不調篇〜スランプに陥ったら
342.不調篇:自身の至らなさを自覚する
今回から「不調篇」の始まりです。
「小説を書きたいのに書けない」「書いていたけどスランプになった」ということは誰にでもあります。
多くの書き手はどうやって乗り越えてきたのでしょうか。
まずは「書けない」理由を探ってみましょう。
自身の至らなさを自覚する
面白いもので「小説を書いたことがない」人ほど自分の「才能に自信を持っている」ものです。
ですがいざ「小説を書こう」としても書けない人が本コラムを読んでいると思います。
自分には確かに才能がある。だからなにか突破口はないものかと、
はっきり言って「小説を書く」ことは誰にでもできます。
それなのに「書けない」人が多いのです。
なぜだと思いますか。
小説を書く気がない
プロの書き手になりたいと思って小説投稿サイトにアカウントをとりました。
ですが一本も小説を投稿していない方が圧倒的に多いのです。
多くの人は「書く時間がない」と言います。
時間について私は「スキマ時間に少しずつ書けばいい」と思っています。
書く気のある人は、どんなスキマも見逃しません。
通勤電車に乗っているときにスマートフォンへ入力することだってできるのです。
どんなに勉強や仕事がつらくても、書く気のある人はわざわざ時間を作って小説を書きます。
「小説を書けない」と思っている人の大半は「小説を書く気がない」のです。
「小説を書いてひとやま当てたいなぁ」と思っているだけで、その実まったく書く気はない。
「宝くじでひとやま当てたいなぁ」と思っているだけで、宝くじを買っていない人と同じです。
だから一行も「小説が書けない」人は「小説を書く気がない」と言い切れます。
せっかく小説投稿サイトのアカウントを取得したのです。
ショートショートでもいいので、なにかを実際に書いてみてそれを投稿してください。
そこから始めなければ「小説が書けない」状態が延々と続きます。
『小説家になろう』や『カクヨム』などでは詩やエッセイも投稿できるのです。
本コラムも『ピクシブ文芸』『小説家になろう』ではエッセイとして投稿しています。(『カクヨム』では創作論・評論での掲載です)。
コラムを始める前に数本の歌詞とショートショートと短編小説も投稿しているのです。
あなたもなにか一本書いて投稿してみましょう。
書くことがない
「小説を書く気はある」のに「書けない」のは「書くことがない」からです。
どんな小説を書けばいいのか具体的なイメージがない。
だから「書けない」のです。
それなら話は簡単。
「書きたくなるものを見つけてくる」だけです。
たとえば『小説家になろう』にはトレンドがあります。
一時期「異世界転移」「異世界転生」が大いに流行ったから単独キーワードになりました。
川原礫氏『ソードアート・オンライン』が小説賞を授かったので「VRMMO」ものが流行ったのです。
他にも「悪役令嬢」なんかが流行りましたよね。
とりあえずランキングに載っている作品を一位から順に一話だけでいいので読めるだけ読んでみてください。
そして「どんな小説が今求められているのか」を推測するのです。
そうすれば「こういう小説を書くとウケるんじゃないかな」という要素が見えてきます。
これで「書くことがない」という状態は脱せられるはずです。
あとはその方面の知識を蓄えるために取材をしたり図書館で資料に当たったりして徹底的に掘り下げてください。
至らなさを自覚するのが嫌
「小説を書く気がない」人と同じくらいいると思われる「小説が書けない」人は、「書いてみたら自分の才能の至らなさを自覚してしまった」からだと思います。
小説で一本目から傑作が書ける人などまずいません。
いたら天才ですし、そんな人はすぐにデビューしていきます。
現役のプロの書き手は天才でない方が圧倒的に多いのです。
最初に書いた小説は「才能が至らなくて当たり前」だという「常識」をまず自覚してください。
ほとんどの書き手は最初の一本で「才能の至らなさ」を痛感します。
こんな出来の小説を投稿したら、今後良い小説が書けるようになったときに読み返されたら恥ずかしくなる。だから投稿しないでおこう。
これが「小説が書けない」原因になっています。
対処法は簡単です。
「至らない」と思った部分を徹底的に書き直してください。
自分の納得が行くまで何度でも何度でも。
この一本を小説投稿サイトに投稿してもそれほど恥ずかしくないと思えるところまで、妥協できるまで書き直すのです。
