第6話 これが眠れるわけがない

 2019年5月5日日曜日。4時20分。

 昨夜からちっとも眠れない。

 試しに他社でリフォーム代を見積もってもらったら、150万が妥当だと言われた。

 それを言うと、施工屋は

「それでいいんじゃないですか?」

 とすっとぼける。

 そして自分は180万の仕事をしたと、主張したのだ。

 古い在庫のペンキで壁をぬって、**万。

 不ぞろいの屋根を乗せて、**万。

 そして慰謝料は**万。

 母にプライドを傷つけられて名誉毀損。

 仕事の士気が下がってパワハラ。

 支払を値切られて……。

 残金を一年後に払うと言われて……。


 それならこちらは、恐怖と不安をあおる言葉で脅され、不眠、過呼吸、発作、PTSDの悪化で施工屋は「脅迫罪」だ。


 胸がむかむかして、バクバクいって、うるさいのが止まらない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る