861.創作篇:『秋暁の霧、地を治む』王国側キャラ紹介3

 現在構想中の連載小説『秋暁の霧、地を治む』のレイティス王国側キャラ紹介その3です。

 その1、その2で出てこなかった将軍たちです。

 悪いやつ、嫌なやつが多いのが特徴です。





『秋暁の霧、地を治む』王国側キャラ紹介3


 今回も『秋暁の霧、地を治む』のキャラ紹介です。

 反カートリンクと、中立、親カートリンクの立場の将軍たちです。




【アマム】

 六十五歳

来歴

 レイティス王国将軍

 レイティス王国軍務長官

 レイティス王国将軍

身体的特徴

 180cm、140kg

 金髪のカツラ、茶色の瞳

 醜く肥え太り、肉まんじゅうのような見た目のため、帝国軍からは〈肉まんじゅう〉と呼ばれる

精神的特徴

 ひじょうに利己的で権力欲が強い王国将軍。配下に取り巻きを揃え、他の将軍たちに賄賂を贈って派閥を広げていた。宿将カートリンクとの仲は悪く、カートリンク派の人材を軽視する傾向がある。しかしエビーナ大将との「テルミナ平原の戦い」において後詰めのカートリンク派タリエリ部隊の活躍により激戦の中なんとか生還を果たした。それでもタリエリ将軍を評価せず彼の部下だったミゲル中隊長、ガリウス中隊長の将軍昇格を阻止しようと躍起になった。しかし「テルミナ平原の戦い」における両名の活躍は誰もが知るところであり、敗戦の責任をとって軍務長官を退かされたこと、アマム派の将軍がほぼ戦死したことで、不満を漏らしつつもミゲルとガリウスの昇進を阻止することは叶わなかった。

 己の軍才を過剰に見積もっており、戦争の勝利はすべて自分の指揮によるものだと考えている。アマム派の将軍や中隊長たちが活躍しても、その手柄を奪い続け、ついには軍務長官まで上り詰めることとなった。それが王国軍にとってよいことだったのか悪いことだったのかは歴史の知るところである。もしアマムが妬まずに手下の中隊長を将軍へ昇格させていれば、ミゲルとガリウスが将軍へ昇格することを阻止できたかもしれない。

 クレイド大将とカートリンク軍務長官との「テルミナ平原の戦い」において、先鋒四将軍のひとりとなった。クレイドの半包囲殲滅作戦に乗せられて、前線にひしめく四将軍の部隊によって身動きがとれなくなり、部隊を激しく打ち減らされながら名の知らぬ帝国兵により討ち取られる。

用兵の特徴

 数をたのんで正面から戦う用兵を見せる。そのため帝国軍との戦いでしばしば部隊を大きく損ねるが、得意の政治力で追及の手をかわして責任はとらなかった。王国軍の将軍の多くは数をたのんでの正面決戦を好んでおり、それ自体は非難に値しない。しかし兵を大きく損ねたのに責任をとらなかったのはアマムただひとりであり、その点がカートリンク派の人たちから軽侮の眼差しを向けられることとなった。

 エビーナ大将とアマム軍務長官の「テルミナ平原の戦い」において、兵数を揃えるためにカートリンク派のタリエリ将軍を引き連れたが、戦果を奪われたくないとの狭量さから後詰めに置いた。そのため帝国軍を一方的に屠っていたときに一度戦場を離脱して側背から突撃してきたクレイド騎馬中隊により、両軍が凄絶な共倒れになったところを後詰めのタリエリ将軍が体を張ってアマムを守護し、結果生き存えたもののミゲル中隊とガリウス中隊の活躍が際立つこととなった。

 クレイド大将とカートリンク軍務長官との「テルミナ平原の戦い」において、カートリンクに奪われた軍務長官職に返り咲きたいと軍功を焦り、クレイドの罠を見抜けずまんまと半包囲下に押し込められて、進むことも退くこともできずに帝国軍に討ち取られた。





