第8話 男同士の二次会
「で…要約すると、お前は昔の彼女が忘れられないワケか?」「 ん…まあ、そんなトコかな?」「馬鹿馬鹿しい!お前には悪いが本当に馬鹿馬鹿しい。でも…
「お前さー若いんだからな。重いんだよ。ジジイになってそんな事言ってるなら似合うかもしれないけど今は全く似合わねーぞ。立ち直らなきゃ昔の彼女にも失礼だし、今のお前を見てくれる女の子にも失礼だ!」
マサシのいう事は本当に正論だと思った。
僕がウジウジしていても何も良い事は無いし、誰の得にもならない。
「ポン!」その時、マサシのSNSにメッセージが入った。「見ろよ、涼子から今日はありがとう。陽くん、楽しくなかったかな?さおちゃんはまた話してみたいって言ってますよ…だって。彼女はお前がそんな重い奴だなんて思って無いぞ。今のお前を評価してるんだ。別にくっつけようとはしてないけど、恋愛にもっと寛容になれよ。」
マサシは僕に本当に親身になってくれている。ここはひとつ本当の気持ちを話してみるか…
「俺、本音を言うとさ、怖いんだよね。」「怖い?」「そう。また彼女が出来て付き合って、別れが来て…俺は彼女とこの毎日がずっと続くと思っていても、相手は俺に愛想を尽かして別れを切り出す…じゃあ彼女を作らなければそんな嫌な思いをしなくて済むだろ?」「イカンな!これは重症だわ。」
マサシは手で顔を覆った。「めんどくさい奴の典型じゃねーか。いいか!女なんて星の数程いるんだ!俺と別れようとする奴なんか放っておいて次を探すくらいのタフさがお前には必要なんじゃないか?」
「そんな事考えられたら苦労しないよ。」
「じゃあお前はさ、同時に二人から好きになられたらどうするんだ?どちらかを不幸にするんだぞ!」「そんな事有り得ないよ。」僕は手を横に振った。
「お前こそ勝手に決めつけるなよ。人間なんて時には勝手な生き物なんだよ。そういう時は自分の好きにするほうが後悔も無くて良いんだよ。陽みたいに女の子に尽くしてやる事が必ずしも良い事じゃないんだと俺は思うぞ。」
今までの人生で友達の言う事なんかあまり重きに置いた事など記憶に残ってないが、この時のマサシの言葉は不思議と僕の胸に深く刺さった。思えば僕はどこかで自分で自分をガキだと思って軽蔑していたのかもしれない。気持ちの自己防衛のために拗ねていただけだったのかな?とも思って少なからず反省をした…「分かったよ。お前のが正論だよ。でも、やっぱり振られた時の事を考えると俺は直ぐにそんな気になれないよ…」
マサシはしばらく考えて「まぁ、待てよ!俺に良いアイデアがあるんだ。」
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