945.鳳雛篇:反省会で失敗の原因を洗い出す
今回は「反省会」についてです。
945回目にして初めて書くことに、我ながら驚愕しております。
ある程度文章を書いてきた方は、推敲もじゅうぶんに行なってきたはずです。
しかし「小説賞・新人賞」へ応募した後に「反省会」をしている方は少ないと思います。
「反省会」をするかしないかで、その後の伸びが大幅に違ってくるのです。
反省会で失敗の原因を洗い出す
現在本コラムを『カクヨム』様へ順次掲載しています。
その過程でわかったのですが、これまで「反省会」について一度も書いていませんでした。
私は投稿が終わって反響を見たら、すぐに「反省会」をします。
よい文章がすらすらと書けるようになるには、今回駄目だった点を洗い出して同じ
失敗から得るものがないと、人は成長できません。
なぜ閲覧数が少ないのか
まず考えたいのが「なぜ閲覧数(PV)が少ないのか」についてです。
「タイトル」、「キーワード」「タグ」、「あらすじ」「キャプション」の段階で失敗している可能性があります。
最初に検討しなければならないのが「キーワード」「タグ」です。
小説投稿サイトは「小説賞・新人賞」応募作を読むために利用する方が多くいます。
読む作品を選ぶために、「小説賞・新人賞」応募「キーワード」「タグ」を用いて検索をかけるのです。
だから「小説賞・新人賞」応募作でなければ、そもそも読み手に見つかりません。
では「小説賞・新人賞」応募作でない作品でもトップランカーの小説がある説明がつかない、とお思いですよね。
その多くが、過去に「小説賞・新人賞」で入選したか、読み手のウケがよかった書き手によるものです。
つまりその一作だけを見れば「小説賞・新人賞」応募作ではないが、過去にじゅうぶんな実績を残している「ネームバリュー」のある書き手が書いています。
「小説賞・新人賞」応募作でないのに人気があると勘違いしているうちは、閲覧数は増えません。
それでも多くの方に読まれたい、閲覧数(PV)を高めたいとお思いなら、今人気のある「キーワード」「タグ」を用いた作品を書いてください。
需要が高い「キーワード」「タグ」であれば、今よりも閲覧数(PV)を増やせます。
需要のない「キーワード」「タグ」で小説を書いても、読まれるはずがないのです。せいぜい「新着一覧」で惹かれた作品をチェックしている「まめ」な読み手にしか読まれません。投稿時間近辺で「まめ」人は、数人しかいませんよ。だから閲覧数(PV)も一回で一桁にとどまってしまうのです。
開催中の「小説賞・新人賞」応募作で専用「キーワード」「タグ」を用いているのに閲覧数(PV)の少ない作品もあります。
これは「タイトル」と「あらすじ」「キャプション」の双方に問題があるのです。「タイトル」が先でも「あらすじ」「キャプション」が先でもありません。双方同時にチェックされます。
「タイトル」には書き手のセンスが表れるのです。気の利いた「タイトル」を付けていれば、読もうかなと思う読み手の潜在数は増えます。平凡な「タイトル」、つまらなそうな「タイトル」では読もうとする気が薄れてしまうのです。
だから「タイトル」はあなたのセンスをフル動員して名付けなければなりません。
もし「タイトル」で「失敗したな」と思ったら、ためらわずに改題してください。
それだけで読まれやすさは格段に高まるはずです。
「あらすじ」「キャプション」は読み手の気分を煽らなければなりません。ここで読もうとする意欲を高めなければ、いくらよい「タイトル」を付けても結局は閲覧してもらえないのです。
読み手の気分を煽る「あらすじ」「キャプション」は一朝一夕には身につきません。
現在トップランカーの「あらすじ」「キャプション」だけを読みまくってください。
主人公の職業・性格や置かれている状況や環境。なにに対して立ち向かっていくのか。それがどれほど困難なのか。
そういった要素を見つけ出して、「どんな煽り方が効果的なのか」を学びましょう。
「タイトル」に関しては書き手のセンス次第ですが、「あらすじ」「キャプション」に関しては経験が物を言います。
本文の反省点を見つけ出す眼力を養う
「小説賞・新人賞」に応募した後に、その作品の文章を読み返して反省する点があるかどうかを探し出してください。
まずは「構成」「展開」です。
もし強引すぎる「展開」をしていたら、「ここにはもう一章やもう一場面置いて、前後のつながりを滑らかにすればよかったな」と判断します。
遅滞している「展開」を見つけたら、「この章や場面は蛇足だった。思い切って省いたら、もっとスムーズに物語が流れていたな」と考えられるのです。
「構成」「展開」を反省したら、個々の文章を見ていきます。
助詞の重複がないか、「てにをは」は適正に用いられているか、重ね言葉はないか、一読して文意が伝わっているか、比喩が紋切型でない表現にしているか、誤字・脱字・余字はないか。
いずれも推敲の基礎ですが、ならばこそ疎かにできません。
上記の誤用があれば、それは推敲漏れがあったのです。
次回からはもっと丁寧に、漏れのない推敲を心がけましょう。
とくに前回漏れていた事柄を意識して推敲すれば、精度は高まります。
個々の文章の見直しが終わったら、もう一度引いて全体を見てください。
全体の流れはどうするべきだったのか。個々の文章はどのように機能しているのか。
それを意識して再読するのです。
まだ引っかかる要素があるようなら、それを洗い出してください。
すんなりと受け入れられるような作品に仕上がったことを確認したら、今回の反省会は終了です。
次回の執筆は今回の反省を踏まえて
反省会には、読み手からの感想やコメントも材料となります。
それらも含めて、今回の反省を踏まえた執筆をしていくようにしてください。
一話書いて、どんどん文章の質が高まる書き手と、なんら変わらないか慢心して質が低まる書き手がいます。
どちらがより読み手を確保できるかは言わずもがなでしょう。
そのためにも、今回の投稿ぶんは必ず反省会を開いて「あれはそう」「これはこう」と問題点を洗い出します。
日本語は日々新たな表現が生み出されて進化しています。
書いた時点では問題がなかったものでも、反省会を開く段階で陳腐化していることが多いのです。
だからこそ、日々反省して新しい発見をしなければなりません。
漫然と書いていては評価は落ちていく一方です。
最後に
今回は「反省会で失敗の原因を洗い出す」ことについて述べました。
作品を書いて投稿したら、必ず反省会を開きましょう。
書きっぱなしは厳禁です。
「小説賞・新人賞」を狙いたいなら、日々精進しなければなりません。
古代中国・殷の湯王は、たらいに「まこと日に新たに、日々新たに、また日新たなり」という名辞を刻んで毎朝自戒したと言います。
「昨日より今日の行ないは新しくよくなり、明日の行ないは今日よりも新しくよくなるように修養に心がけなければならない」という意味です。
毎日を新鮮に迎えて新たな気持ちで過ごすことがいかに難しいかがわかります。
だからこそ「昨日の反省」は必須なのです。
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