【タルカス】

 享年六十歳。

来歴

 レイティス王国将軍

 レイティス王国軍務長官

 レイティス王国軍務長官補佐

 レイティス王国将軍

 レイティス王国軍務長官

身体的特徴

 白髪まじりのグレーに碧の瞳。

 172cm、70kg

精神的特徴

 四十五歳で将軍になると、カートリンク軍務長官の命令を無視して独断専行で軍功を重ねる。カートリンクが軍規に照らして処罰しようとすると反カートリンク派の将軍や中隊長たちがかばうため、「反カートリンクの象徴」となった。

 十七年前にカートリンクがガリウスとミゲルの養育に専念するため軍務長官職を辞すると、代わりにタルカスが軍務長官となる。しかし軍の最高位として戦場で指揮をするとその手腕は下手を打ちすぎた。異民族との和議を破棄して攻め入ったり、野獣の群れにすら多大な損害を出したり、帝国軍との戦いでは大敗を喫したり。「反カートリンクの象徴」であるタルカスが失脚すると困る者たちが多かったため、軍務長官補佐の立場に自ら降格して以来軍務長官を傀儡として扱い、敗戦の責任を軍務長官にとらせて自らは安全な立場を確保した。(以後の軍務長官はユージン、クチュー、フォーエン、バッカス、コルタナ、ハバフの順)。

 しかし十年前にカートリンクがガリウス、ミゲルの養育を終えて現場復帰した際、ランドル王はカートリンクを軍務長官に据え、カートリンクはタルカスの職は無責任の極みと断じて軍務長官補佐の地位を廃止し、タルカスは一将軍に戻った。

 その二年後、カートリンクが結果を残せなかったと主張して軍務長官職を追放する活動を行なって自らが軍務長官となり、即位したばかりのボッサム帝国皇帝レブニスに大勝して勇を誇った。しかし翌年タルカス自身が「惰弱王」とあだ名したレブニス帝が率いる帝国軍に大敗して自らも命を落とす。

用兵の特徴

 軍事の才能は無いものの、カートリンクに対して反感を隠さなかったため「反カートリンクの象徴」として持ち上げられ、次第に地位を高めて十七年前にカートリンクが養育のため軍務長官職を辞したのを期に軍務長官となる。政略に疎く、味方をしている異民族を攻撃して離反させたり、野獣の群れにすら敗北。さらに帝国軍と戦って大敗し我先にと逃げ出した責任をとり軍務長官職を解任されると危惧した反カートリンク派は、タルカスを軍務長官補佐に据えて軍を統率してもらった。しかしタルカスの用兵はただの数だのみであり、軍の陣形も方陣しか知らなかった。そのため帝国軍が斜線陣をとってきても対処できず、以後帝国軍に大敗を続けることとなった。しかしタルカス自身は責任を負わず、軍務長官を切り捨てることで軍務長官補佐の職から退くことがなかった。

 十年前にカートリンクが軍務長官に復帰すると補佐職は廃止されて一将軍へ格下げされる。その二年後帝国皇帝フロウが死去し、病弱な皇太子レブニスが即位すると、二年間カートリンクが勝利していないと非を鳴らして排除し、再びタルカスが軍務長官となった。レブニス帝とタルカス軍務長官の「テルミナ平原の戦い」では大勝利を収め、軍務長官職の地位を確たるものとした。この際レブニス帝を「惰弱帝」と名づけた。

