340.執筆篇:複数の執筆方法を確保する
今回は「複数の執筆方法」についてです。
いつもPCで書いていると、書けなくなるときがやってきます。
突破口を探ろうにもなかなか思い浮かぶものではありません。
ですので次篇「不調篇」の前に「PC以外で書く」ことを試してみませんか。
複数の執筆方法を確保する
皆様は普段PCを使って小説を書いていると思います。
私も小説と本コラムはPC(詳しくはMacですが)を使って書いているのでまず確実でしょう。
小説を執筆するのに最低限必要なのは「PC」「レーザープリンタ」「インターネット」だけです。
執筆用PCとレーザープリンタは安物でかまわない
このうち「PC」は安物でかまいません。
ただ最低限「縦書きでプリントできる機能」を持ったソフト(アプリ)が使えることが条件です。
普段の執筆は動作の軽い「テキストエディタ」ソフト(アプリ)の類いがオススメです。
でも推敲をするときやプロになって編集さんがついたときなどには「プリンタ」で紙に印刷する必要があります。
そのとき四六判や文庫・新書で出版するときはすべて縦書きですから、「縦書きでプリントできる機能」が不可欠になるのです。
いちばん普及しているのがMicrosoft『Word』で、次にJUST SYSTEM『一太郎』だと思います。
縦書きで確認するにはどちらかが使えればとりあえず問題はないでしょう。
「レーザープリンタ」もモノクロの安いものでかまいません。
「インクジェットプリンタ」は蛍光ペンや水滴などですぐに字が
だからプロの書き手になりたければ「レーザープリンタ」を買いましょう。
時間を空ける
ですがPCばかり使って書いていると、どうしても続きが思い浮かばなくなり「書けなくなる」ときがやってきます。
こんなとき、皆様ならどうなさいますか。
休憩してコーヒーを飲む、そこらへんをうろうろ歩く、近くのコンビニや書店に行く、シャワーを浴びて汗を流す、いっそ仮眠をとって脳をリフレッシュさせる。
やり方はいろいろですが、共通していることがあります。
「時間を空ける」ことです。
小説を書くのに詰まったとき、とりあえず他のことをして執筆の「時間を空ける」と、戻ってきたときすらすら書けることがあります。
カレーを作っていたら煮詰まってきたので少しお湯を加え、濃度を薄めてからもう一度火を入れるような感じですね。
たいていの場合「時間を空ける」ことで書けるようになります。
最強なのは「仮眠をとる」ことで「シャワーを浴びる」「コンビニや書店に行く」がそれに続きます。
では「時間を空けて」も「書けない」ときはどうすればいいのでしょうか。
それが今回の本題です。
執筆に用いるソフト以外を終了させてみる
あなたはいつもPCを使って小説を書いています。
モニターを見ながら続きを書こうとしているのですが、どうしても続きが書けなくなってしまう。
でも締め切りまで時間がないから「時間を空ける」ことができません。
どうするべきか。
PCでの執筆ではメールソフトやWebブラウザを開いた環境のまま、『Word』『一太郎』などの文書作成ソフトやテキストエディタで入力していく方が多いと思います。
一度に複数のことができるのがPCの利点ですからね。
ですがそれだと執筆だけに集中することが難しくなります。
執筆中どうしても「続きが書けない」ようなら、テキストエディタや文書作成ソフト以外のソフトをすべて終了させてください。
iTunesなどの音楽再生ソフトも含めてです。
必要であればデスクトップの壁紙を無地のものに変えてしまいましょう。
テレビやラジオを点けているようならそれらはすべて消します。
執筆だけに意識を集中させられる環境を作ってから「続きを書いてみて」ください。
これで少しは「続きが書ける」ようになります。
ウソのようですが事実です。
集中力を削がれることがなくなるので、脳裡に浮かんでいるイメージを文章へ翻訳しやすくなります。
それでも「続きが書けない」ようであれば、ちょっと頭の使い方を変えてみましょう。
執筆方法を変えてみる
あなたは携帯電話やスマートフォンやiPod touchをお持ちではありませんか?
iPadなどのタブレット端末をお持ちではありませんか?
キングジムのポメラをお持ちではありませんか?
紙と筆記具をお持ちではありませんか?
このうちひとつでも持っているものがあれば、あなたは「続きが書けるようになる」かもしれません。
そんなもので「続きが書けるようになる」のであればやり方を教えてほしい。
そうお思いかもしれませんね。
難しいことはいっさい無しです。
これらを活用して「書き方」を変えるだけ。
たったそれだけで「続きが書けるようになる」のです。
要は「PCのキーボードを打つ」以外の方法で書いてみます。
携帯電話のボタンをポチポチと押してみる。
スマートフォンでフリック入力をしてみる。
タブレット端末の文書作成アプリやお絵描きアプリを利用してみる。
ポメラのモノクロ液晶を見ながらキーボードを打ってみる。
紙と筆記具で思いついたことを片っ端からメモしてみる。
PCと異なる入力環境を用いることで、頭の使い方が確実に切り替わります。
この方法が思いのほか好調です。
私は本コラムの執筆に詰まるとiPadのお絵描きアプリでネタをひねり出してこれまでに三百四十回の連載を続けてきました。
外出先でも待ち時間で読書して、ひらめいたらiPod touchのメモアプリに忘れないよう打ち込んでいるのです。
いつもはPC(何度も言いますが私はMacです)で執筆していますが、「続きが書けない」ときは執筆方法自体を変えてしまいます。
すると不思議なことに続きが浮かんでくるんですよね。
だから書けなくなってきたら執筆方法を変えてみましょう。
PCでがむしゃらに書いてきたけど、その先がどうしても書けないときに試してみてください。
執筆方法を変える、たったそれだけのことで「奇蹟」は起こります。
複数の執筆方法を確保する
執筆方法にこだわらないでください。
いつもはMicrosoft『Word』を使っているけど、書けなくなったからJUST SYSTEM『一太郎』で書いてみよう。
そんなことでも続きが書けるようになるのです。
執筆方法にこだわると脳の柔軟性を活かせなくなります。
使い慣れた執筆方法にこだわらず、脳の柔軟性を引き出すには気分転換も兼ねて執筆方法を変えてみましょう。
そのためにも複数の執筆方法を確保すべきです。
メモ程度でも書けるものや入力できるものがあるのなら、それらを最大限に活かしてください。
最後に
今回は「複数の執筆方法を確保する」ことについて述べてみました。
複数の執筆方法を用意してあれば、それだけで「続きが書けなくなった」状態から脱することができます。
書けなくなった状態がウソのようにすらすらと書けるようになるのです。
それは連載三百四十回を迎えた本コラムが証明しています。
「小説を書く」という行為は、脳裡に浮かんだイメージを「文章として翻訳する」ことです。
つまり脳が柔軟性を失ってしまうと、イメージを文章に翻訳できなくなります。
気の利いた表現が思い浮かばないときなども、執筆方法を変えると思いつくものですよ。
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