この努力を乗り越えた人だけが、小説投稿サイトに作品を投稿しています。
「最初はこんなもんでいいや」「ここからどんどん質を上げていけばいいや」。そんな心意気で投稿するのです。
駄作でもいいのでとにかく「書きあげる」こと。
少なくとも「才能が至らない」から「小説が書けない」ということがなくなります。
反応が物足りなかった
小説を一本書いて小説投稿サイトに投稿してみたけど反応がなかった、または薄かったということはごく当たり前のことなのです。
あなたには書き手としての「
いかな名文といえども「ネームバリュー」がなければ誰にも読まれません。
だから最初の一本が無反応や低反応であったからといって、執筆することを投げ出さないでください。
とくに『小説家になろう』はテンプレートと同様に「ネームバリュー」が問われます。
「ネームバリュー」を高めるにはどうすればいいのか。
とにかく多くの人に読んでもらうことです。
具体的には「投稿したら必ず『Twitter』で宣伝」しましょう。
残念ながら『小説家になろう』などの小説投稿サイトには、あなたの小説の存在をアピールする場がありません。
せいぜい「多くの人が読む時間帯に合わせて作品を投稿する」ことで検索結果に残るようにすることくらいしかできないのです。
これは宣伝でもなんでもありません。
だから『Twitter』は最大の
『Facebook』でもいいのではとお思いかもしれませんが、基本的に実名登録制なので小説を書いたあなたの素性が読み手にすべてバレてしまいます。
これはあまりにも危険極まりない。
『mixi』は現在利用者が減ってきており、逆に『Instagram』が伸びています。
『Twitter』から『Instagram』に移行している人も増えてきました。
将来を見据えて『Instagram』でも宣伝するようにしましょう。
もちろん画像が必要になりますから、カメラでなにか撮影してくるかお絵描きしておくかして用意するのです。
「インスタ映え」を狙った写真を投稿してそこに小説投稿サイトのリンクを張る。
これだけでもかなりのアクセス数が期待できます。
最初から「反応が物足りない」のは至極当たり前です。
ランキングに載る書き手はそれを乗り越えてきた方たちになります。
あなたも小説の「質を高める」ことはもちろん、重点的に宣伝をしましょう。
幸い『小説家になろう』にも『ピクシブ文芸』にも『カクヨム』にも、『Twitter』への投稿ボタンが用意されています。
投稿したら必ず『Twitter』で宣伝してください。
そして写真を撮ってきて『Instagram』でも宣伝するのです。
注意点があるとすれば「連載の一話につき宣伝ツイートは一回にする」ことくらいでしょうか。
複数回宣伝ツイートすれば読み手が読んでくれるというものではありません。
かえって「同じ一話を何度も宣伝してんじゃねぇよ」と思われて、逆の意味での「ネームバリュー」がついてしまう恐れがあります。
小説投稿サイトでは多くのところで「小説賞・新人賞」が開催されています。
それに応募できる作品があれば、積極的に応募してください。
小説投稿サイトの利用者の多くが「小説賞・新人賞」への応募作に目を通しています。
それ専門で利用している方もいるくらいです。
「ネームバリュー」を高めるためには、「小説賞・新人賞」へ積極的に応募しましょう。
最後に
今回は「自身の至らなさを自覚する」ことについて述べてみました。
「小説が書けない」と思って本コラムをお読みいただいている方も多いことでしょう。
それは「小説を書く気がない」か「至らなさを自覚するのが嫌」か「反応が物足りなかった」かのいずれかです。
その事実を受け止めてください。
理由がわかったら後は対処するだけです。
「小説を書く気がない」なら詩やエッセイでもいいのです。
「書くことがない」ならトレンドを確認しましょう。
「至らなさを自覚するのが嫌」なら書いた小説を満足いくまで徹底的に書き直してください。
「反応が物足りなかった」のならSNSを利用して大々的に宣伝しましょう。
そして小説投稿サイトで応募できる小説賞や新人賞があれば、積極的に応募して名前を知ってもらうべきです。
最低でも「書きあげて投稿する」ことはしましょう。
そこからでなければ、いつまでも「小説が書ける」ようにはなりませんよ。
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