 翌年「惰弱帝」とタルカス軍務長官の第二次「テルミナ平原の戦い」に臨むと、帝国軍のクレイド什長が傑出した戦果を挙げ、その槍をもってタルカス軍務長官の首を刎ねた。

「反カートリンクの象徴」を失った反カートリンク派は、復職するカートリンクを阻止できなかった。

 のちにアマム将軍が政治力を発揮して「反カートリンク派の筆頭」となり、タルカスの遺志を引き継ぐこととなった。





【アダマス】

 五十五歳

来歴

 レイティス王国将軍

身体的特徴

 白毛の混じった黒い角刈りに黒い瞳

 180cm、90kgの屈強で筋肉質

精神的特徴

 活力は王国軍随一であり、槍技は帝国のクレイドに匹敵する。政略には疎く、あくまでも戦場の人である。

 出陣すれば帝国軍大隊長をひとり討ち取ってきたため、タルカス軍務長官に見出だされて役職を上げていく。

 そのため反カートリンク派の将軍であり、タルカスが王国軍を実質支配していた十二年前に四十三歳で将軍へと昇格する。

 タルカス軍務長官がクレイドの槍の露と消えた際に、クレイドと一騎討ちを演じ、その槍技を遺憾なく披露した。

 しかし敗軍の将であり、次期軍務長官はカートリンクが受け持つこととなる。

 その後反カートリンク派の将軍と連帯して戦場で一時的な手抜きを決め込むなどしてカートリンクに軍功を立てさせず解任へ追い込み、アマム将軍を担いで軍務長官とした。

 エビーナ大将とアマム軍務長官の「テルミナ平原の戦い」には娘が出産することを理由に参加せず、敗死を免れた。

 しかしクレイド大将とカートリンク軍務長官の「テルミナ平原の戦い」においてアマム将軍とともに先鋒四将に名を連ね、クレイドの半包囲戦術によって行き場を失い、麾下の兵士たちが次々と討ち取られ孤軍奮闘するも帝国軍重装歩兵の長槍隊によって討ち取られる。

用兵の特徴

 個人の戦闘力がきわめて高いため、よく単身で敵陣に飛び込む無茶をする。しかしその意気を感じたタルカス軍務長官に見出だされて十二年前に将軍に列した。

 戦場でつねに一騎討ちを申し出ては帝国軍に拒まれるほどの武勇を挙げ、帝国軍からも一目置かれた存在であった。

 恩人であるタルカス軍務長官がクレイドに討ち取られると、すぐさま一騎討ちに名乗りを上げて互角の戦いを繰り広げた。双方一歩も引かぬ勇戦を繰り広げたが、王国軍の退却が開始されると名残惜しそうに自らも帰国の途に着いた。

 反カートリンク派としてアマム将軍を軍務長官へ推挙したものの、娘の出産を理由にエビーナ大将とアマム軍務長官の「テルミナ平原の戦い」には参加していない。

 続くクレイド大将とカートリンク軍務長官との「テルミナ平原の戦い」では反カートリンク派としてアマム将軍とともに先鋒に名乗りを上げ、結果としてクレイドの半包囲戦法の餌食となり、率いる兵が次々と倒される中ひとりで奮闘するものの帝国軍前衛の重装歩兵長槍隊によって討ち取られた。





【タクラム】

 六十二歳

身体的特徴

 薄茶色の長髪と瞳をしている

 宝石を散りばめた指輪を両の五指にハメている、

精神的特徴

 カートリンク派でも反カートリンク派でもない数少ない将軍だが、アマム将軍のことは嫌っており、エビーナ大将とアマム軍務長官との「テルミナ平原の戦い」には参加していない。彼が参加していればタリエリ将軍が参戦することはなかった。

 クレイド大将とカートリンク軍務長官との「テルミナ平原の戦い」において、アマム将軍、アダマス将軍とともに軍功を競って先鋒四将に名を連ね、クレイドの半包囲戦法の餌食となった。詳しい死に方は記録されていないが、ミゲルとガリウスの指揮により王国軍が撤退する際に亡骸を見つけられ、ともに王都へ帰還した。帝国軍の仕業か王国軍の仕業かはわからないが、指輪をハメていたはずの両の五指はすべて切り落とされていたという。

用兵の特徴

 派閥には属さないが、軍功をあげたいという意志が人一倍強い。軍功第一であれば彼の大好きな宝飾品を賜われるからである。アマム将軍は宝飾品を賄賂として「アマム派」に加わるよう図ったが、ランドル王から下賜された宝飾品だけが彼の美学を満足させる。よってアマム派に加わることはなかった。戦場においても十指に宝石を散りばめた指輪をはめている。

