第3話〜急襲〜

1-③

〜急襲〜


皆さん、こんにちは!

警察庁特殊派遣捜査管理局捜査課福岡係第二所属、巡査の中宮冬華です!

突然ですが!この前、こんなことがあったんです!


あれは、日曜日に休暇だった福岡県警捜査一課の大黒巡査部長とわたしと同じ捜査課福岡係第一のななみんこと二階堂七海ちゃんとデパートに行って買い物を終え、フードコートでお茶をしていた時のことです。


「2人ってさ、彼氏とかいるの?」

「いないよ」

「あたしもいないよ。いたら、刑事だってバレちゃう可能性もあるし」とななみん。

「あ、そっかぁ、忘れてた。かっこいい男子とかはいないの?」

「いるけど、私のタイプじゃないな〜〜」とななみん。

「あたしの学校、ぶさかわ男子しかいないよ〜」

「そーいえば、2人って学校違うんだよね?だったら、一緒に帰りがけ遊びに行くとかないの?」

「うーん、ないね」

「したいけど!」

「確か、2人とも明日4限目までじゃないの?」

「そーだけど、なんで知ってるの?」と聞くと、

「知り合いに教育委員会の人がいるの。それで、明日は、大事な会議するんだって。それで明日4限目までって言ってたなぁ〜と思って」

「あ、じゃあ、公園で待ち合わせて、デパート行く?」と私が提案すると

「え、行こうよ!久々に遊びたい!」


ってことで放課後、近くの公園で待ち合わせて、2人でデパートに行くことになりました。


「あ、ふゆゆ!こっちこっち!」

「やほやほ!んじゃあ、行こうか!」


と歩いていると、また学校の話になりました。


「うちの担任なんて、掃除は大切だ、とか言いながら、掃除時間に女子生徒と話してんだよ?どっちかにしろよって感じ!」と言って来たので、

「うちの担任は、優しい先生だよ?たまに怒るけど。それがさ、ほぼ女子だけに。ありえないよね。男子はいいのかいって感じだよ!」と言いました。本当のことなんです!


「けど、もうすぐ修学旅行だよね〜〜」

「小学校の時、枕投げして、障子一部だけ破ったな〜〜」

「え、まじ?すご!怒られなかった?」

「怒られたよ。けど、男子の方は、障子全部破ってたから相当怒られてたよ!」


「そーいえば、福岡メンバーでROUND1とか行きたいね!絶対楽しい!」

「わかる〜!」

と話していると、他校の女子中学生を見つけました。


「あの2人どうしたんだろ?」

ななみんがフードコートの入り口に座っている2人に少し違和感を感じ話を聞きに行く事に。

「あのー!大丈夫?」

すると泣いている2人の片方が顔を上げてこっちを向いたので、周りに見えないよう制服の内側で警察手帳を彼女に見せ話を聞くことに。簡単な話を聞いてみると、なにやら事件の香りがしたのですぐに現場近くの公園に目撃者の2人を連れて移動する事になりました。


「あの公園です」

彼女が指を指した先にあった公園の側にうずくまっている男子生徒が1人居ました。

目撃者の2人をななみんに任せ、私はその男子生徒の元に向かい、すぐさま救急に電話をし、その場でできる限りの応急処置を済ませ、ななみんと彼女達を呼び男子生徒も含め話を聞く事に。


話をまとめると、男子生徒は下校中、後方から何者かに急にふくらはぎを刺され後頭部を鈍器のようなもので殴られたといいます。

そして、犯人の特徴を女子生徒にきくと、

【年齢は30から35。服装は全身真っ黒のスウェットのようなものに黒い帽子】だといいます。

その内容を育成課の平永さんに連絡し、男子生徒の証言から殴られてさほど時間も経って居ない事もあり、緊急配備をかけようとした時、

「あのー」

後ろから20代後半の女性が話しかけてきました。

「貴方は?」ななみんが聞くと、

「あっ!私はこの公園の前に住んでいる佐々木と言います」と佐々木麻衣という女性でした。

彼女の話によると、その時、天気も良かった事もあり洗濯物を取り込んでいる最中、公園の近くで何か鈍い音が聞こえたので振り向くと、男子生徒が男に殴られた後、怪しい男が住宅街に車で逃げていったのを見たと証言してくれました。


