという事実はそこにない。・・・慰め程度と侮るなかれ。決定的な違いだ。そうすることで、この状況をもたらした存在の俺に対する印象も違ってくる。それに、逆らう意志を見せないことで責め処もない。強権的な排斥の対象になることもない。
まぁ、拒否する理由もないし、歓迎すべき状況でもあるのだが。
《あなたにはこの控室にて、転生するにあたり必要な事前設定を行っていただきます。まず、この世界での名前を確定された後、最初の地となる地域の選択を。次に、選択された地域に縁の深い種族から、使役するモンスターを選択、購入していただきます》
拠点? ・・・つまり、これから降り立つ地域と、それから使役モンスターの選択? ・・・それだけ? 俺自身へのチート付与はないのか?
(・・・ステータスオープン)
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●名前:小鳥遊国広(仮)
コスト:464900000000
種族:人間
魔力:100000
戦闘力:4000
成長度:UR
知能:やや高い
属性:魔王 人間 闇 転生者(隠)
性向:混沌 悪
寿命:∞
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なるほど。戦闘力の数値に関していえば基準がわからんが、魔王という割に4桁というのは少々寂しい気がするな。魔力の方は高そうだが・・・あ、魔力があるということは、魔法使えること確定かな? 魔法が使えない世界への転生なんてハズレもいいところだからな・・・これは嬉しい。
しかし、俺にまでコストがついてるのな。つまりこれ、俺も購入できるってことか? ・・・買われたらどうなる? 無条件で隷属とか・・・あー、ありそう。
「情報購入。コストを払えば俺を購入することもできるのか?」
《情報開示。この回答によるコストを消費しません。通常、生物購入システムを用いて個人を購入することはできません》
「通常・・・ね。情報購入。では、なぜこのコストという項目がある?」
《情報開示。この回答によるコストを消費しません。コストの数値は、個体の総合評価を計る基準として信用性の高い項目です》
「ふむ・・・では続いて情報購入。属性:魔王ってナニ?」
《情報開示。コストを1消費しました。モニタに表示します。今回開示された情報は、常時確認できる情報となりました》
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●魔王属性
ごく僅かな者のみが成り得る究極生命体の一種。
世界の理に介入し得る素質を持っている。
全ての事象に対しての究極的才能を持っている。
全ての生物が本能で大なり小なり脅威と魅力を感じる対象。
自分よりある程度戦闘力の高い相手でも服従させることができる。
全配下のネガティブでない一括管理が可能。対象にできる配下数は戦闘力に依存する。
戦闘指揮をした場合、対象の部隊全体に大幅なボーナス修正が入る。
自らを部隊に配属した場合、部隊に配置された最高指揮官の1つ上の指揮官になる。
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属性っていうと、火水風地のようなものだと思ってたが、種族特性といったところだろうか。俺が魔王という生き物というより、人間の俺が魔王属性を持っているということだろう。種族はまんま人間だしな。つまり・・・たとえば、あのモニタにいたドラゴンが魔王属性を持てば、ドラゴンの魔王の出来上がりというわけだ。
・・・それにしても、やっぱりあったなステータスオープン。脳内で唱えるだけで目の前の中空にステータス画面が現れる・・・異世界転生物の鉄板だな。
・・・・・・・・・いや。鉄板だな、じゃないだろう。
「誰かが手を込んだ方法で俺をカツいでいる」という説・・・いちおうね、いまだ僅かながらに引っ掛かっていたんだけどな。思考・・・思念? に反応されるとはね。これで未練はないかな。ここまで至れり尽くせりだとね。疑う方が不合理にすら思えてくる。
まぁ・・・この点の見極めに今後リソースを割かないとなると、他に充分な試行錯誤を行き渡らせることができるから、悪い事じゃないんだけども。
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