243.意欲篇:計画がないと誘惑に負ける

 本日から本投稿は18:00前後になりました。

(『ピクシブ文芸』掲載時。2019年5月現在は17:00過ぎとなっています)。

 今回は周知のために二本目を投稿いたします。





計画がないと誘惑に負ける


 あなたは小説を書く決意をしました。

 では今から小説を書いてください。

 そう言われて、あなたはすぐに小説を書き始めるでしょうか。

 実はほとんどの方が一行も書きません。なぜでしょう。




計画を立てないと

 前もって「計画」を立てていないと、いきなり「これをしよう」と思い立っても、それまでに「これがやりたいなぁ」と思っていたことをつい優先させてしまいます。

 これはあなたの覚悟が試されているのです。

「小説を書く」と決めたあなたの意志が固ければ、なにがなんでも「小説を書く」でしょう。でもそこまでの覚悟を持つ書き手候補はなかなかいません。

 たいていの方は、決意する前から「これがやりたいなぁ」と思っていたこと、つまり「誘惑」に負けてしまうのです。

 なぜでしょう。




なぜ誘惑に負けてしまうのか

「誘惑」に負けてしまえば、あなたは小説を一行も書かずにほったらかすはずです。

 ではなぜ「誘惑」に負けてしまうのでしょうか。

「記憶の優先度」が決まらないからです。

 もし「計画」をしっかりと立てていれば「記憶の優先度」が整理されて、最優先事項に「小説を書く」ことが載せられます。

 しかし「計画」を立てないと「記憶の優先度」が整理されず、「小説を書く」ことが優先度の低いところに置くしかなくなるのです。

 意志の固い人は「記憶の優先度」を強引に圧縮して、その上に「小説を書く」ことを載せます。だから計画なしでも書けるのです。

 書いている間にも当然「誘惑」が襲いかかってきますが、意志の固い方ならそれらを顧みずに「小説を書き」続けます。

 ある程度意思が固くてなんとか「小説を書く」ことを「記憶の優先度」の上に載せたとしても、中途半端な覚悟では「誘惑」につい負けてしまうのです。


「小説を書き始めたけど、PS4のカプコン『MONSTER HUNTER:WORLD』が1月26日に発売されるから、気になるんだよなぁ」という方はいらっしゃいませんか。

