第6話〜爆弾は友達?〜
1-⑥
〜爆弾は友達?〜
みなさーん、こんばんはー!
警察庁特殊派遣捜査管理局捜査課福岡係第一所属の木下直樹巡査部長です。
これはある梅雨の日のことです。
県警本部長宛に1通の手紙が届いたそうです。
なぜか捜査一課殺人犯3係錦戸班に回って来ました。その理由は、送られて来たものがカードに1から7までの数字とその下にそれぞれ順に、赤→黄色→オレンジ→緑→水色→青→紫と書かれたものだった為でした。どうやら本部長は、この謎を解けと言いたいのでしょう。
しかし、錦戸班はいたずらと判断しました。
その話を聞いた、俺たち特派捜第一班も興味を持ちました。特に筒井千春主任は。
「うーん、色は虹と一緒やけどね。くらっち、どう思う?」と主任。
「えぇー、私もいたずらだと思います。可能性としては、何かのメッセージなのかも。誰かが自分を警察に止めて欲しいからとかじゃないですかね?直感ですけど。」とくらっちこと倉本凛巡査部長。
「私、直感信じるタイプ。まぁ、今回はそれしか考え付かないって言う方が正しいのかもしれないけど」とななみんこと二階堂七海巡査。
そして2日後の夕方。
俺は機捜の中村さん・河野さんコンビに誘われ、南区の警らに同乗させてもらいました。
そして、警ら開始1時間後のこと。緊急無線が車内に鳴り響きました。
『至急、至急。福岡本部から南P.S』
『南です』
『現在南区三宅中央公園にて爆発音がしたと入電中』
お、これは近い。
『機捜34、南区和田から緊急走行にて急行』と河野さん。
『福岡本部了解』
現場に着くと、人だかりがありました。
「すみません、警察です。失礼しまーす」
「これか。爆発は小さかったようだね」と中村さん。
爆発物は公園のゴミ箱の中にあったようで、アルミ製のゴミ箱が焦げていました。
「こりゃ、ひどいな」と俺が言うと
「けど、被害者はいないみたいだね。一安心」と河野さん。
その後、県警本部から鑑識課が臨場しました。
「爆弾自体は跡形もないですね。復元できなさそう」と鑑識課の木田巡査部長。
「例のカード、関係あるのかな?な訳ないか、多分」
そして2日後の日曜日。
捜査一課大賀班の日野さんに映画に誘われました。見たい映画だったので、一緒に行くことになりました。
映画を観に福岡市の商業施設「キャナルシティ博多」にやって来ました。
「直樹くん、何か食べる?付き添ってくれたお礼に何か奢るよ!」
「え、いいんすか!じゃ、ポップコーン!」
と奢ってくれました。
2時間後。
映画は面白かったです。途中寝そうになりましたけどね。
「あ、俺トイレ行ってくるわ」と日野さんが言うので
「あ、はーい」
待っている間、LINEでも読んでよー。
その時でした。1人の男性とすれ違いました。
あれ、何か様子がおかしい。
こっちに気がついて、ニヤっと笑った。
職質かけるか。いや、手が濡れている。
トイレの後だろう。すると、
「お、おい、まじかよ!」と叫び声が聞こえた。
ま、まさか!
声がトイレの方から聞こえたので、ダッシュ!
すると、個室に時限式の爆弾がありました。
「直樹くん!これって・・・・・」
「間違いない、爆弾ですよ!」
「どうする?俺らで解除できると思う?」
「するしかないでしょ、あと五分もないんすよ!とりあえず、見てみよう」
ネジなどはなく、普通に開けることができました。中を開けると、黄色と紫の導線がありました。
「ハサミもらってくる!」と日野さんが売店へ向かいました。
さて、どっちを切る?
去年、学校の体育祭でハチマキが紫だったから紫か?いや、学校の学年色の黄色か?
