第4話〜新メンバー登場〜

1-④

~新メンバー登場〜


皆さん、こんにちは!

警察庁特殊派遣捜査管理局捜査課福岡係第一主任、警部補の筒井千春です。

昨日から係長である神代沙奈警部が警視庁へ1か月間の研修出張のため、福岡係の係長代理をやってます。

さぁ、今回はどんな事件かな?


この日は、同じ第一班の木下直樹巡査部長と彼の学校の正門前で待ち合わせて、デパートに巡回に行こうとしていました。

私が待ち合わせ場所に到着したらすでに彼はいました。

私は私服、直樹は制服のままです。

「ごめん、待った?」

「いや、俺も今出たところ」

「よかった!んじゃ行こう」


数分後、歩いているとパトカー数台が緊急走行していました。

「なんかあったのかな、あんなに急いで」

「行ってみる?私も気になるし」

パトカーを追いつつ、県警本部捜査一課殺人犯捜査2係の大黒巡査部長に連絡を取っていました。

すると、彼女もすでに臨場しているそうです。

直樹の学校から走って10分のところにパトカーは停まっていました。


現場は、福岡市中央区の林の中でした。

私たちが非常線の中に入ろうとすると

「君たち、ここは関係者以外立ち入り禁止なんだよ」と地域課員から怒られました。

すると、大黒さんが気づいてくれて

「あ、その子達はいいんです。警察関係者です」と言ってくれたので私たちは警察手帳を見せました。

「ど、どうぞ・・・・」と中に入れてくれました。

失礼しまーす。


「えーと、被害者は身元不明なんだけど6、7歳くらいの男の子。胴体から首、腕を切断されていたんだ。それぞれ別々のところに遺棄されていたよ。こんなヤマはじめてで、吐きそうになったよ」と大黒さん。

「惨殺だな。俺も初めてだ」

「足はついたままなんだ・・・・。私は2回目だな、こういうの」

「ん?あれって・・・・」と直樹が言うので、

「どうかしたの?」と聞くと

「ね、大黒さん。あそこにいる女子って、ウチの制服なんだけど、関係者?」

よく見ると可愛らしいツインテールの女の子が非常線の中にいるじゃないですか!

「あ、紹介まだなの?倉本巡査部長~」

「はーい」と元気な声で返事が聞こえました。

「今日付けで、山口係から異動になった倉本巡査部長です!」と大黒さんが紹介すると

「はじめまして、倉本凛巡査部長です!よろしくお願いします!高1です」

「特派捜福岡係長代理の筒井千春です。よろしくね!」

「同じく福岡係第一班の木下直樹だ。はじめましてじゃないことに気づけよ!」

え?どゆこと?

