第4話

次は、私が好きな現代の作家さんで。

私は真梨幸子さんが好きです。

通称「イヤミスの女王」です。

通称通り、イヤな後味のミステリーを得意とする真梨さん。

「殺人鬼フジコの衝動」は映画化もされましたね。

私は原作読んだだけですが。

真梨さんの本は基本的にどれも日常の「陰」を表現した物語といいますか。

そんな単純な言葉で表すのはいけないような陰惨さというか、日常にへばりついたヘドロ、凝り等、そういった感じです。

尊敬の念を込めて賞賛しています、念のため。


そんな中でも私が一番身体にキたのは、「孤虫症」です。

メフィスト賞を受賞した真梨さんのデビュー作です。

「身体にキた」というのは、本当にそうとしか言いようがないんです。

まず、痒い!

本を読んで、痒い、なんて思うことは今までありませんでした。

しかも図鑑などの様に写真があるわけでもないのに。

現代作家さんなので極力ネタバレしない様に書きますが、タイトル通り「虫」が出ます。寄生虫の話です。


この時点でイヤな人はイヤだと思います。

幽霊の出る作品を見ては自分の周りにも幽霊がいるんじゃないかと震える妄想力逞しい私の様な人間には向いてないです。

が、その気持ちの悪さ、後味の悪さがクセになるんですよね。

その後続く真梨作品では、ミステリーとして技巧的に素晴らしくなっているのですが、やっぱりこの有無を言わさず嫌悪感を注ぎ込んでくるような強引な感じは圧倒的に「孤虫症」がダントツです。


それにハマったら、「あの女」と「人生相談。」もオススメです。

「人生相談。」は比較的ミステリ色強めで読みやすい(痒くない)ので、虫が無理ならこっちをオススメします。

「あの女」はイヤミス色と昼ドラ色が凄く強いです。

嫉妬心、猜疑心、対抗心、独占欲等々、女のジメジメした感情全部のせって感じです!


真梨幸子作品はどこから入っても、嫌だけどクセになる、そんな読書体験が出来ます。


これまでの読書日記は全体的にとても重い内容だったので少し気分を変えてみました!


継続して読んでいる文学作品でも衝撃を受けたものが色々あるのですが、元々はこういう本も好きなんだよー、という回ですね。


根底には負の感情とか、重いもの。

尚且つ感動路線には決して入らない、そんなものが古典現代共通して好んでいるような気がします。


次の回はどうしようかな、

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