ってか、爆弾を見たの1週間に2回目だぞ。
ん、2回目?んで、黄色か。どっかで見たことのある組み合わせ。どこだ?どこだ。
「ほい、ハサミ」と日野さんが戻って来た。
日野さん。県警本部捜査一課殺人犯2係。
あ、県警本部!県警本部長!
そう、例のカードだ!2番目の色が黄色だった!確信はないけど、やるしかねぇ!
黄色を切りました。
すると・・・・。爆弾の時間表示が消え、爆弾解除成功です。
俺たちはすぐに県警本部に連絡、その日のうちに特別捜査本部ができることになりました。
「帳場たったか。ご苦労様でした!」と筒井主任。
この捜査本部には、殺人犯2係大賀班と3係錦戸班、中央署刑事課1係と俺ら特派捜第一が入りました。トップは、捜査一課長でした。
「これは、明らかに警察への挑戦状だ!カードを受け取ったからには、絶対にホシをあげるぞ!」と一課長は意気込んでます。
そして、第1回の捜査会議で与えられた俺ら特派捜の役割は、地域のパトロール強化で、不審者を発見すれば即職質かけろとのことでした。
そして、その後の展開はというと範囲が福岡市内と広いため、捜査は難航。その一方で、爆弾犯は、2日おきに3回爆弾を爆発させました。爆発が全て小さかったので幸いにも被害は特になかったです。ゴミ箱の器物破損くらいかな?
最後の爆発から2日後の夜、凛と俺は、機動捜査隊の中村巡査部長と河野巡査長に誘われ、福岡市中央区天神を警らすることになりました。
「そーいえば、2人って学校、一緒なんだよね?」
「あ、はい、そーですけど?」
「2人って恋愛話とか、聞かないの?イマドキの高校1年生って、するでしょ」と運転手の中村巡査部長。
「いやー、うちら最近、学校行けてないので、あんまり聞きませんね〜」と凛。
すると、ちょっと不審な1人の男性を見つけました。
「ちょいと、職質するか」
「あのー、機動捜査隊です。持ち物検査だけいいですか?」
「え、あ、はい・・・・」と、男性は小さい声で返事をしました。
ズボンのポケットとかは異常ありませんでしたが。
「カバン見ますね」
と河野さんが調べようとした時、明らかに目線が他の方を向いていることに凛と俺が気づき、その方向に向かっていくと、一本の木がありました。そして、そのふもとには・・・・。見たことのある箱がありました。
「ねぇ、これって・・・・爆弾よね?」と凛。間違いありませんでした。
すると、その時でした。
「うっ!何してるの!離しなさい!」
男性が中村さんに飛びついていました。その手には果物ナイフにしては大きめのナイフを持っていました。
「近づくなよ!俺は、お前たち警察を恨んでんだ!お前たちのせいで、家族も仕事もなくしたんだよ!」と興奮気味でした。
「まぁ、まて、落ち着け。話を聞くから、署まで行かないか?」と河野さんがなだめようとすると「落ち着けるかよ!このまま死んでやる!道連れにしてやるよ!」と男性は爆弾の方へ向かいました。
すると、中村さんは体制をわざと崩し、一本背負い。
「19時16分、公務執行妨害と銃刀法違反で現行犯逮捕!」
「直樹くん!5番目、なんだっけ?」と河野さん。
「確か、青です!」と答えると、河野さんは爆弾を解除しました。
男性を連行した後の取調でわかったことは、男性は数年前、殺人容疑で誤認逮捕され、それがきっかけで家族も仕事もなくしたそうです。そんなときに、謎の人物から7つの爆弾を郵便で受け取り、爆弾解除の答えとなるカードを県警本部長に送り、福岡市内各地に爆弾をセット、爆破したそうです。
2日後置きにした理由は番号を正確に表すためだそうです。
まぁ、何がともあれ、一件落着!なのかな?謎の人物が気になるけど。まぁ、他の部署に任せよう。
まぁ、そういうことにしておこうかね!
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