812.構成篇:佳境・対になる存在との対峙(毎日連載750日目)
今回は「
あなたがこの作品で最も読んでもらいたいエピソードが詰まっていると思います。
「対になる存在」との戦いを決着するのです。
「内面の未熟さ」を克服して過去の弱い自分を捨て新たな状態になったら、いよいよ「対になる存在」と向き合います。
「
危機感を煽る
「対になる存在」との対峙では、まず危機感を煽りましょう。
今の陣営の実力で「対になる存在」に敵うのか。自分が選んだ方向は本当に正しかったのか。不安な気持ちを煽るのです。
しかし数々のエピソードや
そのためには、まず物語開始当初の自分では成功しそうにない
すると読み手は「この
以前では到底成しえなかった
そうなると読み手はもちろん、主人公も「この
そんな状態でも「内面の未熟さ」を克服して手に入れた「真実」を頼りにして、
どんなことであれ、「新しい」ことを「初めて」用いるときには不安な気持ちがよぎります。たとえば自動車運転免許証を取得するために、自動車教習所で実車に乗ってコースを運転するときを考えてみましょう。まだの方は他の習い事でかまいません。座学でどうやって自動車を正しく運転すればいいのかを教わっていても、いざ自動車に乗って走るとなれば、内心臆病な心がもたげてきます。
「真実」を手に入れたとしても、それを使いこなす
ここで危機感を煽って、ひとつの
とてもスリリングな展開が繰り広げられます。しかしここが物語のピークではありません。ピークはあくまでも「対になる存在」との対決です。
主人公が「対になる存在」と自信を持って立ち向かえるようになるために、越えるべきハードルだと思いましょう。
この
「対になる存在」とは別に「
「
「
そして物語はいよいよ「
これまで抱えていた「内面の未熟さ」をすでに払拭して、自信を持って「対になる存在」に立ち向かうのです。
まず「対になる存在」は主人公の「内面の未熟さ」を突いてこようとします。そこが弱点であることを知っていたからです。
しかし主人公はすでに「内面の未熟さ」を克服しています。
そのことに「対になる存在」は驚き、なりふりかまわず全力で主人公をねじ伏せようとするのです。
これによって主人公は敗北の「崖っぷち」まで一気に押しやられます。これ以上押し込まれたら奈落の底へ真っ逆さま。敗北は免れません。
この「敗北の崖っぷちまで一気に押しやられる」ことで、読み手にハラハラ・ドキドキを味わってもらいます。
もしこれがなかったら、「対になる存在」はあっけなく主人公に倒されてしまい、読み手は「あ、そうですか」という感想しか抱けません。
だからこそ戦いが開始したら一気に「崖っぷち」まで押し込まれる必要があるのです。
踏み
「対になる存在」が決め技を出せないほどの勢いで一気呵成に攻め立てます。
場合によっては、それは相手の決め技に対する
そして主人公は目標を達成します。
それが完勝であっても辛勝であっても敗北であってもかまいません。「対になる存在」の状態を変えられれば、それで主人公は目標を達成できたのです。
多くの物語では味方に多くの犠牲を払って、
完勝してしまうとただの「チート」「俺TUEEE」「主人公最強」になりかねません。
敗北してしまうと「無念感」を作品に残すことになります。「エンターテインメント小説(大衆娯楽小説)」や「ライトノベル」に「無念感」は必要ないのです。まったく要らないというわけではないのですが、絶対数が少ない。私もいくつか「ライトノベル」を読んできましたが、主人公が「無念感」を抱えて終わる作品を読んだ記憶がないのです。
どんなに苦しめられても最後には自身の命と引き換えに敵を打ち破り、世界に平和を取り戻す。そして主人公の遺志はのちの人々が引き継ぎます。といった具合な作品が多かったのです。
そこに「無念感」は存在しません。主人公は命との引き換えに「最後の希望」を見出だしたのであり、「無念感」を抱いていないからです。
最後に
今回は「佳境・対になる存在との対峙」について述べました。
弱点と思われていた「内面の未熟さ」を克服してあったので、それにはたじろぎません。
そこで「対になる存在」はなりふりかまわず全力を挙げて主人公を倒しに来ます。
これにより主人公は一気に「崖っぷち」まで追い込まれるのです。しかしそこから主人公は「逆転勝利」の一手を繰り出します。
仲間が幾人か犠牲になるかもしれませんし、主人公自身が命と引き換えにするかもしれませんが、「対になる存在」は倒されるのです。「ヒロイックファンタジー」ならこんな流れがテンプレートになります。
恋愛小説であれば、主人公が想い人に捨て身の告白をして、受けてもらえる状況を想定してください。どのようにして「内面の未熟さ」を振りほどいて告白をするのか。その過程を読ませることで、読み手はワクワク・ハラハラ・ドキドキを味わえるのです。
次回はいよいよ「
今回の「
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