 そのためか、戦争では後方に待機するなど我慢がならない。しかも利に聡く、帝国軍大隊長を倒すことに逸る傾向が見られる。





【ソフォス】

 四十八歳

来歴

 レイティス王国将軍

身体的特徴

 禿頭にブラウンの瞳

 190cm、100kg

精神的特徴

 カートリンク派でも反カートリンク派でもない数少ない将軍のひとり。

 精力がみなぎっており、配下の兵はつねに戦意を高く保っている。最前線に立って味方を指揮し、敵軍のスキを見出だすことに長けている。

 アダマス同様、己の武勇に自信を持ち、兵たちの戦意も高いことから強襲作戦の尖兵によく用いられた。しかし大局観はなく、自らの眼前にいる敵を疑いもなく攻撃し、手痛い反撃を食らうこともあった。そのため予備兵力として好機を見て軍務長官が戦場に投入する切り札として働いた。数多くの武勲を立てたが、敵の擬態を見破れず裏をかかれたことも数知れない。派閥に属していないがゆえに、アマムが軍務長官の際は手柄をとられるのが嫌でサボタージュを決め込むこともある。カートリンクの老練な才幹に憧れてはいるが、自身は武将であり知将としては足りていないことを自覚しているがゆえに、カートリンクに一目置くものの嫉妬心も抱いている。

 クレイド大将とカートリンク軍務長官の「テルミナ平原の戦い」において先鋒四将に名を連ね、アダマスとともに正面の帝国軍重装歩兵を排除しにかかったところでクレイドによる半包囲圧迫が完成して部隊の身動きがとれなくなり、活路を正面の手薄い帝国軍重装歩兵大隊に定める。突破を果たせばクレイド大将と直接対決が叶い、一騎討ちに持ち込んで劣勢を一発逆転できると考えたのだ。持てる戦力をすべて正面に注ぎ込み、帝国軍重装歩兵大隊に出血を強いたが一点突破は叶わず、最期は包囲されて抵抗するも虚しく討ち死にした。

用兵の特徴

 個人の武勇をたのみ、部下にも高い戦意を求めた。槍技ではアダマスに劣るものの剣技では上を行っており、模擬戦での一騎討ちにおいては両雄がしのぎを削る「見せ場」を演じていた。

 一点突破を果たして敵将を討ち取ろうとする強引なところがあり、しかも周囲が見えていないため、よく敵将の手玉にとられた。

 この戦術自体はミゲルが引き継いだ形になっている。しかしミゲルがソフォスと決定的に異なるのは、一点突破を為す人物が将軍本人か、“無敵”のナラージャかという違いがある。ソフォスは自身が先陣を切るため、どうしても周囲の変化に気づけないのである。対してミゲルは戦局を全般に見渡して戦況が変わった際にナラージャへ撤退の指示が出せるため、ソフォスの用兵とは一線を画している。





【イングス】

 四十六歳

来歴

 レイティス王国将軍

肉体的特徴

 文学者肌でか細い印象を受ける。金髪碧眼。

 174cm、65kg

精神的特徴

 レイティス王国では数少ないカートリンク派の人物で、軍隊の運用理論に精通しており、前線に立つことは少ない。後方から戦局を見渡し、好機をとらえて一気呵成に攻め込んで勝利を手繰り寄せる。また敵軍の充実度を遠目でも判断できるため、戦わずして退くことを軍務長官に進言することも多かった。

 戦場へも書物を持ち込んで暇が出来れば読書に励み、また戦争から帰還すれば今回の戦いに関する論評を書くことで知られる。そこらの軍官吏よりも的確な論評であるため、軍務長官付軍官吏から忌避されている。

 また平時は過去の戦いを研究しており、戦時はトロミノとともにカートリンクの参謀としての役割も兼ねている。進むべき時に進み、退くべき時に退く名将でもある。

 クレイド大将とカートリンク軍務長官との「テルミナ平原の戦い」において、先鋒四将の後ろに構えてその後ろにいるカートリンク軍との結節点となる。しかしクレイドの半包囲圧迫によって帝国騎馬中隊から側面へ苛烈な突き上げを喰らい、進むも退くもできない状況に追い込まれる。

 先鋒四将の残存兵をカートリンクの控える後方へ逃がそうと、圧迫してくる側面の騎馬中隊に攻撃を集中させる。しかし主力が正面を向いていたため隊列の不利もあり、士気の旺盛なクレイド軍には抗し得ず、帝国騎馬中隊によって討ち取られた。

