第5話 朝のアクション

 ピチチチ、ピチチチピチピチ、ピヨピヨ。

 鳥の鳴き声が聞こえる、朝だ。


 僕はのそっと動いた。顔をこすり、軽くノビをしながらスマホに手を伸ばす。時計の時刻は7:00。


「うわっ」


 やばい、遅刻する!僕はガバッと起き上がった。階段を降りてリビングへ入ると、人がいた形跡がみられた。何者かはもう朝ごはんを済ませたようだ。

「もう、かあちゃん僕も起こしてくれよ!」


「なんか言ったー?」

 違う部屋から母親の声がした。彼女はもう活動を開始している。遅れをとった、ちくしょう。

 僕は朝ごはんはパン派なので、食パンをトースターに入れた。焼けるまでの時間、マーガリンを冷蔵庫から取り出し、常温に戻す。時間がない。何から準備しようか考えなければいけないが、何しろ僕は朝が弱い。頭が回らず、一点見つめタイムに入る。

 …

 のそ、部屋の隅で動いた犬と目があった。何か言いたいみたいだな。ん?なんだ、犬の心の声が聞こえる(気がする)ぞ。なになに、頭?がどうした?

 心の声に従い頭を触ると、新たな事実が発覚する。

「昨日風呂入ってない!」


「ティンッ」パンが焼けたようだ。




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