20話

 家に帰り、アイドル同好会にひかりちゃんが入ってここかろラノベとか漫画のように仲間集めを頑張るという話しを茜にすると、なんと茜が顧問とメンバーを紹介してくれるらしいです。


 なんかあっけないです。



 という事で、アイドル同好会のメンバー紹介です。


 同好会会長は勿論、桃ちゃんです。


 茜の親友で成績も優秀で先生からの信頼も厚く、クラス委員長もやっている。類いまれない人材です。


 現状最上級生である私達がやらない理由は勿論あります。


 私は面倒で、わかばちゃんはアイドル活動が忙しい。ひかりちゃんはリーダーに成りたく無いという完璧な理由です。


 なので、後輩に押し付けていませんよ。


 では、後のメンバーを紹介しましょう。私、わかばちゃん、ひかりちゃん、そして茜です。


 見事にいつもとほぼ変わらないメンバーです。


 そして、アイドル同好会の顧問を引き受けてくれた奇特な先生を紹介しましょう。


 茜と桃ちゃんの担任の先生でもあり、新任の先生でもある、まな先生です。


「これから、アイドル同好会の顧問になるまなです宜しくお願いします」

 まな先生は茜をちらちら見ながら言う。

 まな先生も茜のこと頼っているのかな。凄い頼りになりますし。


 新任の先生ですからね色々と大変だと思います。


「まずは自己紹介終わった所で本同好会の目的です」

 同好会会長らしく桃ちゃんがとり仕切る。


 アイドル同好会は設立しましたが、同好会の目的は悲しいことにひなこたんを愛でるでも、わかばちゃんを愛でるでも無くなりました。


 本同好会の目的は何かっていう話ですが、アイドルの社会的役割や影響を研究する同好会となりました。


 堅苦しい目的ですが、皆様が分かっている通り、これはお題目でしかありません。実際、将棋部だって部活動の8割り方喋っていますよね。それと同じです。


 あっ、因みに前世は将棋部でしたよ、実体験です。今世になってからは一回もやったことは有りませんが。


 この目的は基本的に文化祭の時にちょこっとだけ発表すれば良いものです。

 それも今年の発表は、一週間前に起きたわかばちゃんの炎上騒動を書けば良いだけですしね。


 だから、基本的にはひなこたんを愛でれば良いのです!!


「という事で、みんな色々と押しのアイドルがいると思うので次の集会の時に押すアイドルを紹介してください」

「えっ、桃さん、ひなこたんを押すんじゃないのですか?」

「違います」

「えー」

 そんな、アイドル同好会を作った意味が…。


 放課後に美少女達と話茶話茶出来ると考えれば良いか。


「…えーと、私、押すアイドルいないですけど…」

 わかばちゃん自身がアイドルだしね。


「じゃあ、茜も押しているアイドルいないよね?」

 前にアイドルなんて興味無いって言っていましたし。

「私はネットアイドルのお姉ちゃんを押すから大丈夫」

 茜が清々しいほどの笑顔で言う。


「いやいや、私はネットアイドルじゃ無いから」

 実際、あのダンス動画は今も順調に再生数を稼いでいるために消すに消せなくなってしまいました。

 コメントも英語や何か分からない言語まで書いてあり動画は世界にはばたいていきました。


「…じゃあ、私もゆかちゃんを押すね…」

「わかばちゃんまで」


「それなら、私もクラスのアイドルになっているゆかさんを押しますね」

「ひかりちゃん」

 ひかりちゃんにまで裏切られた。

 クラスのアイドルはわかばちゃんですよ。


「じゃあ」

 桃ちゃんに視線が集まる。


「私はゆか先輩と茜の藤原姉妹を押しますね」

 そうくるか。


「これなら、同好会で押すアイドルはまともなアイドルであるひなこさんで良いかもね」

 茜が纏めるように言う。


 みんな、ひなこたんを押せるように考えて発言してくれていたんだ。

 私は感激です。


 周りを見渡すとわかばちゃん、ひかりちゃん、桃ちゃんは不思議そうな顔にしています。

 何も考えていなかったのですか!?


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