「え、あ。木下君じゃん!時々いないっていうのは聞いたけど、特派捜だったんだ。なるほど!」

転入して来たクラスメイトなのね・・・、なるほど。

「ようこそ!福岡係へ!!」と私が言うと、

「あの~もう一人異動してくるらしいんですけど、知ってますか?」

「え、あぁ、聞いてないけど・・・・」

「あ、もしかしてあの子じゃないかな」と大黒さんが指さす方向、非常線のあたりに元気の良さそうな美少年がいます。

「君、ここは関係者以外立ち入り禁止なんだよ」と地域課員から怒られています。

「特派捜あるあるだな、このパターン」と直樹。

「しょうがないよ・・・・」と大黒さんが駆け寄って

「その子もいいんです。警察関係者です」

「え、この子もですか・・・、なんなんだ、まったく・・・」とつい本音が出てしまった地域課員さん。

するとその美少年は警察手帳を見せて中に入って来ました。

「ありがとうございます。栃木係から福岡係に研修異動することになりました、高校2年生、西野颯(にしの はやて)警部補です。よろしくお願いします」

「特派捜福岡係長代理の筒井千春です。よろしくね!」

「同じく福岡係第一の木下直樹です」と自己紹介を終えたところで、

「あの~、ちょっといいですか」と大黒さんに声がかかった。

「あ、はーい。てか、きみ達は?」

「あ、はじめましてでしたね。県警本部鑑識課に先日配属された三井純一巡査部長です」

「同じく鑑識課の木田愛巡査部長です」

「殺人2係大賀班の大黒です。何かありましたか?」

「はい」

「んじゃ、俺らは戻るわ。何かあったら連絡ください」

「OK!了解」

と言って、事件現場を後にしました。


県警本部7階にある特派捜専用の部屋にやってきました。

捜査一課大賀班の刑事さんたちが、凛ちゃんと直樹が同じ学校の制服なので、

「お、直樹くんの彼女も特派捜なんだ~」といじると

「違うわい!!たまたま同じ学校に転入してきたの!」と直樹は反論していました。

そして・・・・特派捜メンバーからも・・・・。

「あ、お帰り~。あ、もしかして彼女?」

「だーかーらー、違うってば!!!!」

「美穂、いじらないの~!紹介するね、この子が第一に研修異動になった倉本凛ちゃん。こっちの子が第二に研修異動になった西野颯くん」

「第二班の石垣美穂巡査部長です。高校1年生です。よろしくお願いします!」

「第二班主任の近藤亮太です。研修異動か。いいな~、俺もどこか行きたい~!」

研修異動とは、一定期間中のみの異動で、一定の条件を満たすと自分の希望した係に異動することが出来るのです。滞在は1年未満ですけど。

「第一班の二階堂七海です。私も行きたい~」


さて、新しく加わった2人のかたづけが終わったのでもう一度現場に戻ろうという話になったので、美穂と凛ちゃんと直樹と私で歩いていくことにしました。

「凛ちゃんって山口からだったよね!山口ってどんなとこ?」

「えーと、田舎と都市部の差が激しいですね。あとは~秋吉台の秋芳洞がきれいですよ!」

「鍾乳洞だよね、一回も行ったことないなぁ~」

「コンビニ寄らない?おなかすいた~」


ってことで、コンビニによることにしました。

美穂と直樹はトイレへ、私と凛ちゃんはおにぎりを買いました。

レジを終え、出ようとすると・・・・・


レジに拳銃を持った男が。

覆面を被っていませんでした。

どこかでみたことあるような・・・・

「おい、金全てここに入れろ!余計な真似はするなよ・・・」

「し、失礼しまーす・・・」とほかの客が逃げようとすると、男は発砲し、ガラスが割れました。客は無事のようです。

「やっぱ、金はあと!シャッターを閉めろ!」と男が言うので、シャッターを下ろす店員さん。


「あぁ、もうこんな時に!!美穂、やるぞ!」

「分かった!」

と直樹と美穂で動くみたいです。


「おい、そこ!何ごちゃごちゃ言ってんだよ!こっちにこい!」といわれ被疑者に寄る直樹。

「うぇ~ん、怖いよう」と美穂が泣き始めました。演技うまくなってる・・・・

「うるせえ!お前もこっちにこい!」と美穂も被疑者に接近。

そして、3秒後。


拳銃ホルダーからM360J“SAKURA”を素早く抜き、直樹は被疑者の後頭部、美穂は被疑者の額に銃口を向けていました。

素早い。拳銃を使うのをためらってしまう私は二人の事を警察官として尊敬します。


「これ以上、罪を増やすな。清水蓮さん」

あ、思い出した!傷害と殺人未遂で手配中の清水蓮!!

「まさか、こんなガキっぽいサツがいるとはな・・・・」

「ん~、たまたまですな。17時28分、強盗未遂と銃刀法違反で現行犯逮捕!あ、わりぃ、美穂、ワッパ貸してくれ。忘れた。」

拳銃持ってんのに手錠忘れるんかい!

「すごい、2分もないうちに確保とか福岡係やばすぎ!」と驚いている凛ちゃんでした。


県警本部の刑事に引き渡して、事件現場に戻りました。

すると、凶器と思われる、血痕付きののこぎりを見つけました。


県警本部に戻ると、清水の取り調べをしていました。

取調室の隣の傍聴スペースに来ました。

取り調べしてんのは・・・殺人犯2係の三島巡査部長。

「あ、大黒さん!」

「お!お手柄だったね!」

「んで、どうですか?」

「手配中だったほうも、何とか認めたよ」

「あ、そういえば今日の件の被害者の身元は?分かったの?」

「あ、うん。市内に住む小学一年生だったよ」と言ったところで、大黒さんの携帯が鳴りました。

「はい、大黒です。はい、はい、え、ほんとですか!分かりました!そう伝えます」

「だれ?」と美穂が聞くと

「鑑識の木田さん。直樹君たちが持ってきたのこぎりから被害者の男の子の血液と清水の指紋が採取できたんだって。またまたお手柄じゃん!」

「そうかな~」と照れる私たち。


数時間後、清水は殺人・死体損壊容疑も認めました。

どうやら、発見前日下校時刻を狙って誘拐後、自宅の部屋に監禁、数時間後ロープで首を縛り窒息死させたあと、このために購入したのこぎりで遺体を切断して、深夜に林の中に遺棄したそうです。



新たな仲間を2人も加えてますます楽しくなった私たち福岡係。

これからも頑張っていくぞ!

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