1491.質疑篇:締切でも応募作が完成しなかったら
過去のご質問などを精査しながらお答えしているため、応募期間が多少前後しますのでご了承くださいませ。
「火曜日で連載終了」と書きましたら、ひとつご質問を受けました。
そのため早くて3月17日水曜日の連載終了に延びました。まだまだご質問を承りますので、気兼ねなくご質問・お問い合わせをいただければ幸いです。
今回は「小説賞・新人賞」を目指していたけど、締切までに応募作が完成しなかったら、とのご質問です。
モチベーションが下がった作品をどうすればよいのか。
考えてみましょう。
締切でも応募作が完成しなかったら
今回もご質問です。
「まとめて書いても、書いているうちに何倍にも膨れてしまい締切に間に合わないことが多々あります。」
「小説賞・新人賞」は皆様が目標としています。だからもし締切に間に合わなければ、それまでの苦労が水の泡になってしまうのです。
どうメンタルリセットすればよいのでしょうか。
次回にもう一本出せる
私は締切を過ぎても完成しなかったら、次回の「小説賞・新人賞」へ「もう一本出せる」と考えます。
だから締切を過ぎてもなるべく早く完成させ、次の応募作にとりかかるのです。
以前書きましたが、「小説賞・新人賞」を獲れたいならなるべく多くの弾を持っているにかぎります。
一作しか応募しなければ、その作品だけの良し悪しで受賞できるか決まるのです。
しかし二作応募できれば評価は二作で行なわれるので受賞確率を上げられます。三作、四作と増やせば増やすほど高まるのです。
ですが、一年に一度しか開催していない「小説賞・新人賞」ならいざ知らず。今の「小説賞・新人賞」はひとつの小説投稿サイトに限っても複数展開されており、まったく開かれていない期間はまずありません。
だから、狙いの「小説賞・新人賞」の締切に間に合わないのなら、別の「小説賞・新人賞」の規定に適っていればそこに投稿するのがよいですね。
もちろんあなたがどの「小説賞・新人賞」からデビューしたいかで決めてかまいません。
『カクヨム』の「カクコン」を獲ってKADOKAWAのレーベルからデビューしたい。そう思ったら、毎年開催される「カクコン」にだけ作品を応募しましょう。
もし一年に一度の開催であれば、可能なかぎり多数の作品を応募してください。
そこからしかデビューしたくないのなら、その出版社レーベル開催の「小説賞・新人賞」を獲るしかないのです。それだけに絞って、一年間長編小説を書きためられるだけ書きためましょう。
五作でも六作でも。応募できる弾数が多いほど、どれかひとつで大賞を獲る可能性は高まります。
変化球を投げる
「小説賞・新人賞」へ応募する「王道の物語」が締切に間に合わなかったら。
「王道」を速やかに書き終えて、次は「変化球」に取り組んでください。
たとえば「剣と魔法のファンタジー」で勝負したいのに締切に間に合わなかった。次回に持ち越すとして、別途「変化球」に取り組むのです。
「推理」でも「日常」でも「歴史」でもかまいません。
とにかくその「小説賞・新人賞」では応募者が少ないだろうジャンルや物語を、次回の応募に混ぜるのです。
書き手のあらゆる面をアピールするには、「剣と魔法のファンタジー」だけを十作応募するよりも、その中に「推理」「日常」「歴史」などを混ぜましょう。
単純に受賞率を上げられますが、効果はそれ以外にも及びます。
いつもとは異なるジャンルを書いていると、得意ジャンルにも必ずよい影響が波及するのです。
なにより「頭をリセットできる」点は見逃せません。
「剣と魔法のファンタジー」ばかり考えているとどの作品も同じような物語になりかねません。
そこでいったん「変化球」を混ぜてみる。するとその次が「剣と魔法のファンタジー」でも前作とは異なる物語に仕上がりやすいのです。
取り組んだ「変化球」が頭を柔らかくしてくれます。
「小説賞・新人賞」で最も気をつけなければならないのが「思考の硬直化」です。
十作応募したとしても、そのすべてが同じような物語であれば、どれも合格ラインに達しない可能性があります。
そこで「変化球」の出番です。一球投げて頭をリセットし、再び「剣と魔法のファンタジー」の「企画書」「あらすじ」を書いてみると、以前では思いもつかなかったようなアイデアが湧いてきます。
だから、もし狙いの「小説賞・新人賞」の締切に間に合わないのであれば、次回に先送りして、「変化球」に取り組んでください。
もし仕事や学業の片手間で応募作を書いているのであれば、今回間に合わなかった作品と「変化球」のふたつで次回に挑みましょう。
そうすれば、仮に次回落選してもその次に書くのは「王道」ですから、また受賞の芽も出てきます。
「自分にはど真ん中のストレートしか投げられない」と考えているのであれば致し方ありません。
しかし可能なかぎり多様な物語を書けると「小説賞・新人賞」にも有利に働きます。
投げ出さないで完成させる
たとえ狙っていた「小説賞・新人賞」の締切を逃してしまっても、絶対に投げ出さないできちんと完成させてください。
作品を完成させなければ、小説を書く経験値がたまらないからです。
皆様もおわかりなように、経験値がたまるからレベルアップできます。
経験値もなしにレベルアップするチートな手段はありません。
たとえあなたが書いている「異世界ファンタジー」で主人公がチートで、いかなる努力もせずにレベルアップしていくとしても。あなたは主人公ではないのです。
あなたは人生の主人公ではあります。しかしそれは「努力もなしに勝ち残れる主人公ではない」のです。
泥臭く地道な努力の繰り返しの果てに成功を収める。努力だけが結果を引き寄せるような物語の主人公。それがあなたです。
もちろんまぐれ当たりで、先頭打者初球ホームランを打てるかもしれません。
しかしそれはあなたの実力ではなく、たまたま、運がよかっただけなのです。
多くの書き手は、いくら書いても落選を繰り返します。
それに萎縮して応募作を完成させず、次回の「小説賞・新人賞」へ挑もうなんて「絵に描いた餅」でしかない。
だからこそ一度書き始めたのなら、目標とする「小説賞・新人賞」の締切に間に合わなかったとしても、最後まで書き上げてください。
一作一作きちんと完成させてこそ、次の「小説賞・新人賞」へ応募できる作品が仕上がるのです。
最後に
今回は「締切でも応募作が完成しなかったら」にお答え致しました。
応募したかった「小説賞・新人賞」の締切に間に合わなかった。
そこで腐らず最後までしっかり完成させましょう。さらに次の開催までに新作を書けばよいのです。
またここからデビューしたい「小説賞・新人賞」のこだわりがないのでしたら、直近で開催されて募集要項を満たしていれば「小説賞・新人賞」への応募も検討しましょう。
もしこだわりがあるのなら、弾数は多いほうが有利です。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」かもしれません。仮に当たらなくても、それだけの長編小説を書き上げた実績が、あなたの作品をよりよくしてくれますよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます