第17話 上品で優しそうなお嬢さん

 僕とメガネの目の前には、上品で優しそうな口調で喋っている女の子がいる。


「僕さん、先日の件でお話があるですが…今お時間良いですか…」



 レイカさんは今日もワンピースを着ている、この距離でもほのかに良い香りがしてくる(気がする)。


 おっと、何か喋らなきゃ、僕!


「ええと、先日の件、というと…?」


 頭が整理できずうまく言葉が出てこない!どうしよう…やっぱり昨日は…あれは現実で…えーっと…


 僕の頭がスッキリ明快になる前にレイカさんは続けた。


、件についてです」


「ああ、あの…」



 あぁ、やっぱり何でも屋の話ですね!(泣)


 僕は身体が固まり、メガネの表情を伺う余裕はなかったが、きっと


(あの…あの件って何だ!何がどう転んだらお主とこの美しい女が…、詳しく説明

 をしてくれぬと、それがし納得できぬ!)


 うん、このぐらい訴えているのだろう、そう思った。



 僕は昨日のことを思い出し、話をして何をされるのだろうかと怯えたが、それ以上にこの話に乗らなかったければ、僕の命はないかもしれないと感じ、話に乗った。


「わ、わかりました、思い出しました!お話は場所を変えましょうか、はは…」


「ありがとうございます、お話中でしたのに、申し訳ありません」


 レイカさんは、メガネの方を向き軽く一礼した。


 メガネは、ずれた眼鏡を直したあと、


「…い、いえ、ごゆっくりどうぞ…」



 とレイカさんに微笑み混じりに返答し、僕の方には(あとでしっかり説明をしてもらわねばな…)と訴えんばかりの表情で、視線を向けてきた。





「さ、行きましょうか…」


 僕とレイカさんは少し人気のない場所へ移り、自動販売機の横のベンチへ腰かけた。




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