27話 合間の休息④

 休日の二日目。

 今日はラディと一緒にお店巡り。リフレッシュした所で、今後のプラン立て。

 とりあえず案に挙がってた武器を、と来たはいいが。


「…重い、ですね。セイルさんはこんな重いのをふりまわしてたのです?」

「慣れの所も大きいんだろうな。僕も最初は重いと思ったけど、今は無いと落ち着かないくらいだ。」

 まずは参考にといつも使ってる剣を持たせてみた。

 ラディの体格には合わない大きさだが、問題なく持て、振れる。ところまではよかった。

 振ると体重不足からか、思いっきり体勢が崩れる。文字通り剣に振り回されてる。

 鞘をつけたままだからまだ大丈夫だったが、何度か当たりかけた。



 どうせだから自分のを買いなおして、お試し用として今のをあげる、というのも考えたが、この様子を見るに無理そうだ。

 という顛末で武器屋まで来たのはいいが。


 …高い。思った以上に。

 自分の剣は処分されるお古を格安で譲ってもらった物だから、本来の相場に関しては無知だった。

 安いものでも1人あたりの報酬額で見て3日分、とても「とりあえず試しに」で買える値段ではない。

「これなら使えそう…けどみじかすぎでしょうか?」

「短剣か。リーチが短い…のはお前ならどうにかなるにしても、軽さは殺傷能力の低さでもあるからな。

 動きやすくはあっても、実戦レベルで扱うには難しい部類だな。」

 実際にラディが短剣を持ったら、で想像してみる。

 腕を鞭のようにすればリーチは容易に解決するし、十分な威力も出せるだろう。

 そして少しの拘束時間…いや、いっそ束縛は狙わずまとわりついて……。

「…確かに試す価値ありだな。

 一応、他に気になるのとかはないか?」

「気になる…といえば気になるのなら。

 あれってどういうぶきなのです?」

 そう言い指さした先は、木造武器の陳列。その隅にかかってる──

「弓か。昔はよく使われたらしい、遠距離用の武器だな。

 扱うのに技術が要るし、魔法の補助道具が一般化してから相対的にアドバンテージが下がって、今や一部のもの好きが使うくらいの武器だ。」

 脇にある矢ともども埃を被ってるあたり、使用人口の少なさが見える。

「…あれが武器になるのが、イメージできないです。」

「んー…言葉じゃ説明し辛いな。

 宿の貸本に教本があったから、後で教えたげよう。」

「約束ですよ?」

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