用兵の特徴

 作戦の立案も遂行も慎重を期し、ひとたび戦いに挑むと当初の計算どおりに兵を動かして勝利をかちえる、いわば机上の人である。しかし宿将カートリンクから用兵の柔軟さを教わり、以後机上の計算を外れた用兵の片鱗を見せ、大化けする可能性を秘めていた。トロミノとともに「次代の軍務長官」と目されており、アマム将軍一派がほぼ一掃されたことで、カートリンクの次の軍務長官として名を連ねていた。その矢先でのクレイド大将とカートリンク軍務長官との「テルミナ平原の戦い」であった。

 兵士の生命に対する意識の高さはカートリンク派共通の特徴であり、「テルミナ平原の戦い」においても劣勢を瞬時に判断すると、先鋒四将の残存兵を後方から逃がそうと奔走した。名将であることは疑いようがない。





【トロミノ】

 四十八歳

来歴

 レイティス王国将軍

肉体的特徴

 赤褐色の髪と瞳

 160cm、54kg

精神的特徴

 手堅い用兵手腕を有し、つねに冷静に戦況を判断して手柄を挙げてきた。

 宿将カートリンクを慕っており、タリエリ、イングスと並ぶ数少ないカートリンク派の将軍。

 手柄を競おうとはせず、必要なときに必要な物量の兵力を投入する大局観を持ち、カートリンクの参謀としても活躍した。

 クレイド大将とカートリンク軍務長官の「テルミナ平原の戦い」においては新しく将軍となったミゲルとガリウスがカートリンクの参謀を務め、トロミノは先鋒四将とカートリンクをつなぐ結節点に布陣し、麾下の兵力を運用することに専念できた。

 しかしクレイドの半包囲圧迫戦術を見抜けず、側面から帝国軍騎馬中隊の強烈な圧迫を受ける。

 王国軍が大敗することをいち早く察知し、先鋒四軍の将兵を後方へと逃がそうとイングスとともに尽力するも、クレイド軍の攻撃は苛烈を極め、麾下の兵を後退させようと動いたスキを突かれて、穴の空いた隊列に帝国軍騎馬中隊の侵入を許してトロミノは討ち取られてしまう。

 トロミノを失った兵たちは壊乱して戦場を離脱しようとカートリンクたちのいる後衛に向かって殺到する。カートリンクはすでにミゲルとガリウスの策を採用して退却の道を開けていたため、これによってわずかながらも王国軍は貴重な兵員の全滅だけは避けられた。

用兵の特徴

 その用兵は堅実を旨とし、冒険的な戦術を立てることはなかった。そのためカートリンクの参謀を務めた際には、歴代の中でも一際すぐれた参謀として名を馳せた。

 実際に兵を指揮させても、敵がわざと見せるスキを看破し、逆にそこから勝機を見出だす慧眼を見せる。

 武断の人ではないため兵は勇敢さに欠けるものの、ひじょうに練度の高い運用が可能である。

 兵の練度が高く、命令系統が完備されているため、一個の軍団としては他の追随を許さないほどの働きを見せる。

 カートリンクから「次代の軍務長官」と期待をかけられており、事実それだけの実績を重ねてきた。

 アマム派の将軍の多くがエビーナ大将とアマム軍務長官との「テルミナ平原の戦い」で戦死したため、王国内では「カートリンクの次はトロミノ」と評されるようになっていた。中立派の将軍からもとくに嫌われてはおらず、カートリンクの下でさまざまな計略を提案するなど目端のきく存在として一目置かれていた。

 しかしクレイド大将の繰り出した半包囲圧迫戦術を見抜けないまま開戦し、実際に圧迫を受けてからその戦術の恐ろしさを知ることとなった。

 それまでの戦いにおいて双方の軍が戦闘中に陣形を変化させた例がなかったためでもあるが、ミゲルやガリウスが感じた奇異には気づけなかった。





最後に

 今回は「『秋暁の霧、地を治む』王国側キャラ紹介3」をお送りしました。

 反カートリンクのアマムとタルカス、アダマス。中立のタクラムとソフォス。親カートリンクのイングスとトロミノ。

 それぞれにドラマがあります。

 ですが本編ではほぼ使えない設定ばかりなんですよね。でもこれだけ設定しないと連載小説は書けません。

 最低限どの派閥に属するのかわからないと、キャラを動かしようがないのです。

 次回は王族三名の紹介になります。



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