第9話 pure

「良いアイデア?」「良い事では無いけど良いアイデアである事は間違いない。特に今のお前にとってはな。」「で、何だよ。そのアイデアは?」「お前、二人の女の子にアプローチするんだ。」「ちょ、ちょっと待てよ。二股しろってこと?」「人聞きが悪いな…ちょっと同時進行するだけだよ。勿論付き合うのは一人だよ。まあ、お前がずっと二人と付き合って行けるワケないのは良く分かってるけど。それにお前は女の子を喰い物にするようなヤツでもないしな。」


「無理だよ。一人でも躊躇しているのに…」「お前はさ、純粋ピュア過ぎるんだよ。恋愛ってのは与えて与えられるモノなんだよ。お前が気持ちを入れ過ぎて与え過ぎるから重くなる。それが二等分になれば丁度良いかも知れないぞ。それにどちらの女性が自分にとっていいかお前が決めるんだ!

逆療法がお前には良いんじゃないか?」


僕はマサシの言っていることが滅茶苦茶に思えたが一方でそうでもしないと僕はこの先ずっと変わらないように思えた。


「分かった。でも今日、明日ということにはならないぞ。沙織ちゃん…だったよな。ちょっと考えてみるよ。」マサシはニヤリと笑って「分かってもらえて嬉しいよ。応援してるぜ!」


まんまとマサシに乗せられた形になったが、

まぁここは乗っかってみるか。


僕達は店を出て家路に着いた。


「ポン!」地下鉄の駅に降りる前、SNSに

メッセージが届いた。マサシからだ。

「来週の土曜日デートを取りつけてやったから楽しんで来いよ。沙織ちゃん楽しみにしてるって。詳細はまた…じゃあな。」



…僕はアイツのように上手く段取り出来るか不安になった。

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