平永さんに連絡を入れ現場周辺に緊急配備をかける事に。

その後男子生徒は救急車に乗り病院へ。目撃した女子生徒達は、犯人に顔を見られている可能性もあるので犯人の捕まって居ない現状で、帰らす訳にいかないので、他の警察官が来るまでななみんと共に公園でこの周辺の道で犯人が車を乗り捨てる可能性も含めて話を聞いて機動捜査隊を待ちました。


数分後、機動捜査隊の中村巡査部長、河野巡査長、育成課の山本さん、江口さんが臨場しました。

『機捜15より福岡本部。案件605において、機捜15及び機捜34が現着。これより事情聴取開始します』

『福岡本部、了解』

と無線のやりとりをした後、4人は私たちと合流しました。


私は現着した4人に状況を説明し、ななみんは、目撃者2人をパトカーに乗せ保護しました。


「なるほどねー、車ってことは、広範囲に逃走している可能性大ありじゃん」と江口さん。

「だったら、こっちは数で勝負と行きますか!」とななみん。

「だね、第二班のメンバーが今日、別の案件で学校休んでるから、お願いしようかな」

と山本さん。

「佐々木さんによると、ホシは顔は見えなかったけど、左手首に傷があったのを見たらしいよ」


と言うことで、別の事件で学校を休んでいた第二班のメンバーに臨場してもらい、周辺を自転車でパトロールしてもらうことになりました。


そして、パトロール開始をして数分後、

『第二班近藤です。不審車両を発見、ナンバーは【福岡240、ふ、45-96】。ナンバー照会お願いします』

そして数分後。

『石垣です。不審者を発見し、職質しようとしたら、逃走。見失いました』


この日は追跡をやめ、ナンバーの照合を元に逮捕状を取ることになりました。


翌日、学校に行こうとする私の携帯に平永さんから一本の電話が来ました。

「今、昨日の不審車両のナンバー照合から犯人と思われる男の名前が発覚したよ!」


その連絡が来たので、私はななみんに先日の被害者の男子生徒に顔を確認してもらうよう、指示し、私は女子生徒に連絡を入れ、安全なファミリーレストランに来て貰う事にしました。


私が待ち合わせのファミリーレストランで待っていると、江口さんに連れられ女生徒2人がファミリーレストランに到着。


「ゴメンね!昨日の今日なんだけど、重要な証言が多くて発見も早かったから一応目星がついた人間を写真で用意したの」と言うと女子生徒は私の用意した写真の中から犯人と目星を付けている男性の写真を指差し、

「この人です」と言ってくれました。


その数分後、ななみんからも同じ証言が取れたと連絡があったのでそのまま平永さんに逮捕状の申請と受理を任せ、私は犯人と思わしき男のアパートに向かい、平永さん、ななみんと待ち合わせることにしました。


30分後、平永さん、ななみんと合流。犯人の男が部屋から出て居ない事を確認し、配達員に扮し突入!

「姫野さん郵便でーす」と犯人と違う名前をわざとドアの前でななみんが呼びました。


すると、本件の容疑者である一ノ瀬龍太さん(32)が何の疑いもなくドアを開けました。

「すみません、自分姫野じゃ無いですけど」と分かりきった事を言う犯人に冬華はすかさず「はい!知ってます!本当は一ノ瀬さんですよね!あなたは昨日ここから15分の所にある公園で傷害事件起こされてますよね!」

すると、一ノ瀬は昨日の男子生徒を刺しただろう凶器を私に向けて振りかぶり攻撃して来たのでななみんが家のドアを蹴飛ばし勢いよく閉めて防御しました。


一ノ瀬はドアに挟まれた腕を庇いながら逃走しようとしたのでその場で公務執行妨害で現行犯逮捕する事に。


その後、一ノ瀬容疑者の取り調べから分かったのが、数日前仕事先をクビになってムシャクシャしていた時に被害者のグループが公園で遊んでいる姿にイラつきを感じ犯行に及んだといいます。なんて、自由な大人なんですかね。


犯人が捕まった事を女子生徒や目撃者の佐々木さんに報告に向かった時、佐々木さんが何故、すぐに普通の女子学生の私達に話しかけたのが分かった。


特派捜という警察に所属する学生の団体が存在するという噂がながれていたといいます。


これはやばい。特派捜の事が認知されたらやばい!


一応、育成課福岡係長でもある平永さんに報告しました。


「わかったー、一応、局長の莉奈には報告入れとく〜」



この先どうなるのかなー、特派捜。

気になるけど、まぁ、いっか!


これにて一件落着!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る