12話

 ダンスを考えたり、茜の相手したり、同好会の設立は一旦諦めて、ひなこたんの布教を少しずつやっていると日曜日になってしまいました、


 例の如く大きいかなさんの家につくと、あれれ、前と止まってる車が違う気がします。


 すでにりかさんはついていました。


 今日のメンバーは私、かなさん、りかさん。

 特別ゲストで、顧問役である現役アイドルのわかばちゃんです。


 わかばちゃんは私が朝の挨拶として抱きつきいた後に来るようにダメ元で頼んでみたら、丁度、日中はオフだったらしく光の速さで了解をもらえました。


 良い友達をもったものです。


 因みに夜は生放送の深夜番組が有るそうです。今日はお礼をこめて、ちょっと茜にお願いしてリアルタイムで見ないといけませんね。


 何はともあれ、現役アイドル、それも最近ノリにのってるアイドルが顧問なのです。

 これは一位獲得間違いなしです。


「…えー、…皆さんにふり付け考えてきてもらったと思うので…、…それをまず見せてください…」

 私達が真剣な目でわかばちゃんを見ていたのが恥ずかしかったのか、わかばちゃんは私の後ろに隠れてしまいます。


「じゃあ、私からいくね」

 りかさんがリズムに合わせてダンスを踊る。


 足も手もしっかり別れて動いており、普通に上手し、りかさん手足長いから凄い見栄えもいいです。


 りかさん、初心者って言っていたのに


 曲が途切れると、りかさんがピースサインをする。

「どう?」


「…うまいですね。…おどりとして完成してますね…」

 わかばちゃんは誉めている。これは、もう私の踊りなんかみせなくてもいいんじゃないですかね。


「私も、上手いと思います。りかさん初心者じゃ無かったんですね」

「えっ。これが始めてのダンスだよ」

 りかさんが不思議そうに首を傾げる。


「りかは昔から運動神経だけは良いですぅからねぇ。運動しないですぅけど」

「えへん」

「なんか、初心者って聞いた後だとさらに凄く思えます」

「もっと、誉めてもいいよー」

 りかさんが目に見えて調子にのってます。


「りか、もしかして、そのダンスってぇ、アニメのダンスから持ってきたものですぅか?」

 えっー。確かにそれなら上手いのも納得出来るます。


「そうですよー」

 流石、りかさんです、期待を裏切らない。


「りか、それが採用されたらひなこ様のダンスはアニメのぱくりになるですぅ。それはだめですぅよ」

「なんで、みんな、当然のように頷いてるの?そんな事、かな氏から習わなかったのに!?」

 えっ、普通、そこは先生か両親じゃないの?


「…かなさんと…りかさんの関係って」

 わかばちゃんが何故か、服を強く握ってこちらを見つめてくる。


「じゃあ、次は私がやるりますぅ」

 かなさんは優雅にバレー風味な踊りを踊る。


 凄い!おっぱいが揺れているのに、滑らかに動く手足に目線がいってしまう。

 おっぱいみたいのに。

 あれ?


 かなさんは最後も優雅にに一礼して踊りは終わった。


「どうですぅ、私、ひなこ様がバレー踊っいる姿を見てみたいのでぇ、踊ってみましたぁ」

「凄いしか言えないです!私もひなこたんのバレーを見てみたいです!」

「かな氏、やっぱりレベルが違うよ」


「…上手くて良いと思います。だけど、相当練習しないと形にもならない気がします… 。…初心者のゆかちゃんとりかさんじゃ無理だと思います…」

「え、わかばちゃん、どのくらいの練習?」

「…ゆかちゃんなら、一ヶ月間みっちりやれば出来るようになると思います…」


「むり、むり、一ヶ月間ダンスだけの生活を送っていたら、アニメや漫画が見れなくなっちゃう。かな氏、私にお恵みを」

「そもそも、締め切りが来週までなので無理ですよ」

 締め切り早いんですよね。多分、参加人数多くなるとひなこたんが審査出来なくなるので、参加人数を減らすための措置だと思いますが。


「残念ですぅ」


「じゃあ、次、ゆかちゃん」

 何でわかばちゃん、そんな目が生き生きしてるの!?

 そして、かなさんもりかさんも期待の篭った目でみないでください。

 二人が凄いんですよ。私は完全な初心者なのでお察しの通りです。


「いきますよ。あんまり、期待しないでくださいよ」

 私は曲に合わせてその場で回ったり、両手をあげたり振ったりする。


「盆踊りですね 」

 りかさん、残念そうにしながら直球は止めてください。

 そう、盆踊りを改良?改悪?した踊りである。今まで、生きてきてまともに踊ったことがある踊りが盆踊りしか無かったのです。


 最初、ひなこたんが踊っているダンスから考えてみようとひなこたんのダンスを踊ったら、足も絡ませて転けて、茜に凄い心配をかけました。


 そして、茜に見てもらいながら色々とダンスを試行錯誤しましたが、茜からミミズがのたまわっているようにしか見えないと言われたので止めました。


 茜の心無い一言に私はたいそう気づついたのです。

 もう、人前で激しいダンスは踊れません。


 という事で、盆踊りを元に少しだけ激しくしたものです。


「これは、私は良いと思いますぅよ」

 かなさん、流石、抱擁力が段違いです。全てを肯定してくれます。


「ダンスとしては派手でわないですぅが、あまり、左右に動かないのでぇ。ファンと一緒に踊れるところがひなこ様に響きそうですぅ」

「確かに、ファンと一緒に踊れると触れ込めばひなこちゃんなら採用してくれそう」

「…ゆかちゃん可愛い」

 顧問役が仕事してないです。


「じゃぁ、こんなのどうですぅか?」

 かなさんは、私の踊りより見映えの良い振り付けにアレンジして踊る。


「良いと思います!」

 かなさんはなんでこんな短時間に振り付けを考えられるのですか?私はここ一週間ずっと考えてこれなだったのに。

「私も良いよ!」


「じゃあ、振り付けを確定してぇ、来週まで覚えよう」

 その後、振り付けをみんなで決めて、わかばちゃんの元、練習した。


 さすが現役アイドルだけあって指摘が凄かった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る