28話 合間の休息⑤
そして夕方、今日もやっぱり酒場に。
すごい今更だなとは自分でも思う。けど昨日のコンジュさんとの話で思う所はあった。
今はまだ街の中でも外でも行動範囲は狭く、最低限の情報は事足りてはいる。
しかし今の行動範囲外の事は、地図で見た事くらいしか知識が無い。自力で情報収集しようにも、情報の仕入れ、必要な情報の選別、こなし切る時間の余裕なんて無い。
…タイミングを逃した引け目だとかもあり、やっぱりやめるメリットを探してしまったが、やはり避けては通れない道。
冒険者として、もっと交流は広げねば。
いつもより少し早めの時間帯、人の密度もいつもよりも少し控え目。
空いてるテーブルも多い中、なんとも丁度良く、大テーブルの端に程よい空席。
…今はあくまで冒険者としての先輩、それを念頭にイメージしつつ、ちょっと気持ちを切り替える。
「隣の席、いいですか?」
「あぁ、もちろんだとも。」
了承を取り席に着く。
身なりのいいエルフの人だ。今更になって、ちょっと緊張してきた。
「君たち、、確か先週からの新入りだったかな?」
話のきっかけを考えてる途中、切り出してきたのはまさかの相手の方からだった。
「はい、その…挨拶遅れて、すまんっす。」
「構わんさ。最初はそんな余裕も無いだろう。
どうだい、冒険者ライフは順調か?」
「まぁ、今のところは。」
「…なるほど。
ともあれ折角の縁だ。先輩としてここはひとつ、今日のところはおごってやろう。好きなのを頼むといい。」
とは言われたものの、目ぼしいメニューは巡り終わったし、適当にそれっぽいものを。
「じゃあ、厚切り中皿で。」
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