894,惹起篇:読み手を惹きつける
今回は「読み手を惹きつける」ために「冒頭百文字」にこだわることについてです。
あなたの作品が多くの読み手を惹きつけるためには、タイトル、キャッチコピー、あらすじなどで読み手を煽りましょう。
うまくクリック(タップ)してもらえたら、そこから本文の「冒頭百文字」で読み手をつかまえるのです。
読み手を惹きつける
小説投稿サイトであなたの小説が読み手に選ばれるには、「ツカミ」がたいせつです。
具体的には冒頭「百文字」で読み手の心をつかまなければなりません。
タイトルやキャッチコピーで読み手の視線を誘き寄せて、あらすじやキャプションでとりあえずクリック(タップ)してもらう。そして表示される本文の「冒頭百文字」で読み手をつかむのです。
冒頭百文字で読み手の心をつかむ
これができたら誰も苦労しないのですが、多くの方に読まれる小説は明らかに「冒頭百文字で読み手の心をつかん」でいます。
どこを指しての「冒頭百文字」かは数段階あります。
タイトルの百文字
まずタイトルの百文字です。さすがにタイトルを百文字フルに使って書く人はまずいないでしょうが、書けてしまう小説投稿サイトもありますので、言及しました。
『カクヨム』ではタイトルよりも大きくてカラフルで目立つ「キャッチコピー」をつけられますから、こちらもタイトルのアピールポイントに入りますね。
タイトルに凝りだしたのは『小説家になろう』発祥でしょう。『小説家になろう』では、タイトルが本文の設定内容を正確に表現していることが求められました。
俗に「なろう小説」と呼ばれる『小説家になろう』特有のタイトルの付け方があります。
これはタイトルに主人公の境遇や物語の展開をそのまま書いてしまうものです。
長所は「本文を読む前にどんな物語なのかがわかるため、吟味にかかる時間を削減できる」点にあります。
『小説家になろう』は一時間に千件以上の投稿がありますから、吟味に時間がかかると見逃してしまう作品が増えてしまうのです。
だから必然的に「タイトルに主人公の境遇や物語の展開をそのまま書いた」ものが好まれるようになりました。
その余波が『エブリスタ』や『カクヨム』にも及んでいます。ですが『カクヨム』の場合「キャッチコピー」のほうがインパクトが高いので、タイトルを凝らなくてもクリック(タップ)される確率は高いのです。だから『カクヨム』では「キャッチコピー」に凝りましょう。
「なろう小説」のタイトル命名法は『小説家になろう』内でだけ通用する「文化」だと思ってください。
他の小説投稿サイトではこの「なろう小説」に否定的な読み手が多いのです。
そもそも最大手の『小説家になろう』ではない小説投稿サイトを利用している読み手は、「なろう小説」を嫌って退避してきた方が多い。退避先でも「なろう小説」を見せられるのは勘弁してほしいのです。
だから『小説家になろう』との
第一印象を悪くして閲覧数(PV)を稼げないのでは本末転倒ですからね。
あらすじの百文字で煽る
次に「あらすじ」「キャプション」の百文字です。検索結果で一覧が出るとき、「あらすじ」「キャプション」の最初の百文字前後が表示される小説投稿サイトは多い。ですので、ここも工夫する必要があります。
いずれの百文字も重要なのですが、とくに重要なのはこの「あらすじ」「キャプション」の百文字です。
「タイトル」や「キャッチコピー」でうまく読み手を釣れたのに、「あらすじ」「キャプション」で読み手の期待値を高められなければ、そもそも本文が読まれないという事態に陥ります。
「なろう小説」ではタイトルに入れていた「主人公の境遇や物語の展開」は他の小説投稿サイトなら「あらすじ」「キャプション」に書きましょう。
検索結果では「タイトル」と「キャッチコピー」、「あらすじ」「キャプション」が表示されますから、結果的に「なろう小説」の「タイトル」と同じものを見られるわけです。それなら、わざわざ「なろう小説」のタイトル命名法を用いる必要はありません。
前述しましたが「なろう小説」のタイトル命名法を嫌う読み手が多いことを認識してください。
なんのために「あらすじ」「キャプション」があるのかを再確認しましょう。「主人公の境遇や物語の展開」の他に「世界観」を盛り込むことができますし、バトル小説なのか恋愛小説なのかも書き分けられます。
「あらすじ」「キャプション」で代替できることは、「あらすじ」「キャプション」を活かしましょう。「なろう小説」のタイトル命名法に囚われていては、大魚を逃すかもしれませんよ。
本文の冒頭百文字でつかまえる
そしていよいよ本文の百文字です。
検索結果をすべて読ませて、読み手にうまくクリック(タップ)されれば、次に求められるのは「本文の冒頭百文字」の出来になります。
百文字でいかに読み手を主人公に感情移入させ、物語世界を通じて「この作品は面白そうだ」と思ってもらわなければならないのです。
そのためにキャッチーな発言や予想外の行動などを読み手の目に触れさせましょう。
それ以降は普通に書いてかまいません。
キャッチーに書くのが初めのうちは難しいんですけどね。
小説を書き始めたばかりの方は、「冒頭百文字」をあまり意識しないでください。
キャッチーな「書き出し」が書けない、という理由だけで一文字も書けなくなる可能性が高いからです。
小説投稿サイトはいつでも修正可能ですから、どうしても閲覧数(PV)が低いままの作品は、あとから「タイトル」や「キャッチコピー」、「あらすじ」「キャプション」、「書き出し」を書き直してもかまいません。
とくに駆け出しの頃は、それほど厳密に「一度投稿したら修正できない」と規則でがんじがらめにしなくてもよいのです。
そもそも閲覧数(PV)が少ないのですから、あれこれ変えてもほとんどの方は影響を受けません。
初めのうちは試行錯誤して、どのようなものがウケるのか、を調べるつもりで投稿した作品を手直ししてみましょう。
ピクシブ文芸は簡単には直せない
なお『ピクシブ文芸』は一度投稿してしまうと、簡単には手直しできません。とくに表紙絵の手直しをするためには『pixiv』のプレミアム会員でなければならないのです。また母体のイラスト投稿SNS『pixiv』が二次創作イラストであふれているため、『pixiv小説』の二次創作のほうが一次創作の『ピクシブ文芸』のざっと百倍人気があります。それほど過疎が著しいのです。「ピクシブ文芸大賞」以外に主要な「小説賞・新人賞」も開催した経験もありませんし、その「ピクシブ文芸大賞」すら一回しか開かれていません。
残念な現実ですが、現状『ピクシブ文芸』にメリットはないのです。
それでも『ピクシブ文芸』を利用される方は、他の小説投稿サイトとの
最後に
今回は「読み手を惹きつける」ことについて述べました。
「タイトル」と「キャッチコピー」で読み手を誘き寄せて、「あらすじ」「キャプション」でクリック(タップ)してもらうのです。そして表示される本文の「冒頭百文字」で読み手の心を捕まえなければなりません。
しかし、小説を書き始めたばかりの頃は、そこまで気を回さなくてもよいのです。
気にすると「書き出し」がまったく書けなくなってしまいます。
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