(2019年5月現在なら『MONSTER HUNTER:WORLD ICEBORNE』ですね)。

 そんなあなたのために「計画」があります。




計画を立てよう

 では「計画」を立てるとどのようにいいことが起こるのでしょうか。

「時間」を管理して「節制」できるようになります。

「小説を書く」ことだけに一意専心しても、娯楽をいっさい禁じてしまうとどうしても「あれやりたい!」という状態に陥るものです。

 これは誰でも同じで、私も実際そういう状態に陥りました。


 しかし今は「計画」を立てて、そのとおりに行動しています。

 自由な時間になったら「小説の書き方コラムを毎日書く」ことを最優先にして、その合間に「連載小説のあらすじを考える」ようにしているのです。

 これだけでもかなりの時間をとられてしまいます。

 そうなると日頃の楽しみであった「ビデオゲームをプレイ」できません。

 実際に今、私の家にはPS3、PS Vita、PS4、Wii U、new3DS LLがありますが、最近まったく使っていないのです。

(2019年5月現在はPS Vita、PS4、Wii U、Switch、new3DS LLです)。

 『MONSTER HUNTER XX』を買ってありますが、まったくプレイしていません。

 おそらく来年『MONSTER HUNTER;WORLD』を買ってもプレイする時間はないでしょう。なので予約はしていません。


 このように「計画」を立てると「時間」を自在に管理できて「節制」することができるようになります。

 たとえば喫煙や飲酒を嗜んでいる方もいるでしょう。

 しかし「計画」を立ててそのとおりに実行していけば、「小説を書く」ことが最優先になり喫煙や飲酒の機会がみるみる減っていきます。

 気づいてみれば禁煙や断酒している可能性が高いのです。

 それほど「計画」に強制力を持たせてあれば、ちょっとやそっとの「誘惑」にはたじろがなくなります。




意志を固める

 このように「計画」を立てても、中途半端な覚悟だと「計画」を遂行できません。

 だからまず「意志を固める」工夫をする必要があります。

 たとえば「明日から必ず朝五時に起きよう」と決断し、できうる限り朝五時に起きるように心がけてみましょう。

「今日から仕事は定時の午後五時までに終わらせて必ず午後五時に帰ろう」でもいいです。

 一度「計画」を立てて、それがどの程度続くのか。自分の忍耐力や継続力を鍛えるのです。

 今回は三日しかもたなかったな。ではまた今日から始め直して、何日続くか頑張ってみよう。そのように気持ちを切り替えてください。

 最初は三日だとしても、次は四日もつ、その次は一週間続けられるかもしれません。

 このように「ひとつの決まりをどれだけ長く続けられるか」という意志を磨きあげる鍛錬をゲームにしてしまうのです。

 ゲーム感覚でどんどん繰り返していけば、二か月継続できるようになるでしょう。

 小説投稿サイトへ投稿する連載小説はたいてい二か月ほどで終わります。

 つまり「ひとつの決まりを二か月継続できる」ようになっていれば、小説の連載が可能になるのです。




小説の書き方がわからないのなら

 もちろん小説の書き方をきちんと学んでいなければ「どのように小説を書けばいいのか」がそもそもわからないと思います。

「小説を書く」と決めても、その人が「小説の書き方」をまったく知らないということはよくあることなのです。

 そこは私の過去コラムをお読みいただくか、他の方の「小説の書き方」を書いたエッセイや創作論などを参考にしていきましょう。

 小説投稿サイトには実にさまざまな講座が投稿されているのです。それらから学べば「紙の書籍」にお金を費やすことなく手軽に技術が身につきます。


 また「質の高い小説」をたくさん読むことで「どのように小説を書けばいいのか」が見えてくるものです。


「質の高い小説」といえば「紙の書籍」が真っ先に思い浮かびますよね。

 とくに芥川龍之介賞や直木三十五賞を受賞した作品なら手本になるのではないか。そう思うはずです。

 ですが私は芥川賞や直木賞の受賞作品をオススメしません。

 この二つの賞は「将来性を買って」選ばれることが多いからです。

 つまり今はちょっとおぼつかなくても、何作も書き続ければ一角の人物になるのではないか。そういう観点から受賞作が決まっています。


 その点『このライトノベルがすごい!』は読者投票ですので、「面白さ」「楽しさ」は多くの読み手が保証してくれています。

 ライトノベルを書きたい方は『このライトノベルがすごい!』で上位に入った作品を大人買いして「どこがウケたのか」を意識しながら何度でも読み返しましょう。

 そうして見えてきたものが「ウケるライトノベルの書き方」なのです。


 大衆小説を書きたい方は『本屋大賞』を参考にするとよいでしょう。

 目の肥えた書店の小説担当さんが実際に読んでみて「これは面白い」と太鼓判を押した作品が選ばれます。つまり「面白さ」が保証されているのです。


 ということで「誰かの書いた『小説の書き方』を読む」「質の高い小説を求めて『このライトノベルがすごい!』『本屋大賞』に載った作品を読む」という二つを基準にして勉強してみましょう。

 そうすればあなたにも必ず「小説は書けます」。

 小説は「読みやすくて楽しめればいい」ので、技巧を凝らす必要はありません。

 逆にあまりに技巧を凝らしすぎて「なにを言いたいのかわからない」「やたら回りくどい」ような自己満足の小説を書いてしまうほうが危険です。





最後に

 今回は「計画がないと誘惑に負ける」ことについて述べてみました。

 「小説を書く」と思い立ったのに「計画」を立てない。それでは実際に「小説を書く」ことはまずありません。たいていは「誘惑」に負けてしまいます。

 だから「小説を書く」と決意したのであれば必ず「計画」を立ててください。

 「計画」を立てると「記憶の優先度」が定まります。

 「小説を書く」ことを最優先事項にしてしまえば、必ず「小説を書く」ようになるのです。

 どうしても書けないのであれば、なんでもいいので「計画」を立てて「何日連続で実行できるか」ゲームをしてください。そうすれば「意志の固さ」が必ず身につきます。

 最低でも二か月間毎日同じことができるようになれば、小説投稿サイトで連載することもできるのです。

「意志の固さ」はあるのだけど「小説を書けない」方は、そもそも「どうやって小説を書けばいいのか」を勉強してください。

「紙の書籍」や小説投稿サイトのエッセイや創作論などで学べば「小説の書き方」は必ず身につきます。

 すぐに諦めるのではなく、地道な努力からスタートしましょう。



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